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脇役らしく平和に暮らしたい  作者: 櫻井 羊
中学生編
162/232

83話 修学旅行2



「……」


 修学旅行2日目、予定されていた体験学習やらなんやらを終えて、自由行動という名のグループ行動の時間だ。



 まぁ私は逸れたわけだが。




 なぜ私はすぐに逸れるんだろうか。団体行動向いてないのでは? 前世では団体行動もできる模範的な良い子だったのにな。何がどうしてこんな迷子になったんだか。

 取り敢えずメンバーに連絡しようと、秋田くんに電話をかける。ものの数コールででた。


『波留さん生きてる!?』

「とても生きてる」

 開口一番で生死を心配されるとは思わなかった。

『よかったぁ。今どこにいる?』

「なんか店がいっぱいあるところ」

『凄い。なにもわからない』

「今適当に歩いてる。秋田くんたち今どこ?」

『遭難したら動くなってよく言うよね。今は予定通りお団子食べてるよ』

「あぁ、あそこね。じゃあ今からそっち向かう」

『何かあったら連絡して』

「お団子美味しい?」

『美味しい』

「急ぐ」

 お団子食べたい。


 急いで団子屋へ向かう。なんとか秋田くんたちと合流できたので団子だけ買って次の目的地へ向かうことになった。迷惑かけて申し訳ない。


「本当に逸れた事に吃驚してる」

「波留ちゃん結構逸れるよね……?」

「よく逸れるね。逸れるつもりは全く無いんだけど……いつも迷惑かけてゴメンね」

「いいんじゃない? 俺達はゆっくりできたし」

「団子美味しかったねー」


 友人が優しい……。

 まぁ友人に甘えていてはいけない。今後のためにもこの癖は治さねば。どうしたら治るんだろう。


「……間切って結構普通の人間なんだな」

「どこをどう見たって普通じゃないか」


 私は普通の中の普通だと思うが。前世の記憶がある以外。


「えっ」

「え?」

「普通?」

「普通」


 驚いている様子の篠崎の言葉を鸚鵡返しのように返せば彼はじっと私を見てきた。嘘だろお前とでも言いたげな表情だ。




「嘘だっ!」

「本当だよ。私は普通だよ。はいチーズ」

「撮るなバカ!」



 表情豊かな篠崎を写真に収めようとしたらカメラを没収された解せぬ。

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