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脇役らしく平和に暮らしたい  作者: 櫻井 羊
中学生編
128/232

49話



 もうすぐ夏休みである。しかし中学生には定期テストと言うものがあり、それを乗り越えねばならない。正直私は中学生2度目なので躓くことはないが、学年上位を取ろうと思うと勉強はしなければならない。


 という、私の事情はどうでも良いのだ。問題は今私の目の前にあるチョコの山だ。フォンダンショコラにトリュフに生チョコにと、様々な手作りチョコレートが積み上げられている。私の向かい側に座る圭はこの山に呆然としている。



「……作りすぎた」


 テーブルのそばに立ち、チョコの山を見下ろす兄が申し訳なさそうに呟く。見ればわかる。凄い量だもの。


 このチョコを作ったのは兄だ。兄の趣味は勉強だが、少し前からお菓子作りにもハマっている。というか、ストレスの発散方法が勉強とお菓子作り含む家事になった。なんて家庭的。


「……日持ちするのは後回しにして、食べよう」

「どれも美味しそうだね!」

「宏和も呼ぶ」

 食べねば減らない。私達はそれぞれチョコを手に取った。兄は一宮さんを呼ぶらしい。


 さて、兄手作りのチョコを食べているわけだが、1つ気になることがある。兄はストレス発散にお菓子を作っているのだと考えると、こんな量を作るということは相当ストレスを感じているということになる。それは妹として些か心配だ。もしかしたらまた倒れるかもしれない。


「来たよー」

「いひみははん!」

「圭くん口の中空にしてから喋ろうね」

 一宮さんの登場に圭が嬉しそうにしている可愛い。

 兄は自分が作ったチョコをもりもり食べていて何も言わない。……一宮さんに聞いたら何かわかるだろうか。あとでメールしよ。あ、この生チョコ美味しい。








 結論から言うと、一宮さんは何も教えてくれなかった。兄に口止めされているようだ。しかし気になるものは気になる。取り敢えずテストが終わったら対策を考えよう。明日からテストだし、今はそっちに集中せねば。


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