アンナは何処に
1週間が過ぎやっと戦場へ行く機会を得た。エレシエルとの小競り合いで欠員がでたため補充するのだ。百人隊が一つ壊滅させられたらしい。そこでフェリュー男爵いやフェリュー百人隊長が行くことになった。貴族は百人隊長になる時に、訓練の教官をする。そして時間を共にすることで強化している。
ユーシスはといえば。
「おいユーシス、やっと活躍できるな!」
「戦友としてよろしく頼む!」
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百人隊の中でそこそこの地位を築いていた。先輩には下から敬意をもって接する。同じ世代にも親しく接している。もちろん お土産 を忘れる事はない。
○
「どう見るユーシスよ」
フェリューが新米のペーペーに意見を求めた。これはこのロマリアでは異常な事である。貴族ならまだしも平民の新兵が相手なら。
「そうですね。いつもの小競り合いでしょう。しかし、安全という訳ではありません。本気の戦争ではありませんが、戦争は戦争です。そして、なら手柄を挙げる必要があります」
「おお!良く分かっているな」
信頼されているようだ。
○
「皆そろそろ戦闘にはいる。準備しておけ」
「了解しました」
まずユーシスが気にする事は手柄を挙げることだ。そのためには相手の百人隊長を討ち取るくらいは必要だ。そのため少々の独断専行はしかたない。ようは結果を残せば良いのだ。
ついにユーシスの隊が戦闘にはいる。だが所詮は新兵、活躍など出来る道理はない。
(さすがに無理か...ちょっと本気を出すか)
「お前ら少し下がれ、俺がやるから討ち漏らしを頼む」
「了解」
ユーシスはまさしく一騎当千だった。敵兵をバッタバッタと切り倒して行く。しばらくすると大型の男が現れた。
「俺はボルドだ。お前が緑の悪魔か?」
ユーシスは緑色の防具をつけていた。
「悪魔かは知らんが緑色は俺しかいないな」
「では死んでもらう!」
ライドにしたように剣を合わせ滑らそうとしたら、
「軽いな」
吹っ飛ばされた。
「がぁ」
「お前の剣は軽いな?普通ここまで軽い奴はそうそういねぇぞ。お前何を考えてここにいる?剣の重さへ想いの重さだ」
ここでユーシスぶちぎれる。まるでこの復讐心を軽く見られているようで。今までの努力が全て無駄だと、そう言われているようで。
「ふ...ふ、ふざけんなぁぁぁああああ!」
再び剣が交わる。そして吹っ飛ばされる。
ボルドの方が!
「なっ!なんで...」
「...」
ユーシスは無言で止めを刺そうとする。
「一気に力が上がった!?何故だ!」
「何故?ふはははははは!分からないか?分からないだろうな!教えてやる!
アンナだよ!アンナのおかげさ!あぁ、アンナ。君と共に...」
身体中を触っている。
「お、おまえは...」
「...寝てろ」
ボルドの首を切り落とし大声で叫ぶ。
「ボルトはこのユーシスが打ち取った!」
この時周りは静寂につつまれたかの様に硬直した。ユーシスは知らなかっだろうが、ボルドと言えば堅牢のボルドとして有名だ。そしてこの戦場におけるエース的存在だったのだ。そのためエレシエル側の同様は測りし得ないものだろう。エレシエル側は散りじりになって行く。
この日、ロマリアはエレシエルから領土をほんの少しだけ塗り替えた。
○
「いやーボルドを討ち取ったかユーシスよ!さすがだな」
フェリュー百人隊長の祝いの言葉だ。
「ありがとうございます。すべては私を鍛えてくださったフェリュー男爵のおかげでございます」
ロマリアは勝利ムードで宴会を開いた。もちろん危険なことなのだが、初めてここを占領したという事実を広げ士気を高めるためだろう。
翌日、地図は元通りとなることになる。ユーシスの手によって。
*軽く設定を載せときます。自分なりに調べて分かりやすいように調整しました。
・階級
一兵卒
部下を持たない。
十人隊長
一兵卒を10人率いる。
百人隊長
十人隊長を10人率いる。
百人隊副長
非戦闘時における隊の管理。
筆頭百人隊長
百人隊長の中での序列トップ。
師団長
百人隊長を率いる。
軍団長
通常一つの戦闘地域を担当する。師団長達と軍会議を開き、物事を決定する。
大将
軍におけるトップ。3人ほど。
軍事大臣
軍のトップとして政治を行う。
ex
一つ戦場にて。約1万人規模の場合
軍団長1人
師団長5人
百人隊長100人
十人隊長1000人
ときには大将の参戦もありうる。
・領地は基本的には伯爵以上の爵位を、持つ貴族にしかありません。子爵、男爵は領地を持ってはいません。国の仕事や、従軍をしているのが一般的です。
・過去にラグナレクが起きて魔法やステータス、モンスターが消滅した。
主人公がいる国はロマリア王国。
ロマリアはエレシエル王国と戦争状態、パイジム王国と同盟している。
・ユーシスが活動するのはエレシエル王国
どうも!
凡人だけど強いってかっこいいでしよね!
そしてユーシスのロマリア脱出フラグww