地獄の回転ジャンクルシム
今回は結構汚い発言があります。注意して下さい
それはとある土曜の昼下がり、私たちは公園に集まりいつものように喋っていたのです。
「だから私としてはこのアニメが至高だと思うのです」
「おや?確かにそのアニメは素晴らしいと思います。しかしアニメに優劣をつけている時点でアナタはアニメファン失格です!」
「いえ、私はアニメも良いと思うけどゲームも良いと思いますよ」
「それについてはあたいも同意だよ。……ところで聞きたいことがあるんだが」
「なんですの?」
「なんであたいらは、……いや、俺らはさっきからなんで女っぽく喋ってるんだよ!」
「「「はい、一也の負け~」」」
「勝負だったのか!?」
まぁ疑問に思うのは無理もない、一也がここに来たのは一番最後だったしな。勝負と知らず勝手に適応してたらしいがどうやら我慢出来なくなったらしい。
「勝負だよ、お前が遅いから暇でしょうがなかったしな。それで暇つぶしで女口調を解いたら負けってゲームしてた訳だ」
「確かに1時間も待たせたのは悪かったけどな……それなら俺が来たら止めろよ!正直凄い焦ったんだぞ!」
知るか。遅れてきたこいつが悪い。せめてもの仕返しとしてこれぐらいは許されるべきだろう。え?ゲーセンの時盛大に寝坊したお前が言うなって?……ナンノコトカナ。
「いやぁ、助かったぜ一也。正直この遊びとっとと切り上げたかったんだよ」
悠斗が煽るようにそう言った。
「じゃあ俺が来た瞬間に終わらせろよ!」
「駄目だよ、これはお仕置きなんだからさぁ」
相変わらず准の一也に対する煽りスキルは高い。こいつ今凄く憎たらしい表情してる。
「准!テメエマジで覚えてろよ!」
「なぁ一也?流石に1時間も遅れてくるのはどうかと思うんだが」
「……なぁ龍斗、この前ゲーセン行った時に完全に寝坊して俺らを散々待たせた奴には言われたくないんだが」
「うっ!」
調子にのって反撃食らった。
「確かに龍斗は人のこと言えないね」
「流石の俺も自分のことを棚に上げて人に何か言うのはどうかと思うぞ?」
ヤバイ、一也と准の言葉の矛先がこっちに向かってきた。
「「……取りあえず一也と龍斗は今この場で10分間正座な」」
「「死ぬわ!」」
二人ともふざけんな!こんなにクソ暑い気温で鉄板のように熱された地面で正座とか余裕で火傷するわ!
「冗談だ、そんなことやってたらそれこそ遊ぶ時間がなくなるだろ」
「まぁ、そういうことだね。とっとと今日は何するか決めようか」
「鬼ごっことかはどうだ?」
「「「悠斗が鬼になった瞬間に全滅するから却下で!」」」
「まさかの満場一致!?」
「ドッジボールはどうだ!」
「人数が足りないし、足りたとしても悠斗にボールが渡った瞬間に死人が出かねないから却下」
「俺も同意見」
「僕も同じく」
「……じゃあ、回転するジャングルジム的な奴」
「「「貴様は俺達にゲロを吐けと言うか!」」」
「いや、交代で回すんだよ!なんでずっと俺が回すの前提なんだよ!」
「……それならいいかな。龍斗と一也は?」
「「それならオッケーだ」」
「よかったね悠斗。いいってさ」
「ただし回すのは俺達三人だけだ。悠斗が回したらゲロ吐くどころか遊具がぶっ壊れる可能性があるからな」
「……よし!全員で乗るぞ」
「「「!?」」」
全員でって……回す役割が一人いないと回らないだろ……
色々気になることはあったが取りあえず遊具がある場所まで向かった
「……着いたけど、どうやって回すつもりだ?」
「まぁまぁ後のお楽しみってことで、取りあえず全員乗り込むぞ」
「「「……………」」」
俺達三人は警戒しながらこの遊具に乗り込んだ
「乗ったけど……これからどうするんだ?」
「簡単なことだ。……こうするんだよ!」
悠斗はジャングルジムの隙間に手をやると、おもむろに横に向かって押し出した
「さぁ!地獄の始まりだ!お前ら覚悟しろよ!」
バカかこいつは。流石にここに乗りながら回すなんて流石にこいつでも無理だろ
「バーカ!ここで押しても回るわけないだろーが!」
「一也に続いて悠斗まで頭が沸いてきたの?このグループに大バカは一人でいいんだけど……」
「おい准!俺に続いてってどういうことだ!誰が大バカだ!」
「事実じゃないか、なんで怒ってるの?」
「後で絶対しばく!」
「おいおい喧嘩するなよなァ。お楽しみはここから始まるんだぜぇ?」
悠斗がそういうといつの間にかこの遊具は回り始めていた。
「おい、ヤバいぞ!なんか知らんがマジで回り出した!」
「「なんだって!?」」
「さぁ回転のお時間だ!遊園地のコーヒーカップより激しくしてやるから覚悟しろぉ!」
「待ってくれ!お前さっき皆で交代しながら回すって言ってたよな!?」
「ふっ、交代しながらと言ったな。……あれは嘘だ」
「「「ふざけんなあああああああああああああ!」」」
悠斗がそう言い放った瞬間、ゆったりした回転だったのが突然超回転を始めた
「うわああああああああ!ヤベぇ!吐く!三半規管が暴れ回ってるううううううううううう!」
ホントにヤバイ。ホントにいつ吐いてもおかしくない
「あはははははははははははは!ねえ皆!なんだか川の向こうでおじいさん達が優しい表情で手を振ってるよ!」
准はなんだか川が見えてきたらしい。死にかけじゃねえか!
「気をしっかり持て准!この近くに川なんてないぞ!お前が見てるのは確実に三途の川だ!……あれ?何故かパセリの様なものがあんな所に置かれてる」
一也が准に言葉を掛けている。……なんでパセリ?
「ひゅううううううううう!最っ高に楽しいなああああああ!お前らああああああ!」
全然楽しくないわ!控えめにいって地獄だ!
「「「早く止めろオオオオオ!」」」
マジで早く止めて欲しい。多分このままだと悠斗以外全員死にかねない。
「だが断る!こんな最っ高に気分の良いこと止める道理がねぇ!」
「「「誰か助けてくれえええええええええええええ!」」」
俺達が解放されたのはそれから30分が経ってからだった……
「は、ははは。生きてる!俺達生きてるぞ!」
「やった!僕達はあの……あの地獄を乗り切ったんだね!」
「ひゃっほおおおおおおお!生きてるって素晴らしいいいいい!」
俺達三人が喜びを分かち合っていると……
「大袈裟だな、お前らは」
悠斗がそんなことを言ってきた
「「「ふざけんな!悠斗!今回ばかりはマジで死ぬかと思ったわ!」」」
「……そこまでか。………悪かったな三人共」
「今回は許す。……だが次もやったら俺達三人でフルボッコタイムの開始だからな?」
「……本当にすまんかった」
はぁもう今日は疲れた……主に精神的に。
「取りあえず今日はもう帰ろうぜ」
「それがいいな」
「僕も賛成」
「俺も今日は頭冷やすわ」
そんなこんなで今日はこれで終了。……帰り際に再び悠斗に三人で闇討ち仕掛けたが案の定返り討ちにされました。