初勝負
「ロマリアを裏切るだと!?」
「そうだよ!このままじゃ殺される!」
宴会場から離れた場所でユーシス十人隊で揉める。ちょうど半分が裏切りを推奨している。ある男の話を聞くと、貴族の部隊が堅牢のボルドを討ち取る予定だった。邪魔されたのでユーシス十人隊は次の戦で囮にしよう。ということらしい。貴族の不感をかったらロマリアでは生きていけない。
つまりは、手柄を取られたのが気に入らないのだろう。
だが!この噂を流したのは他でもないユーシスだ。百人隊長になってから作成を実行しようと考えていたのだがこの宴を利用しない手はない。
「そうだな。俺も賛成だ。ここは腐ってやがる。上の方々の話を聞いてしまったことがあるんだ...平民は絶対に十人隊長以上にはなれない。十人隊長になったとしても軍に入りたてのボンボンよりも待遇がひどいとのことだ」
「「な!」」
これは考えればすぐに分かるのだが全員が驚いていた。
「もうやってられねぇ!」
「そうだそうだ!」
「だが、どうするんだ?」
「...エレシエル王国へ行く」
「「な!?正気か!?」」
これにはまたもや全員驚いていた。
「師団長のクビを土産にすれば平気だろう」
「たしかに...」
「さすがはユーシスだ」
9人が納得していた、が
「それ出来ない」
1人が反対をする。
「何故だ」
「俺たちは今戦争をしている。そんなに簡単にはいかない」
なかなかに切れるようだ。
(感が良いな...そして今そんな奴はいらない)
「あっ」
一切の迷いなくユーシスはこの男を切り捨てた。叫ばれるとやっかいなので、すぐに首を落とす。
「こいつはフェリューがねじ込んだ観察員だ。俺たちの事を報告しようとした!だから仕方なかったんだ!」
「で、でも...」
「...」
「あのままだとお前達、死ぬぞ?」
この一言で全員の意思が固まった。
○
食料庫へ向かう途中に
「やぁユーシス、何処へ行くんだい?」
(っち!こいつは本当に俺の邪魔しかしないな)
「はは、ちょっと連れションだよ」
「そうなのかい?じゃあ僕も行くよ」
そう言ってレスターはついてこようとする。
「俺たちは大なんだ」
ユーシスは4人を連れて、あとの5人にレスターを預ける。
「そうなんだ、ふーん...そっかぁじゃあ仕方ないね」
(こいつまさか...)
「それじゃぁな」
「また明日ね」
ユーシスと他の4人は食料庫へ向かう。そして火を付ける。
「師団長の首は諦める。レスターが感ずいてやがる。百人隊長クラスで我慢するぞ。お前ら4人で1人やれ。誰か死ぬかもしれんが仕方のないことだ」
「「了解しました」」
○
「フェリュー百人隊長」
「おお!ユーシスか!どうした?」
「このたびは貴方様のお命頂戴しに参りました」
「なにを、言っているのだね?」
その瞬間フェリューの人生は幕を閉じた。
「貴方は良い性格の持ち主だったと思いますよ。傲慢な態度もすべては部下のため...
貴族なのにあまり貴族らしくはなかったですね。だが!しかし、貴方は貴族だ!様々な人からあらゆる物を奪い、自分にはその可能性はない。男爵といえど俺ら平民よりはずいぶんと良い暮らしが出来ただろうよ!
フェリューという貴方個人には恨みどころか尊敬すらしていますけどね。私の初の師でしたしね...」
○
ユーシスの十人隊の各員はといえば
作戦に失敗し捕えられていた。
軍規違犯、そして貴族への無礼。おそらく死刑は免れないだろう。
○
ユーシスはといえば最初から予想していたかの様に早々とエレシエル王国へと馬を使い向かっていた。
(あいつらが成功するわけもない。ただの撹乱。生贄さ。そもそもレスターが現れた時点で作戦は失敗だ。してやられた!だがこの敗北をしった。この経験が俺をさらなる高みへと導くだろう!ふははははははは)
○
「ご苦労、レスター十人隊長。貴殿のおかげで助かった」
「いえ、それほどでも。当然の事をしたまでです」
「ふむ、今回の昇格には期待すると良い」
「ありがとうございます」
ユーシスとレスターの初勝負は引き分けと言えるが、レスターの方がやや良い結果に納まっただろう。
どうも!
最近パワプロをプレイしています。