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努力を知らない卑怯者  作者: 自宅警備員Lv9999
第四章:ミグレア
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第一の作業



「早速出発じゃい野郎ども!!」


『おう!!!』


「衝撃に備えろぉおおおおおおおおおお!!!!」


 叫び、浮遊装置を起動する。


――ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……――


 凄まじい揺れと共に屋敷がゆっくりと地面から離れてゆく。


 前は飛ぶだけでギシギシ言っていたが、今回は全く問題なく飛び上がる。


 前のように適当に作った訳でもないため、保証つきの品質である。



『フライング・ホーム マークII』

 鋼牙の核とハウスゴーストの謎パワーによって飛ぶ屋敷。

 やっぱり時間が無かったため申し訳程度の武装しかない。

 そのかわり外装や柱がすべてタイタニウムで出来ている為、壊す手段も壊れる要因もほとんどない。

 鋼牙曰く、『ピンポイントで隕石が直撃したら壊れるかもな』とのことである。



 うむ、やっぱこれだね。空を飛ぶ感覚。最高です。


 下のほうでなんかピーピー言ってっけど、知らね。


「コウガ殿。今回のフライングホームは落ちないのでしょうな?」


「心配すんな。そもそも大した距離飛ばねぇし、落ちねぇよ」


「前回のことがあるからなっ」


「だーいじょぶだって見てみろほら、もしものために低空飛行してっから。落ちても最悪なんとかなる」


「安心出来ない!!」


 マークIIにはジェットエンジンが3つ着いているので、数時間で着くだろう。


 それまでカット!!



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「な、なによあれ……」


「か、神じゃ……神が我らを滅ぼしに来たんじゃぁああああっ!!!」


「そ、そんなバカな……」


「お前今ワシにバカって言ったか」


「い、一体なんなんですかぁあああ!!!」


 一瞬で混乱へと陥る獣人の村。


「なんか、蟻の巣掘り起こした時見たい」


「例えが酷いですな」


「蟻って……」


 このままだと大事になりそう(既になってる)だったので、とりあえずジェントーと共に地上へ飛び下りる。


 ジェントーはやっぱり絶叫していた。


 浮遊魔法を調整しながらゆっくりと着地。


「こ、コウガさん!?」


「おう、仲間連れて来たぞ。これでお前らは安泰だ」



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「さて、お前ら。お前らに必要な物は3つある。『衣・食・住』だ」


 村の広場で、大勢の獣人達に講釈する鋼牙。


「コウガ殿、イショクジュウとは?」


 横に立っていたジェントーが聞いてくる。


「え!?知らない!?」


 どうやらこの世界に衣食住の言葉は無いらしい。


「まぁ、簡単に言うと『着る物』『食い物』『住む家』だ。これらは生きて行く上で必須になる」


――だが!!!――


 いきなりの大声にまだざわめきがあった広場は静まりかえる。


「お前達はこの3つのどれもが不足している!!服はぼろ切れだわ、ガリガリだわ、家はボロいわ!!」


「し、しかし!!」


 悔しそうにうつむいていた一人が反論してきた。


「しょうがないじゃないか!!あの兵士達が決めたことで、俺達の服はこれもしくは全裸、食べるものは野生の果物や野菜のみ、住む家は腐りかけの古い倒木で作らなければいけない。これらを破った者は……奴隷にされて……」


「…………」


 思ったよりあいつらがクズだったので、逃がさず殺せばよかったと思った鋼牙であった。


「まぁ、大丈夫だ」


「な、何がだよ!!」


「お前らを支配してるのはあのクズ共じゃない。俺だ。だから大丈夫だ、問題ない」


「あ、あいつらが攻めてきたら……」


「ああもう、うっせぇ!!話を遮るんじゃねぇ!!お前らは黙って従ってりゃ良いんだよ!!」


 キレた。そしてこの畜生発言である。


 救ってくれるといっていたから、てっきり善人なのだと思っていた獣人達は絶句する。


「話を戻すぞ!!必須なのは『衣食住』だ。だからさっそく始めるぞ!!第一の作業だ!!」


 どんなことをやらされるのかと、唾を飲み込む獣人達。


「まず、飯を食うぞ!!」


『……え?』


 広場の獣人は一人残らず口を半開きにしてい驚いていた。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「マーガレット、ファル!!お前らは料理担当だ!!食材は持ってくるから、獣人の女子供と一緒に簡単に料理してくれ」


「わかったわ」「はい!!お任せを!!」


 頷く二人の耳元で、そっと囁く。


「『つまみ食い』はある程度許してやれ」


 二人は少し微笑み、頷いた。


「ピエール!!薔薇の花園全員でセッティングだ!!この人数が座れる食堂を作ってくれ!!」


「任せておけ。よし、やるぞみんな!!」


『ああ!!』


「バング!!世紀末共と一緒に健康診断だ!!簡単にで良いから、怪我人や軽い病人は治してやってくれ」


「……おう。行くぞお前ら」


『ヒャッハァーーーーーー!!不健康な奴はいねーかぁ!!?』


 なんか最近迫力がないバングであった。


「ジェントー!!マッスル!!田中!!佐々木!!森で肉狩ってこい!!大量にな!!」


『おう!!』


 変態の集団は森へと消えていった。


「さてと、お前ら」


 獣人達に向き直る。


「は、はい!!」


「食い物の備蓄はあるのか?」


「あ、ありません」


「本当か?食い物を貯めていないのか?」


「……あるにはありますが……」


「あるんじゃねーかよ。それ出せ」


「こ、この食料はブローディアンへ納める税で……」


「んなもんいらん!!いいから全部出せ!!」


「は、はいぃいいいい!!」

いいぞぉ!!テンポよく書けてる!!

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― 新着の感想 ―
[良い点] キレた方が良い奴なの草 これがツンデレってやつかあ。
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