1.私と家族
「ねえロジーナ。その櫛いいわね。私、それ欲しいわ」
「これはお父様からの、お誕生日の、私にって……」
その日は九歳の誕生日のお祝いにとお父様から貰った櫛を、パーシャ姉様が欲しいと朝からねだっていた。おねだりは今回が初めてではない。二つ上のお姉様は事ある毎に私の持ち物を羨ましがり、欲しいと言ってくるのだ。そして。
「ロジーナ。パーシャが望んでいるのなら、渡しなさい。年上であるパーシャの言うことがきけないの?」
マウリツィア母様は年下なのだからお姉様の言う通りにしろ、お姉様が欲しがるものを渡せと言いつける。今回も、私は二人の気迫に負けて仕方なしに櫛をお姉様に渡そうとした。
「ロジーナ様。その必要はありません」
櫛を乗せてお姉様に差し出していた私の手に、温かな手が重ねられた。顔を上げて手の主を見れば、メイド頭のヒラリーだった。丸目の顔と体形で、茶色の髪と同色の瞳は優しさと温かさを感じさせるヒラリーは、亡きエレノオラ母様に仕え、お母様と親しくしていた人だ。
今の女主人がマウリツィア母様なので、エレノオラ母様の話をしてはいけないということはエイジェルス家においては暗黙のルール。でも、私がお願いすると内緒でお母様の話をしてくれる唯一の人、それがヒラリーだった。
「そちらの品は旦那様が先日、誕生日のお祝いにとロジーナ様にお渡ししたものです。確か、パーシャ様にもなにか贈り物をされていたはずでは」
普段は温厚なヒラリーだけれど、マウリツィア母様やパーシャ姉様と対峙する時のヒラリーの目は冷たくなる。その瞳で捉えられれば、お姉様は不満そうに唇を尖らせた。
『年下なのだから、年上の言うことをききなさい』
何度その台詞を言っても、ヒラリーの前で私から物を取り上げる理由にならないことを自覚しているのだろう。それはお姉様だけではなく、マウリツィア母様も。
そうやって、ヒラリーはお父様が不在の時に私を守ってくれていた。彼女は私の心強い味方だった。
私に生母エレノオラ母様の記憶はない。私が三歳になる頃に事故で亡くなったのだ。数年後、未亡人だったマウリツィア母様がパーシャ姉様を連れてお父様と結婚したことは、周囲が話していたのを聞いてきたので理解している。マウリツィア母様はエレノオラ母様の姉にあたり、本来は私の伯母であることも。
父ライオネルは宝石商人としてこの国では少しばかり有名で、エレノオラ母様亡き後に大きな商会に移り、仕事で駆け回る日々。物心ついてから館でお父様と顔を合わす時間は少ない。
家族としてマウリツィア母様とお姉様は常に館にいるのだけれど、マウリツィア母様は全てにおいてお姉様を優先させているので、私は館内では家族の温もりを感じることはできなかった。ヒラリーだけが私に人の温もりを教えてくれていた。
それなのに。
「明日より、お暇をいただくことになりました」
「どう、して?」
十歳の誕生日を迎える直前の、ヒラリーからの突然の退職の話に私は呆然とした。今日が仕事納めですと幼い私に対して頭を下げる彼女に、私は縋ってその理由を涙ながらに尋ねていた。ヒラリーがいくつかの町を隔てた場所からこの町にやって来ていたことを知っている。結婚していない彼女は、この家……私に最後まで仕えると事ある毎に、昨日もそう言ってくれていたはずなのに。
なのに、どうして。
「ここをやめて、別のおうちで働くの? 私のこと、嫌いになったの?」
「……故郷に戻ることにしました」
膝を折ってしゃがんだヒラリーは、涙を零し混乱している私を落ち着かせるかのように、私の両手を包んで言葉を続けた。
「泣かないでください。私がロジーナ様を嫌うはずなどありません。そしてどうか、忘れないでください。エレノオラ様はロジーナ様の幸せを願っております。旦那様も、私もです」
