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脇役らしく平和に暮らしたい  作者: 櫻井 羊
小学生編
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さん 1年委員長決め


「波留、今日はどうだった?」

「兄さん。友達出来たよ!」


 家に帰れば兄が先に帰っていたので友人ができたことを話すと兄は優し気な笑みを浮かべて話を聞いてくれた。兄の名前は梓。今年四年生になった、自慢の兄だ。勉強も運動もそつなくこなしている。


「いいなぁ。僕も早く学校行きたい」

「圭も来年には入学するじゃない。三人で同じ学校に通うの楽しみだね」


 話の途中で加わってきた弟は私の一つ下で、すごくかわいい。私とは違いふわふわとした黒髪も、大き目な瞳も。なんで私は顔のよい家族のもとに生まれたのに一人平凡なのか。いや、いいけどさ。目立たなくて。

 夕飯の時は両親に今日のことを報告した。式には来ていたが教室内のことは知らない両親は楽し気に私の話を聞いてくれた。




 そして、翌日。私が教室につくと早苗ちゃんはすでに教室にいた。私は早苗ちゃんに挨拶をして席に着く。隣の席の子にも挨拶をしておく。さて、今日は何をするんだろうか。

 先生が来れば、同級生たちは静かになる。



「今日は自己紹介をした後、委員会きめするよー」



 委員会か。できれば楽なものがいい。そうだな……図書委員とかあったらそれがいいな。本好きだし。


 そんなのんきなことを考えながらクラスメイトの自己紹介を聞く。聞いたところで覚えきれるわけないが。自分の番の時は当り障りのないことを答えておいた。


 今日は習い事もない。きっと放課後は暇だから学校散策でもしようか。カメラも持ってきているから校舎の色々なところを写真に収めるのもいいな。



「さて、まず委員長だけど……まだ皆の性格とかわかっていないからね。先生が決めようと思う」


 まぁそうなるわな。それよりも早くどんな委員会があるのか知りたい。楽そうなのをすぐさま取りたい。



「委員長は間切さんにお願いしたいな」







 先生なんて?


 先生を見て固まる私に微笑む先生が悪魔に見えてきた。というか委員長は困る。絶対忙しい。クラスのまとめ役と体のいいことを言っても所詮は先生の雑用だ。自分の時間が無くなる。どうにかして委員長は避けたい。



「先生、お言葉ですが私は人の上に立つような人間ではありません。約三十人もの人間をまとめることなど不可能だと思います。ですから、別の人を委員長にたてたほうがよろしいかと」


「よし、間切さん決定ね」


 何故だ。


 結局そのまま私に拒否権はなく、委員長となった。副には眼鏡の秋田君が就いた。今日の放課後委員長の集まりがあるといわれ、秋田君と会議室に向かう。


「なぜ私が委員長なのか」

「しっかりしてそうだからじゃない?」

「秋田君委員長やるつもりない?」

「ない」


 秋田君は笑顔だった。ちくしょう。


 会議室につくと他の一年生のクラスの委員長は皆いた。他の学年はまだちらほら来ていないのがいるが。そして、ほかのクラスの委員長には件の三人が選ばれていた。



 この世は残酷である。





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