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努力を知らない卑怯者  作者: 自宅警備員Lv9999
第三章:アロア
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まぁ、頑張って その2



「正義様!!東谷様!!ゴブリン軍団が異常な規模で進行して来ています!!」


「勇者様!!お助けください!!」


 もうどうにもできないと判断され、ついに最高戦力に頼ることになった。


「ついに僕達勇者の初仕事だ!!気を引き締めていこう!!!」


『おう!!!!』


「僕達が特別であることを証明してやりましょう!!」


『ああ!!!!』


 進行してくるゴブリンは大体3万ほど。


 こないだのスタンピードには及ばないもののかなりの大軍団である。


「勇者様だ!!!」


「助かった!!!」


 30人の勇者達に壁の上から大きな声援が浴びせられる。


「ふん、見ていたまえ」


 声援を身に受けながら『賢者』東谷が手を広げる。


 数秒はなにも起こらなかったが


「おい、あれ……」


「なによ……あれ……」


 ひしめき合うゴブリンの上空に超巨大な火球が現れ、ゆっくりとゴブリン軍団に落下した。



ゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!



 爆魔石Ωに勝るとも劣らない殲滅攻撃で、一瞬で数が減る。


「さすがだ東谷!!!後は任せろ!!『光輝剣(サンシャインソード)』!!!!」


 正義が剣を振るとキラキラ輝く斬撃が横凪ぎにゴブリン軍団を殲滅していった。


 凄まじい数だったが、『勇者』『賢者』の力には敵わなかったらしい。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 ギルド内会議室にて


「諸君、今回集まって貰ったのは他でもない。先ほどのゴブリン軍団についてだ」


 ギルドマスターがおごそかな声で切り出す。


「ゴブリン軍団は勇者様が押さえて下さったが、まだ森の中では異常発生が続いている。よって早急に対策を立てる必要があるが、何か案はあるか?」


バン!!!!!


 ギルドマスターの発言に一人のクランリーダーが机を叩いて立ち上がる。


「対策なんざいらねぇよぉ!!!どう考えてもコウガの仕業だろぉ?全員で近くにいるコウガを倒せば収まるんだよぉ!!!!」


 そのリーダーの発言は多くの者には納得出来ることだったらしく、その案に賛成する声が大きくなる。


「そうだよ!!アイツの復讐なんだ!!!」


「そうに違いない!!!」


 その時


「黙れ!!!!!!!」


 ギルドマスターが一喝した。


 凄い剣幕だったので全員が押し黙る。


「お前達。コウガがこの魔物の異常発生の犯人だというのか?」


 静かに問いかける。


「だ、だって、そうとしか……」


「逆だ」


「……え?」


「逆なんだよ。コウガは異常を起こすどころか異常から街を守っていたんだよ」


 ギルドマスターは静かに語り始めた。


 コウガのクラン『異端者の集い(ヘレティックス)』は皆もしっている通りどうしようもない変態の集団だ。


 だが、コウガはスタンピードからこの街を守ってくれた。


 強力だが協調性のない変態達を繋ぐ歯車となり、変態の力を最大限引き出した。


 そしてそれから、クランメンバー達で大森林やダンジョンに毎日行き、増え過ぎた魔物を駆ってくれていたんだ。


 それだというのにお前達は恩人を追い出し、あろうことかありもしない罪を着せようとした。


 これの意味がわかるな?


 お前達は全員ワンランクダウンだ。頭を冷やせ。


 

 冒険者達は頷くしかなかった。


「しかし、異常発生をどうするか……」


「原因も分かりませんしねぇ……」


 行き詰まる会議。その時


「あ、あの~、マスター?」


「ん?どうした?」


 会議室のドアから恐る恐る受付嬢が覗き、マスターを呼ぶ。


「それが……おかしなお客が来て、マスターに渡せってこれを……」


 受付嬢が差し出したのは小さな巾着袋だった。


 開けると何重にも折り畳まれた手紙と小さな石が入っていた。


「どれ、差出人は……コウガ!?」


「なんですと!?」


「なにか、対処法をしらせてくれたのかもしれません!!」


「さっそく読みましょう!!!」


 皆に急かされて焦りながら手紙を開く。


 手紙には


―――――――――――――――――――――――――――――


チョリーッス!!どもども、コウガディーーーッス!!