「じゃあ、どうしてお父様はお仕事と言って私のそばにいてくれないの? どうしてヒラリーは私から離れてしまうの? どうして?」
「それは……覚えておいてください。ロジーナ様は愛されておりますことを。これからも遠くからですが、ロジーナ様の輝かしい未来を私は毎日お祈りしております」
ヒラリーは辞めていく理由については言葉を濁し、私の未来を案じながら私の手に一つの鍵をそっと乗せた。
「これは?」
「エレノオラ様の部屋の鍵です」
人差し指を私の唇に当てて、手のひらの物がどこの鍵なのかを小声で教えてくれた。
エレノオラ母様の部屋は私の部屋と続き扉で繋がっている。けれどエレノオラ母様のお部屋はお父様が直接管理していて、部屋に貴重品があるために鍵が常にかけられていているのだ。全部屋の鍵を管理し家政を仕切るマウリツィア母様でさえ、中の物は勝手に触れることのできない部屋だった。実娘の私でさえ、立ち入ったことのない部屋でもあった。
「私がいなくなり、旦那様もこの館にいる時間は少ないのです。この鍵はロジーナ様にとって心の支えとなり、必要となりましょう。でも」
ヒラリーが言いたいであろう言葉を頷くことで『わかっている』と伝えた。先ほどヒラリーは私の唇に指を添えた。それは『秘密』という意味だ。
この鍵の存在を知られてはいけないし、私がエレノオラ母様の部屋にいることを知られてもいけない。もし知られてしまったら、間違いなくこの鍵を取り上げられてしまうのだから。
「ねえヒラリー。私、お手紙を書いてもいい?」
「それは……」
「ヒラリー、だめ?」
「恐らく、その手紙は私の元に届きましても、返事はロジーナ様のお手元に届くことはないでしょう」
「ど、して?」
「この館に届く手紙は全てマウリツィア様が目を通されます。ですから」
返事が来たとしてもマウリツィア母様の所でヒラリーの手紙は止められるのだ、と理解した。
「ヒラリーのお返事は我慢する。だから、お手紙書いても良い? 大きくなったら会いに行ってもいい?」
会いに行くのはいつになるのかわからないけれど。大好きなヒラリーとこのまま会えなくなってしまうのはとても寂しい。希望ある、明るい未来の約束が欲しい。
そんな我儘で一方的な約束をヒラリーは、
「もちろんです。お手紙も大きくなられたロジーナ様のお姿も、心からお待ちしています」
目に涙を浮かべながら応えてくれた。
翌朝、何度も振り返りながらヒラリーはエイジェルス家を後にした。私はほかの誰よりも一生懸命最後まで手を振って見送った。ヒラリーの姿が見えなくなった頃、使用人たちがひそひそとヒラリーが辞めていった経緯を話し始め、そして知った。
「女主人にたてつく使用人など不要」
マウリツィア母様の一言で辞めさせられたのだということを。
メイド頭でさえ一言で辞めさせることのできるマウリツィア母様に、逆らう者はいなくなった。それはエイジェルス家において私の味方をする者が今後一切現れないということだった。
それからはマウリツィア母様とお姉様は私を蔑み、私とお父様との距離をさまざまな方法で離してしまう。使用人はマウリツィア母様に従うだけ。私の身の回りの世話をしていても、無駄な話は一切しない。私のことを心配する者も、私が胸の内を話せる相手もどこにもいなくなってしまった。
すぐにやって来た私の誕生日もお父様はお仕事で忙しく、お父様からの贈り物を例年通りマウリツィア母様から手渡された。この贈り物も近々お姉様にねだられることは容易に想像がつく。そして誕生日である今日、『誕生日おめでとう』という言葉はお父様からの贈り物についていたメッセージカードだけだった。毎年おめでとうございますと祝ってくれたヒラリーもいない。孤独な誕生日になってしまった。
