魔力がないなら増やせばいいじゃない!!
スキル《改造》。魔力があればLv10にもできる。魔力があれば。魔力が……
「ない!!」
魔道具を改造して最強になろうとしていた俺は魔力不足という大きすぎる問題にぶち当たっていた。
「改造にこんなに魔力がかかるとは……読みが甘かったか……さすが最弱、一筋縄ではいかんか……」
しかし何とかしなければ行き詰まるのは明白。
「う~ん、魔力ポーションを飲みまくる?……将来性がないな。いっそのこと魔石の魔力を使うか?……いくらかかるんだよ……」
頭を落ち着けるためと腹がへったので下へ降りる。まだギリギリ昼飯時だ。
「~~という訳なんだよ。何かいい案無いかな」
この宿のおばちゃんの娘のリンちゃんに知恵を求める。
これが初めての会話だが、客商売なだけあって笑顔で対応してくれた。
「そうですね……財力があるなら蓄魔石を購入してはいかがですか?」
「蓄魔石?」
「空気中に漂う魔力を吸収し、溜めておくことができる石です」
「財力があるならってことは高いのか?」
「いえ、そこまででは無いのですが溜められる魔力量の関係で、たくさん身に付けないとあまり効果がないのです」
「あ、そう言うこと。分かった、試してみるわ。ありがとな」
「いえいえ」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
それから直ぐに魔法店へ行き、蓄魔石を一つ購入。そして魔力ポーションを金貨三枚分、600本購入。総額金貨4枚の買い物になった。
宿に帰って俺の部屋に入り、蓄魔石を鑑定してみる。
―――――――――――
蓄魔石 道具レベル1
吸魔Lv1 蓄魔Lv1
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とりあえず蓄魔を意識しながら魔力を流し込む。
「おらぁっ……ハア、ハア、どうだ!!」
鑑定してみると蓄魔がレベル2になっていた。
「っし!!剣術より上げやすい!!この調子でどんどん上げるか!!」
蓄魔のレベルは
Lv1 初級魔法十発分、中級魔法分一発くらい
Lv2 初級魔法百発分、中級魔法十発分くらい
Lv3 中級魔法百発分、上級魔法一発分くらい
Lv4 上級魔法十発分くらい
Lv5 上級魔法乱発できるくらい
Lv6 宮廷魔導士の魔力量と同じくらい
Lv7 宮廷魔導士長と同じくらい
Lv8 超級魔法一発分くらい
Lv9 賢者の魔力量と同じくらい
Lv10 超級魔法十発分くらい
となっている(と思う)。
それから俺は頑張った。毎日ずっと《改造》→《ポーション》→《改造》の繰り返し。
そして初めて3日目、ついに……
―――――――――――――
蓄魔石 道具レベル5
吸魔Lv1 蓄魔Lv10
―――――――――――――
「ついに……ついにやったんだ……長く苦しい戦いだった……」
まず蓄魔石の魔力を蓄魔石の改造に使えることに気付くまでが長かった。
「じゃあ、吸魔いくか……」
しかしまだ戦いは終わっていない。まだ吸魔が残っている。
「……やるか」
吸魔のレベルは
Lv1 空気中の魔力を少しずつ吸収。
Lv2 空気中の魔力をたくさん吸収。
Lv4 空気中の魔力を大量に吸収。
Lv5 初級魔法を吸収可能。
Lv6 中級魔法を弱める。
Lv7 中級魔法を吸収可能。
Lv8 広範囲の魔力を大量に吸収。
Lv9 上級魔法を弱める。
Lv10 上級魔法を吸収可能。
となっている(と思う)。
そして……
蓄魔石改造を思い立ったあの日から実に5日……ついに……ついに……
――――――――――――――
蓄魔石
吸魔Lv10 蓄魔Lv10
――――――――――――――
「ついに……やったぞ……やったぞ!!」
しばらく達成感と喜びに震える。
「ふぅ……じゃあ、次いくか」
そう、まだ本当の目的は達成していない。例の魔法剣を手に取る。
「いくぞ……おらぁっ」
左手の蓄魔石から右手の魔法剣に魔力を流し込む。
蓄魔石からゴンゴン魔力が減っていくのを感じる。
その量に軽く引く。
そして魔力が切れると同時に
――――――――――――――
鉄の剣
剣術Lv10
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そう、これで俺は引くくらい強い剣の使い手になれたのだ。……多分。
努力している人達よ、すまんな。
「最強武器を手に入れた訳だが……これからどうすっかな」
今のところ改造する物は無い。現在の問題、そうそれは
「あ、金が無い」
そう、効果な付与魔方陣や大量のポーション代もあり、俺の財布には……
金貨10枚
↓
宿代-1枚
↓
魔方陣代-4枚
↓
剣や蓄魔石代-1枚
↓
ポーション代-3枚
↓
残金金貨1枚
ヤバい。早急に金稼がんと。