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私達、アンダーグラウンドにつき  作者: ジンコニック
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エピローグ1 -紹介-

 春、それは新しい風が吹く季節。周りを見渡すと初々しい後輩達が少し大きめの制服を身にまとい歩いている。その表情は希望に満ち溢れ、談笑している会話から推測すると部活やクラスメイトの話など様々。

 その中、私達四人組は桜並木の下で談笑していた。いつもと変わらないくだらない話。身にもならないクソみたいな話。好きなバンドの新譜がMVの曲以外捨て曲だった話。希望に満ち溢れた新入生とは違い、私達は冷めた目をしていた。

 何故だ、何故私達は希望や幸福から程遠い位置にいるのだ。目のハイライトは正直無いに等しい。笑いも干物の様に乾いている。傍から見ればブラック企業に勤めているOLだ。

 あまりにも空気が悪いので、ここら辺で空気を変えようと恋バナをしてみる。...が、生憎私達には男の影、御縁が一切無い。一人が溜息を吐くと、それにつられて皆も同じ様に溜息を吐いた。

 ギターが私の彼ピですぅ~などありふれた回答も考えてはみたが虚しいだけだ。いっその事、楽器を擬人化にして語ってみるのもアリか?どの楽器が王子様系でどの楽器がヤンキー風でどの楽器がゆるふわ系ショタっ子なのかを決めるのだ。っと言うかそんなソシャゲ待ってます。

 「オカリナは病弱っぽいよねぇ」

 「なんの事かサッパリだが失礼だぞ」

 案の定怒られた。なんの脈絡もなくこんな事を言ったらそりゃそうだ。

 そうそう、先程私を怒った奴は私達の中で一番長身で巨乳。おまけに美人ときた。ファンが多く男女共に高い支持を得ている。名前は高山たかやま 美穂みほ。ギターで、このグループの唯一の良心だ。

 美穂のサラサラした長い髪を眺め、その流れで顔を見つめる。正直同性とか友達とか関係無しにときめいてしまう。

 「ん、お前また美穂に見とれて濡れてんのかぁ?ウヒャヒャ」

 この品も乳も無い小柄な奴の名前は猪狩いがり 響華きょうか。下ネタやオカルトの話に目がないベーシストだ。悪い奴では無いのでチワワが吠えてると思い込んで聞き流そう。

 「こら!下品な言葉使っちゃ駄目でしょ?せっかく小っちゃくて可愛いんだから」

 「小さいは余計だ!私だって美穂みたいに全部大きくなってモテモテになるんだ!その為に毎日牛乳を一本は飲んでいるんだ!待ってろよ未来のセクシーな私!」

 聞き逃さずしっかりと怒る彼女の名前は篠倉ささくら 詩織しおり。ゆるふわ系で天然だが、お母さん気質な所が見受けられる為バブミを感じる。たまにオギャりたい気分になる時は、彼女に抱きつけば万事解決だ。全てを包み込んでくれるそんな彼女のパートはドラムだ。


 「よーし!新入生にも負けない勢いでバンド活動頑張るぞ!!」


 楽しくなってきた所で私は立ち上がり、両手を曇一つ無い青空に突き出した。

 そんな私を見た他の三人も合わせて両手を突き出す。

 「さて、今から響華の家で作戦会議だな。今後について語り合うぞ」

 「美穂の双方の山を揉まさせてくれたらいいぞぉ?グヘヘ.....グピャッ」

 無言の鉄槌が脳天直撃した響華は、轢かれたカエルの様に倒れ込んだ。まぁ、これも毎度の事。毎回かまってあげてる美穂はやっぱり優しい。

 「イテテ...毎度毎度手加減してくれないから脳細胞が死にまくってるぞぉ。きっと殴られ続けてるせいで身長が伸びない訳だ!美穂の脂肪をちょっとは分け.....ん?」

 何か違和感を感じたのか、カバンを弄り始める。


 

 すると、響華のスマホに着信が入っていた。

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