あまりにも寂しくて、私は鍵を貰って初めてお母様のお部屋へと続く扉を開けた。
「ここが、お母様の……」
私の部屋よりも少し狭いお部屋。人が使う部屋というよりも衣裳部屋という印象だった。
ドレッサーや大きなクローゼット、本棚、がある。テーブルやベッドはなくて、三着ほどドレススタンドに明るい色のドレスが型通りに飾られていた。ドレッサーの上にはジュエリーボックスもあり、そこにはお母様が身に着けていたのであろう宝石が綺麗に並べて保管されていた。
この部屋にはエレノオラ母様の服もアクセサリーも靴も、お母様の全てが揃っているようだ。
本棚に目を移せば、木製の小箱が置かれていた。装飾として花の模様が細かに彫られていてる、艶のある小箱。
ドキドキしながら開けてみると中には手紙が何通も、ぎっしりと詰められていた。
『隣に住んでいるのに、エレノオラがよく手紙をくれてね』
お父様が一度だけ、マウリツィア母様が外出中に書斎でエレノオラ母様のお話をしてくれた時のことを思い出した。
『その手紙は今でも大事にしている。子供の幼い文章なのに、読む度に何故か勇気を貰えてね』
この手紙の束は、きっとお母様からお父様へのお手紙。汚さないように、折らないように気を付けて封筒から中身を取り出す。
ーーーライオネルが笑うと、私も笑いたくなるのよ。
ーーー空に輝く星を取ってくれる約束、守ってね。
ーーーお姉さんは何でもできるのに私は失敗ばかり。でも、お姉さんみたいになれるように頑張るわ。応援してね。
二、三通目を通せば、お父様とお母様はとても仲が良かったのだと文章から読み取れた。この手紙を繰り返し読んで、お父様は勇気をもらって、お母様の傍が自分の居場所だと感じて。だから二人は結婚して、私が生まれて……そんなことを考えていたら心の靄が少し晴れていて、私はこの部屋に来てよかったと思った。
そんな十歳の誕生日だった。
十二歳の誕生日が過ぎた。
昨日はお姉様にお父様からお土産で貰ったネックレスをねだられた。いつものようにマウリツィア母様から『年長の言うことをききなさい』と言われて結局手放してしまったのだけれど。まだ手元にあるお父様からの誕生日祝いの贈り物を手放す日も近いだろう。
渡したそのネックレスをお姉様が着けていたので、珍しく夕食に同席していたお父様が驚いた顔をしていた。
「……私よりも、お姉様の方が似合うと思って、お譲りしたの」
視線を落とし、俯きながら小声でお父様に説明した。その一言を言わなければ、後でマウリツィア母様から叱責され
「年下が、年上の立場を傷つけた」
という名目で罰を受けるのだ。私の持ち物をお姉様に譲ったのは自分の意志なのだ、と言わなければいけないことを、私はこの数年で学んだ。
お父様は私の言葉をそのまま受け止め、
「今度こそお前が気に入るものを贈るよ」
すまないと謝る。お父様に謝られると心が痛む。お父様から贈られたものはどれも素晴らしく、いつも嬉しく思っているのに。嫌な思いをさせ、謝罪までさせてしまっていることで自分の至らなさを痛感してしまう。そんな娘に対して、もっと相応しいものを贈ると言ってくれるお父様の言葉は素直に嬉しかった。食事の席において私が口を開くと、大抵マウリツィア母様からの注意を受けるので、
「ありがとう」
心からの感謝を笑顔で伝えた。
それからお父様は、マウリツィア母様やお姉様と話を始めた。マウリツィア母様は、私に向けることない笑顔をお姉様とお父様に向けている。マウリツィア母様の厳しさは私にだけ向けられるのだ。というよりも、私を嫌っているのではないかと思う時がある。
