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悪夢の半年目

僕は可愛い。贔屓目があるとは思うけど僕が女だったら絶対に傾城傾国の美姫になっていたね。なんたって男でも今なりかけてるからね。早く助けてよ。レイン。今まで迫り来る女達の盾になってただろ。たまには逆も必要だと思うよ。

魔王城に着いたのは昨日の事だった。夜営をして身体をしっかり休めてから魔王城に入るまではいつも通りだった。夜営の時に覗きが出たと女性陣が騒いでいたのをもっと注意していれば良かった。高度な魔法を使った覗きで巫女以外は気付かなかった。巫女が言ったとたんに勇者が覗こうとしたのは私だと喧嘩になった。人間で高度な魔法が使えるのは国家魔導士か勇者、巫女くらいであるから皆がそう思ったのも仕方がない事だったのかもしれない。まさか魔王が覗きをするなんて、巫女の結界をわざわざ見つからないように入る腕前は凄いと思うし、魔王城の近くを監視していたのも頷ける。しかし、勇者のパーティと分かって偵察するなら納得するがなぜに覗きをしたのか。そろそろ身体を拭いて交代で寝ようと話していたら、巫女の違和感が強くなり、身体を拭き始めたら巫女に大きな魔力を感知させた。さすがに誰の魔力か悟らせないまま撤退されたが、巫女がテントの中を覗かれたと言っていた。

魔王城に入った時に僕の足下だけ穴が開いた。落ちると魔王がそこにいて、「まさか堂々とテントの外で身体を拭こうとするとは余の嫁になるのだから慎みが必要であるぞ。」と訳が分かりたくない事を言った。

まあ良くある事だと思い僕が男で嫁にならない事を伝えると魔王は帝国の陰謀とか隠されし姫とかブツブツ呟いた後、大魔将軍を呼べと叫んだ。そして大魔将軍が来ると我が国に向かって進攻を開始すると告げた。極めつけは「国ぐるみの陰謀があろうとも余の妃の為ならば潰してくれよう!」

いや、陰謀なんて無いし、男なのは事実だよ。


このままじゃ国が滅びると思った時、「アース、無事か!」とレインが飛び込んで来た。助かったと思い「レイン、レイン。」と泣きながらレインのところへ行こうとしたら、青ざめたレインに「お前がいないとオレは生きていけない。」と抱きしめられた。

よく考えるんだレイン、魔王が泡を吹いて倒れているよ。そして、すごく勘違いをされるような場面になってしまったよ。後ろの取り巻き女も倒れて、もう何が何だか分からなくなってきたよ。たった3時間でレインをここまで言わせるほど疲弊させた女性陣にはびっくりだが、僕はそれに後どれだけ付き合えばいいんだろう。

もしかして、これが魔王を倒す予言の全貌なんだろうか。

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