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ゼロ  作者: カイ・ナナミ
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プロローグ

 2020年3月下旬、その年は日本では珍しく都心に雪がよく降る年だった。1cm以上雪が積もり都内でも路面がシャーベット状になる所があるほどだった。そんな年に全ては()()()()


 COPウイルス。正式名称はContagion Organ Poisonウイルス。1月から徐々に拡がり始めたそのウイルスは日本及び世界中を危機的状況へと追い込んだ。

 始まりは中国。そして日本、果てには全世界へと拡がっていく。

 そもそもCOPウイルスとは、シバラ属と呼ばれる水中や土壌に普遍的に存在する非常に多くの種を含む細菌の属が生産するペプチド性猛毒であるグラジシが体内に摂取されると、イオンが細胞膜を通過出来るようになってしまうイオノフォアが起こり神経・脳、心臓、肺などでナトリウムイオンやカリウムイオンがバランスを起こし、呼吸困難や心臓麻痺を引き起こしてしまうウイルスである。


 グラジシは細胞内のタンパク質の製造を停止させ、生命維持が困難になり最悪の場合死に至る。

 このウイルスは浄化されていない水や土を触った際に皮膚から直接体内に入り込むことで感染し、さらには空気感染や接触感染でも感染してしまう。前者と後者では感染する早さが異なる。

 前者の場合は最短30分から1時間、後者の場合は24時間以内となっていて手洗いうがいを感染を予防することもできる。


 しかし、人々はCOPウイルスをすぐに治まるものと過程しその結果、世界中で数万人もの感染者や死者を叩き出し開催するはずだったイベントや行事が複数中止や延期になるという異例の事態を引き起こした。


 この事実は世界の株価暴落や緊急事態宣言が発令され外出自粛やらアメリカでの都市封鎖、ロックダウンまですることとなる。


 そして、COPウイルスは唐突に終息することとなる。とある発明家がワクチンを開発することに成功し瞬く間にワクチンは世界中に届けられ、約半年という早さで終息した。

 その後人々は緩やかに元の生活に戻りつつあったある日、再び世界に異変が訪れる。


 突如として全世界で一部の人間に魔法、或いは超能力と呼ばれる超常の力を持つ者が現れる。超能力者の存在に人々は最初信じていなかった。やがて、拡がる超能力者に次第に人々は畏怖の感情を抱く。

 COPウイルスのワクチンを打った人に多く超能力の発現が見られたことから、研究者達は超能力の発現の原因がワクチンによる副作用なのかと疑いを持った。しかし、ワクチンには副作用等なく年代や性別といった特徴の共通点もなく原因不明の異常事態に混乱に陥る。


 そして、超常の力を持った人間が次に考え至ることは支配と征服だった。


 超能力者をきっかけとして第三次世界大戦が勃発。各地で超能力者を用いた戦争が起こり、瞬く間に世界は混沌と化していく。

 超能力者はいずれも桁外れの力を宿しており、自身より劣る力によるダメージを無効化するインフィオリティ・シールドを持つ。


 銃や戦車などといった通常兵器では一切傷を負うことがなく相手より強い超能力を持つ者でないと傷を負わせることが出来ない為、超能力者に対抗出来ない国は滅んでいった。

 これにより全世界人口の約4割強と半数の国が無惨にこの世を去ることになった。


 後に10年戦争と呼ばれ、引き金となった2020年は"最悪の時代"と呼ばれることになった。



 "最悪の時代"から約8年が経ったある日、一人の男が戦争を終わらせる為に立ち上がった。名を京極無月(むげつ)。18歳の少年だった。彼は恋人の早乙女華憐を含む仲間達と共に全世界へ向けて宣戦布告する。この戦争を終わらせると。


 彼らもまた超能力者だった。いや、正確に言えば一部の無能力者もいた。だが、彼らは他を寄せ付けない圧倒的な超能力とその実力を持って世界を相手にする。中でも特に優れていたのは無月を始めとした7人の超能力者だった。