今まで何度も自分の境遇や胸の内をお父様に話そうとした。でも、お父様は館でお顔を合わす時間が短いうえに、マウリツィア母様の手腕を褒める言葉しか口にしない。確かにマウリツィア母様は目が高くて家政の命は的確で、エイジェルス家の装飾は替わり、使用人の統制が図られ、今ではエイジェルス家は訪問客には必ず褒められ、どこに対しても自慢のできる館となった。交遊関係も幅広くお父様のお仕事を支えていて、女主人としての手腕の高さを多くの人が知っていることも事実だ。そんなマウリツィア母様のことを悪く言う私のことをお父様は信じてくれるのだろうかと悩み、結局いうことはできないでいる。
マウリツィア母様は、私の事をいつの日か、好きになってくれるのだろうか。お父様やお姉様に向けている笑顔を、私に向けてくれるのだろうか。
「今日もお父様のお帰りは遅いのでしょうか」
食事を前に、マウリツィア母様に尋ねると
「お父様はエイジェルス家のために働いているのだから、遅いに決まっているでしょう」
そんなこともわからないのとクスクス笑いながら答えたのは、パーシャ姉様だった。
「食事前ですよ。感謝を込めてお祈りをした後なのに、ため息なんて失礼ですよ!」
今日もお顔を見ることはできないのだと寂しく思い、つい溜息を漏らしてしまった私にマウリツィア母様が叱責の声を上げた。
「そんな礼儀知らずに食べさせるものなどありません。部屋に戻りなさい」
「おかあ……」
「さっさと行きなさい」
更に厳しく言い渡されれば、食事を口にしていないけれど席を立つしかなかった。去年までは謹慎していても食事を部屋まで運んでもらえていた。けれど、今は謹慎の間は食事も止められてしまう。つまり、私の食事はお昼で終わり、明日の朝まで何も食べられないということだ。
「いやね、こんな無作法な子が私の妹なんて」
すれ違いざまにお姉様が高らかに笑う。その無作法に対してはマウリツィア母様の咎めはない。エイジェルス家において咎めを受けるのは、私だけだった。
今の私にとって心の支えは、顔を見ることは少ないけれど愛してくれているお父様の存在と、エレノオラ母様から受け継いだブレスレット、指輪、ネックレス。それからお母様の部屋。お手紙の返事はないけれど、境遇を伝えられるヒラリーだけ。
いま身に着けている大事なブレスレットも、実はお姉様に狙われている。さすがに私がお父様に対して亡き母の形見を譲る理由を言うことができないので、しぶしぶ諦めているようだ。それでも時折羨ましそうな瞳を私の手首に向けてはいるのだけれど。
部屋に戻り、ベッドに腰を掛ける。
マウリツィア母様の私への風当たりが以前よりも強くなっている。以前ならば感謝の祈りの後の溜息では謹慎や食事抜きという罰はなかったはずなのに、最近では着席時間が数分遅れただけでも、言葉を返すのが少し遅れただけでも、
『部屋に戻り反省なさい』
そう言われてしまう。食事が一日一食という日も珍しくはなくなった。そして罰を受けている間は部屋で謹慎していなければならないから、お父様と顔を合わせる時間がないに等しい。
館の訪問客に対しても外出先においても、マウリツィア母様はお姉様だけを着飾り、そして誉める。そしてお姉様とは雲泥の差のいで立ちである私は
「ロジーナはまったく不出来な妹で」
とマウリツィア母様に評されるのだ。お姉様はマウリツィア母様に容貌が似ており、栗色の髪と緑の瞳にマウリツィア母様の選んだセンスある服装と装飾を着ければ、お姉様の美しさは更に際立っていた。そんなお姉様の美貌もあって、理想の女主人として崇拝されているマウリツィア母様の言葉を誰もが鵜呑みにしており、
「エイジェルス家のできそこないの妹」