多分だけど魔物の異常発生がどうにもならないから

この手紙よんだっしょ?


まぁそんなことは置いといて、多分俺がやったっていう

奴がいると思うけど、ソイツ馬鹿だからほっといていいよ。


でさぁ、こないだ行ったカフェのパンケーキがめちゃんこ

うまくてよぉ!!お前らにも食べさせたかったぜ。


そんでそんで、ワルキューレの皆さんに、伝えれたら伝えて欲しいんだけど、

『いきなり帰ってごめんな』って言っといて。


――――――――――――――――――――――――――――――


「これは……」


「世間話ですな」


「っきゃーーーーー!!!なんだよあのガキ!!!期待を返せ!!!」


「結局有益な情報は一つも無かったな……ん?」


 ギルマスの目が手紙の一番下に止まる。


 そこにはめちゃくちゃちっっっちゃい文字で。


『P.S. 同封されている石を森の前に投げれば異常は収まるかも?信じるか信じないかは、あなた次第です!!!』


 と書かれていた。


「……やってみます?」


「よし、行ってみよう!!!」


 早速森の前へ皆で移動。


 そして祈りを込めて少し遠くの森の入り口に投げる。


 すると、石が落ちたところにピエロを模した大きな像が現れた。


「な、なんだこれは?」


「ふざけているのか?」


「一体これは……?」


 謎が謎を呼んでしまった。


 しかし数日後。


「……収まったな」


「はい。びっくりですね」


 本当に収まったのだ。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



【鋼牙の思考】


 見事におんだされたなぁ。


 しかし大丈夫かねぇ。一応近所のおばちゃんに手紙を託しといたが、アレ使ってくれるかなぁ。


 アレとは魔力を無尽蔵の吸収する像のことだ。像に『吸魔 極』のさらに上、『超吸魔 極』を付与したので、あの魔物の異常発生を止めてくれる。


 何故魔力を吸収したら収まるのかというと、あれの原因は魔力だからだ。


 そもそも魔物とは魔力が溜まった場所に沸いてくるバケモノだ。


 なので空気中の魔力が濃ければ当然魔物は増える。


 今回の異常は森やダンジョンの魔力が異常に濃くなってしまったから起こったのだ。


 そして魔力が濃くなった原因は、ズバリ勇者召喚である。 


 勇者召喚には二種類の方法があり、


 一方は上位世界にポータルを開き、素質がある者を吸い込む方法。


 もう一方は上位世界からこの世界へランダムに引き込む方法。


 アリアが行ったのは後者であった。


 後者の方法は簡単に言うと上位世界である地球から下位世界のここまで一直線の落とし穴を作り、それに偶然俺たちが引っ掛かっただけだ。


 そして一直線の落とし穴ができた時、上位世界である地球の濃ーーーーーーーーーい魔力がドバッとこっちの世界にながれこんだ。


 そしてそれがダンジョンと森に溜まり、魔物が異常発生したと。そういう訳だ。


 なので原因は勇者である。


 まぁ責めるならめんどくさがって簡単な方法を選んだアリアのせいだな。

はい、勇者賢者は普通にめちゃんこ強いです。それに鋼牙君もまだ最強ではありません。


更なる強化をお楽しみに!!


あと少しでもいいなと思って頂けたらブクマ、感想お願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] なんか、この像のこと勇者が知ったら「アイツが作ったものなんて信用できないって」言って壊して 吸収され貯蔵されたことにより高密度になった魔力が放出されてよりヤバイもの呼びそうなんだよなー
[良い点] 見つけて最初から最後までサクッと読んでしまった。ノリが良く読みやすい。時々入る笑いもいい。オタクスキルワロタw [気になる点] 国を亡ぼす覚悟があるのにババァと直接対峙した時に見逃す(仲間…
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