 〈炎帝〉鏡不知火(しらぬい)、〈氷帝〉風見冷華、〈雷帝〉鳴神響、〈風帝〉涼風凪沙の四帝(してい)に加え、当時15歳にしてありとあらゆる武道を制覇した〈先見の撃姫(せんけんのげっき)〉椿姫華(ひめか)、そして〈ゼロ〉京極無月とその右腕〈虚空〉時貞雨月(ときさだうづき)。この7人が夜明けの星(アウローラ・ステラ)7人の最強セプテム・フォルティスと呼ばれる者達だった。


 夜明けの星(アウローラ・ステラ)とは20歳以下の少年少女達が戦争を終わらせる為に無月の元に集まったチームだ。超能力者と無能力者が力を合わせて世界各国を相手に戦い、少なからず犠牲者は出したものの約2年という短い期間で勝利し戦争を終結させた。


 戦争によって機能を停止した国に代わり世界を統べる始まりの王として無月は君臨する。


 無月はかつて東京と呼ばれた場所に新東都という国を創り、超能力者と無能力者に於ける世界共通法を定め、再び戦争が起こらないようにした。さらに犯罪を犯した超能力者を制圧する為の警備隊を作り、生き残った国へと張り巡らせた。


 これにより、緩やかにだが世界は平和を取り戻していった。そしてこの頃から超能力を使える者が加速的に増えていく。10年戦争時代に現れた超能力者を第一世代と称し戦争集結後に現れた超能力者を第二世代と称した。

 第一世代は人智を超えた超能力を使い天変地異を起こすほどの力を持つが、第二世代は第一世代よりは劣るがそれでも3分の1ほどの力を持っている者もいれば、扱いやすい超能力を持つ者もいて日常に溶け込んでいく。



 ◇◆◇◆◇◆



 戦争終結から約5年、夜明けの星(アウローラ・ステラ)やその他の超能力者達の協力もあり世界的に平穏を取り戻していた。学校や病院、様々な施設等も再建され超能力者と無能力者が共に暮らす光景が日常になり始めていた頃、結婚して国王とその王妃として暮らしていた無月と華憐が共に事故死するという衝撃なニュースが走った。


 この衝撃すぎるニュースに世界中の人々が悲しみに暮れ、大々的に追悼式が行われた。事故の詳細は語られておらず謎に包まれ事故を起こした犯人も死んだとされ大掛かりな捜査もなく闇に消えた。

 無月亡き後、雨月が後を引き継ぎ新東都及び世界を更なる発展へと導いていく。


 そして月日は流れ、2050年現在。世界の超能力者数は約7割となるも未だ超能力の発現方法は解析されておらず未知のままだが、それでも現在では必要不可欠なものとなっている。さらに第二世代を超え、第一世代に近い能力を持つ第三世代も現れていた。

 無月が成し遂げようとしていた超能力者と無能力者が共に暮らす平和な世界は正に実現していた。


 そんな世界で暮らす16歳の青年、鏡(れい)は無能力者だった。しかし零は師匠によって鍛えられ磨かれた技で超能力者と互角に渡り合う実力を持つ。

 零は超能力者と無能力者が共に学び、競い合う星羅天惺(せいらてんせい)学園で仲間と頂点を目指しながらも1人の少女との出逢いをきっかけに世界の真実を知ることとなる。

はじめましての方ははじめまして、お久しぶりの方はお久しぶりです。カイ・ナナミと言います。

この度は久しぶりに小説を執筆しようと思ったきっかけは友人の一言がきっかけだったんです。それを元に色々なインスピレーションが生まれ友人達の力も借りつつようやく完成しここに投稿することが出来ました。だから、この作品は自分1人じゃ出来なかった作品なので少しでも興味を持ってくれたら読んでみて欲しいです。もう既に読んでくださった方はありがとうございます。


ゆっくり更新していくので次がいつになるかは分かりませんが早めに投稿するので待っていてください。



では、さらば!

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