そう陰で呼ばれて卑しめられていることを、私は知っている。お姉様が「第二のマウリツィア」と呼ばれ、もてはやらせていることも。
マウリツィア母様に嫌われている理由が、私にはわからない。聞こうにもマウリツィア母様に取り付く島もない。朝早く出かけ、夜遅く帰るお父様とは相談どころか顔を会わせることことすらできない。お父様の仕事場へ行ってお話ししようにも
「ライオネル様の仕事に障りが出ますので、引き取り願いたい」
毎回そう言われて玄関口で追い返されていた。その言葉を告げる方をエイジェルス家で見かけたので、マウリツィア母様の命はお父様の仕事場にも及んでいたのだと知った。お父様と言葉を交わしたのはもう何日も前の、おはようございますという挨拶が最後だ。手紙を渡そうにもマウリツィア母様がお父様の身辺に目を光らせているので、書いた手紙がお父様の手に届くとは思えなかった。
「お母様」
寂しい時はエレノオラ母様の部屋に足を運んでいる。部屋の鍵のことを知られると取り上げられてしまうので訪室を控えようと何度も考えるのだけれど、十六歳になったにもかかわらずお母様の温もりを求める回数が前よりも増えていた。
今も、お母様に会いたいと思ってしまっている。今なら食事の時間で皆食堂に集まっているから誰にも気付かれないだろうと、私は続き扉の鍵を開けた。
「お母様」
部屋の中に入り、綺麗に飾ってあるドレスをそっと撫でる。衣からは既にお母様の匂いは消え去っているけれど、それでもお母様が身に着けた物というだけで温もりが感じられた。
「私は、どうしたらいいの」
エイジェルス家に住んでいるけれど、自分が何をし、どうしたらいいのかわからないので、自分が本当に不出来な妹のような気がしてしまう。もしかしたら、私は本当に不出来で愚かな人間なのかもしれない。
「私は……」
その呟きは、ガチャ、というドアノブが動いた音にかき消された。続けてカチャリと音を立ててこの部屋の廊下側の扉の鍵が開いた。見つかってはいけないと慌ててクローゼットの服の中に紛れ込むように隠れる。刹那、ドアが開き誰かが室内に入った。
「お前はいつまで私を苦しめるのっ」
怒りを含んだ声に身が震えた。
マウリツィア母様に、ここにいることがばれてしまった。鍵を持っていることがばれてしまった。もうこの部屋には入れない―――
「エレノオラ。あなたは死んでもなお、私の邪魔をするのねっ」
エレノオラ母様への憎しみの強さを、マウリツィア母様の声が証明していた。
マウリツィア母様が憎んでいる相手は私ではなく、私の生母だった? けれど、エレノオラ母様はマウリツィア母様の妹でもあるはずなのに、なぜ、そんなに……憎んでいるの?
「日に日にお前に似てきて私の心を逆なでするお前の娘。本当に腹が立つわ。でもね、もうすぐ全てが解決する。お前の娘を、もうすぐここから追い出せるの。そうすればあの人は―――この部屋も必要なくなるわ。お前たちはじきに完全に消え去るのよっ」
マウリツィア母様は言い切って満足したのか、部屋にあるもの全てを鼻で笑ってから部屋を出て行った。
私は服の中でうずくまったまま震えていた。マウリツィア母様がエレノオラ母様を憎んでいること、お父様から私を引き離したいと思っていることを知ってしまった。
どんなに願ってもマウリツィア母様は私には決して微笑まないことも知ってしまった。
「私を、追い出す……消す?」
マウリツィア母様は世間へ公にできない理由でお父様の前で大きく動いたりはしない。ということは、エイジェルス家から私を追い出す正当な理由をマウリツィア母様が見つけた、ということだ。それは一体、どんな理由なのだろう。
蹲って考えていたが答えは見つからず、震えが止まって落ち着いてから私は自分の部屋へと戻った。