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脇役らしく平和に暮らしたい  作者: 櫻井 羊
小学生編
33/232

さんじゅうに 3年委員長決め

 時が過ぎるのは早く、今日から私は3年生だ。そして、3年生への進級の際、大事な行事がある。




 そう、地獄のクラス替えだ。



 私は昨日、去年の反省をした。去年までを思い起こし、衝撃の事実に気がついてしまった。私、あの3人と着実に仲良くなってる。仲良くなってどうする私。

 これからは更に気を引き締めていかねばならない。平穏な高校生活を送るために。私は騒動に巻き込まれたくない。

 だからこそこのクラス替えは重要だ。あの3人と別々になれれば関わる機会も減る。逆に同じクラスになれば関わる機会が増えてしまう。


 緊張しながらもクラス表を見に行く。



 まず最初に見つけたのは自分の名前。3組だ。そして3組にあの3人の名前はなかった。


 よっし!! しかも早苗ちゃん、美野里ちゃん、秋田くんが一緒!! やったね!! これは2年間楽しくなりそうだ!!


 教室へ向かうと既に三人は登校していて、同じクラスになった喜びを分かち合った。




「委員長決めするぞー」


 自己紹介が終わると担任がそう言った。

 担任までもが去年と一緒だった。これで三年目の付き合いだ。

 どうやら委員長だけ先に決めるらしい。統率する人間がいたほうが楽なんだと。

 私は2年間やったし、もうやりたくない。やはり図書委員をやりたい。今年は図書委員に立候補しよう。本読みたいな。あの図書室本多いからなぁ。そういえば新刊も入ったらしいし借りに行こう。まだ司書さんが勧めてくれた本もいくつか読めてないしそれも読みたいな。

「間切頼めるか?」

「え、あ、はい」

「頼んだぞー」


 何を?

 本に想いを馳せていたせいで話を何も聞いていなかったので適当に返事をしてしまった。今何やってんの? 委員長もう決まった? 私は何を頼まれたの?



「じゃあ委員長は間切、副委員長は秋田な。よろしく」



 なんで!?

 秋田くんを見れば笑顔でこちらにピースしていた。何した。お前何した。


 クラスメイトに向けて改めて委員長として挨拶をしたあと秋田くんに聞けば、秋田くんが私を委員長に推薦したらしい。なんてことを。


「なんで私を」

「委員長が委員長じゃなくなったら委員長って呼べないから…」


 そんな理由で委員長にされる私とは。普通に名前で呼んでくれよ。まぁ、話聞いてなかった私も悪いから今年一年間は頑張ろう。所詮は雑用。図書館に行けなくなるわけじゃないし。うん。


 その後一年のときのように委員長の顔合わせがあったので、今年も副委員長になった秋田くんと教室に赴いた。



 教室にはあの三人もいた。秋田くんあとで覚えてろよ。



 赤坂が1組の委員長、辻村は1組副委員長。木野村は2組の委員長だそうだ。4組は見たことのない生徒が委員長になっていた。委員長辞めたい。せめて副委員長になりたいと言ったら秋田くんに断られた。おう。一度引き受けたものはがんばるよ…。



 家に帰ると私と同じく委員長に任命されたらしい兄が「面倒くさい…」と嘆いていたので私もそれに便乗して嘆いた。兄の方は兄のクラスで去年委員長をやっていた人が辞退したせいで兄に白羽の矢が立ったらしい。兄は猫被ってるせいで断れなかったみたいだ。ドンマイ。その後暫く二人で嘆いていたら圭が慰めてくれた。うちの弟は本当に可愛い。

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