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努力を知らない卑怯者  作者: 自宅警備員Lv9999
第六章:建国
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温泉郷



 日本っぽい温泉郷造りを思い立ってから1ヶ月が経過した。


 ついに、完成した……!!日本で観光地になっていそうな完璧な温泉郷が……!!


 まず村から山へ一直線に幅広い道が通っており、その道を2つに分かつ水路が源泉から温水を運んでいる。


 この水路は水面より少し高い位の位置に足場が設置されており、靴を脱いで座ればそのまま足湯になる。


 道の両脇には日本っぽい家屋が立ち並び、お茶屋、食事処、温泉宿、公衆浴場、土産物屋が温泉街を形作っている。


 この付近の宿は泊まった客に女性には浴衣、男性には甚平を貸し出し、靴は下駄になる。カランコロンと下駄を鳴らしながら歩く浴衣や甚平姿の人々がそのまま風景になるという寸法だ。


 ちなみに、このあたりの公衆浴場は男湯と女湯が隣り合っている為、覗こうと思えば簡単に覗ける。


 実際に試験的に解放した時、覗きの被害報告が多く来た。しかし、覗きの犯人は例外なく恐怖に染められた表情で気絶し、記憶がなくなるのだそうだ。


 女湯で一体どんな恐ろしい化け物を見たのだろうか。真相は闇の中である。


 そしてこの道をずっと進んで行くと、一際巨大な温泉宿が正面に現れる。この宿は奇妙奇天烈な外見をしており、新築だが年季を感じさせる着色がしてあったり、日本風の建造物と中国風の建造物を合わせたような外見になっている。何故か見たものはテンションが上がる。


 宿の正面には大きな谷があり、そこに架けられた巨大な橋を通って宿に入る。この時目に止まるのが長い旗竿につけられた巨大なエンブレム。


 赤地に白丸のエンブレムには漢字が一文字、『油』と書いてある。


「いやー、お疲れさん。1ヶ月は早いなおい」


「鋼牙氏……やりました……!!」


「やったで……ござる……!!」


 ハッハッハと高笑いしながら完成を喜ぶ筋肉と抱き合いながら完成を喜ぶホモの集団の中心で功労者であるオタク勇者二人に労いの言葉をかける。


 田中は勇者正義の天翔斬を使って木々を伐採、佐々木はその知識で日本っぽい家屋のイメージイラストを描いて設計の手助けをしていた。


 俺は力ずくで整地した後は丸投げしてこちゃこちゃと魔道具を作成していた。


 1ヶ月の間に畑もきちんと機能し始め、もう少しで小麦が収穫出来る。


 順風満帆、上手いこと動き始めた。



ーーーーーーーーーーーーーーー



「さぁお前ら!!これからやっていくことを説明するぞ!!」


 久しぶりの隊長会議を開き、各隊の隊長に語る。


「まず、建築に携わったマッスルとピエール、お疲れさん。マーガレットも浴衣作りお疲れさん」


「いいトレーニングになったぞっ!!」


「絆が深まったいい活動だった」


「楽しかったわ。新しいインスピレーションも湧いてきたしね」


「おう!で、温泉郷を造った訳だが、勿論意味が有って造った」


「これで意味無いって言ったらキレるわよ。っていうかコウガちゃん、公衆浴場の敷居をもっと高くしてちょうだい。私もだけど、皆が覗かれたって泣いてるわよ」


 見たものを気絶させる化け物の正体は……考えるのはやめよう。


「まぁそのうちな。で、あんな大規模な物を造った理由ってのが」


「観光地化……ですな?」


「言うなよ。まぁそうだ、あの温泉郷を観光地にして儲けてやろうって魂胆だ。ここを豊かにするのに必要になるのが金と他所からの来訪者だからな」


「なるほど?そんなことしなくてもお前の魔道具売れば金になるんじゃ」


「シャラップ。他人に売る魔道具なんぞありません!!」


「ですが、知らせないと他所から人は来ませんよ?」


「そこもちゃーんと考えてはないけどアテがるから心配すんな!!」


(((((((不安だ)))))))

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