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悪夢の1日目

短く駆け足な話ですが楽しんでもらえると嬉しいです。

アースは産まれた時から可愛かった。両親も親戚もご近所さんも僕を見た時には「可愛いね。」と口を揃えて言った。あまりの評判に僕が1歳になった時に領主様が見に来て、僕より1年早く産まれた領主様の息子の婚約者にしようとしたくらいだ。領主様には残念ながら僕は男だったため婚約は出来なかったけれど、将来は息子の腹心にと僕を召し上げる事になったそうだ。お陰様で何ひとつ不自由なく生きて来られた。そう、今日この時までは。


この国の貴族は12歳になると王都にある寄宿舎付の学校に行かなければいけない。その時に全員が国家魔導士による予言を受ける。そこで僕の主君であるレイン・クラウディーが魔王を倒す勇者になると予言を受けたのだ。国中が大騒ぎになった。


魔王は我が国と何十年と戦争を繰り返している仲だ。みんな嫌になってきているところに勇者の予言だ。さっそく勇者を魔王討伐に行かせようと世論は言った。しかし、15歳までは子どもであるし、学校へ行く義務がある。魔王討伐は学校を卒業してから行われる事になった。魔王討伐が予定されていても、この時に僕はレインの事をまだ他人事だと思っていた。僕はレインが15歳で成人し、魔王を倒して領地に帰って来るのを迎えるつもりだった。僕は気付いていなかったのだ。僕は確かに可愛い、いつだって褒められてきた。そしてレインは容姿を褒められる事が無かった。しかしそれは決してレインの姿が悪い訳ではなかった。そう僕を基準にしている周りは何も思わない=世間ではとてもイケメンになるのだった。


レインが旅に出て2ヶ月、王都を出たら自領を経由して魔王城へ向かう日程だったらしいが、領主宅にてレインを迎えてみると非常にパーティが殺伐していた。レインは胃を抑えて言った。

「アース何とかしてくれ。」

そうこの一言で僕は不自由の無い生活を無くす事になった。


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