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脇役らしく平和に暮らしたい  作者: 櫻井 羊
中学生編
137/232

58話




「お化け屋敷って怖くない?」


 学園祭でお化け屋敷をやることになったうちのクラス。放課後、間取りやらなんやらを書き出していると秋田くんが資料に目を通しながらそう言ってきた。


「まぁ、そういうものですし」

「俺お化け苦手なんだよね……」

「あぁ、そういえばそうだったね」

 まぁお化け屋敷はお化け自体より脅かし要素の方が怖い気がするけど。あと雰囲気。


「俺だって昔はそこまで苦手じゃなかったんだよ?」

 昔って前世のことかな。今教室には私と秋田くんしかいないし話しても大丈夫か。

「でもさ、俺、転生したじゃん」

「何も知らない人が聞いたら厨二病感満載の台詞だね」

「仕方ないね。で、転生なんてものがあるなら幽霊とかお化けがいてもおかしくないよね、って思い始めて……」

「怖くなったと」

「怖いよ。目に見えないから余計に怖いよ!」

「まぁ自分たちで作る分には平気じゃない?」

 そんな凄いもの作るわけでもないし。

「なんか集まってきそうじゃない!?」

「想像力豊かだなぁ」

「やりたくないー」

「決まったものは仕方ない」

 多数決で決まって、生徒会や教師陣からも許可をもらってしまったのだからやるしかないのだ。そういえば美野里ちゃんも早苗ちゃんもお化け苦手だったな。あ、赤坂と木野村もか。辻村はとてもイキイキしてたから苦手ではないんだろう。


「うぐぅ……やるけどさぁ……」

 文句を言いながらも資料に目を通し続ける秋田くんは偉いと思う。


「波留ちゃん秋田くん」

「うわびっくりした」

「本田さんじゃん。どしたの?」

 今日は部活があると言っていた早苗ちゃんがひょこっと教室に顔を覗かせた。


「今日の部活は終わったから、二人と一緒に帰ろうと思って」

 えへへ、と笑う早苗ちゃんはとても可愛い。

「俺達の方ももうすぐ終わるからちょっと待っててー」

「すぐ終わらせるね」

「手伝おうか?」

「大丈夫」



 ちゃちゃっと作業を終わらせて三人で帰路につく。少し寒い。


「早苗ちゃん今年は何作ってるの?」

「猫のぬいぐるみ。ふわふわのやつ」

「へぇ、今年も見に行こ」

「展示品は触れるの?」

「許可を取れば触れるよ」

「触ろう」

「もふろう」


 早苗ちゃんは手芸が得意らしく、中々完成度の高いものを作るからきっとよいもふもふが出来上がるだろう。楽しみだ。


「そういえば浅田さんは今頃忙殺されてるのかなぁ」

「今年も劇やるクラスは多いらしいからねぇ」

「演劇部は大変だね……」

「波留さんは生徒会忙しくないの?」

「……結構忙しいかな」

 今日は休ませてもらっただけだ。

「クラスのこともあるし……頑張ってね」

「頑張れ波留さん」

「頑張る……」

 取り敢えず兄がぶっ倒れなければ良いか……。



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