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努力を知らない卑怯者  作者: 自宅警備員Lv9999
第三章:アロア
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good-bye!!



「ジェントー!!!サボってんじゃねぇぞ!!!」


「マッスル!!!速く鉄骨運べ!!!」


「マーガレット!!あのクネクネしてる怪物共を働かせろ!!!」


「ピエール!!!作業員のおじさんを口説くな!!!」


 現在俺達は焼け跡にあるものを建造している。


 基本的には俺たちで造り、作業員のおじさん達に手伝ってもらっているのだが……


「お前らちょっとは真面目に働いてくんね?」


 コイツら働かねぇ。ぜんっぜん働かねぇ。


 唯一真面目に作業してるのはバング率いる世紀末共だけだ。


 一旦作業をおじさん達に任せて全員正座させる。


「まずジェントー!!!幼女見かけたら突進するクセなんとかならんのか!?」


「なりませんぞ」


「即答かよ。次にマッスル!!何故鉄骨で筋トレする!?」


「重い物を持ったら体が勝手に……」


「まさかの条件反射!?次にマーガレットの舎弟共!!女子みてーに端っこの方でサボってんじゃねぇよ!!」


「え~だってぇ~重いんだもぉ~ん」


「安心しろ、お前ら俺より力強い。そんで、ピエール!!作業員のおじさんを口説くってお前……」


「いいじゃないか。減るもんじゃなし」


「主におじさん達のSAN値が減るの。もうツッコミ疲れたよ俺。頼むから真面目にやってね?」


 このやり取りは完成までに5回あったという。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆


【翌日】


「よしよし、これなら完成しそうだ」


 皆が少しずつ真面目にやりはじめたことと作業員のおじさん達の奮闘によって、進んで来た。


 これなら3日後には完成しそうだ。


 3日後と宣言した手間3日後には完成させたい。


 なんか負けた気がするから。


「コウガさん!?街の連中が大勢で押し掛けて来やがったぞ!?」


「あ?」


 いきなりの報告に戸惑いながら飛び出す。


 見ると結構な数の群衆がクランメンバーと睨み合っていた。


 奴らが叫ぶ。


「コウガを出せぇ!!!!!!」


「勇者様の敵を殺せ!!!!!!!」


「世界を滅ぼす悪魔達に死を!!!!!!!」


 どうやら勇者共に扇動された一般人や冒険者のようだ。可哀想に。


 門を壊して乗り込む気マンマンだったので少し高い所へ行き、『ピストル』をぶっぱなす。


 爆音によって群衆が静かになる。


「おう、俺に何の用だ。あ"あ"?」


 少し威圧感を出しながら問いかける。


「貴様は世界を救う勇者様を傷付けたのだ!!!!!!」


「これはこの国への反逆行為だ!!!!」


「よって!!!!!貴様を成敗する!!!!!」


 武装した奴らが一斉に剣を抜く。


「ほう、よろしい。戦争がお望みだな?」


 ニヤァと笑う。


ヂュウン!!!!!!!!!


 ノータイムで熱線を発射。


 先頭にいた大柄な冒険者の頬に一筋の赤い線が走った。


「一回死んだな。優しい俺に感謝しろ」


「ひっ、ひぃぃ」


 顔を恐怖と驚愕に染めてへたりこむ。


 それを見た群衆の動きが止まる。


「死にたくなければ今すぐここから失せろ!!!!さもなきゃ……」


 キュウウウウウウウウ……


 またエネルギーを溜め始めると、群衆は蜘蛛の子を散らすように居なくなった。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



【3日後】


「よーし、後は俺だけで出来る。お前らは業務行ってる隊員を連れ戻して来い」


 ついに完成。あれから様々な嫌がらせがあったが全部乗り越え、なんとか完成できた。


 後は核をくっ付けるだけだ。


「うっし、ここに固定してっと」


 内部の台座に巨大なクリスタルを置き、完成。


 出来上がったのは巨大な平べったい円錐を下向きにしたような奇妙な物。


「まぁ奇っ怪だよなぁ」


 しかし、これで完成ではない。


 俺の屋敷は何者か(勇者)に放火され、燃えてしまったが、まだ後二軒残っている。


 隊員達が暮らしていた屋敷だ。


 それを丸っとストレージストーンに収納。そう、家、それもでっかい屋敷を二軒収納したのだ。


 やったのも作ったのも俺だが呆れる程チートだなコレ。


 それはさておき、その回収した屋敷二軒を円錐の上に取り出し、固定。


 そして間に色々やって一つの家に。


 円錐に乗った空飛ぶ屋敷が出来上がった。


【フライング・ホーム】

 文字通りの空飛ぶ家。全体が居住区で、急いで造った為武装がない。


 これに乗ってレッツエスケープって寸法だ。ワクワクするぜ。


 しかしあの火災には結構感謝だな。マジで何処で造るか悩んでたから。


 庭も含めて結構広い俺の屋敷は最適だった。


「只今帰りましたぞ!!!」


「って、こりゃなんだっ!?」


「あの数十分でこれ造ったの!?」


「すげぇな、コウガ」


 皆が帰ってきて、驚きを表にする。


「はっはっは、俺にとっては朝飯前よぉ!!!」


 少しくらいは調子に乗っても良かろう。


 そして、俺達は出発の準備を整えた。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「はーーーーい、窓の外からコンニチワ!!!!!!!」


「うぉおおおおおおおお!?」


 冒険者ギルドの窓を突き破り、ギルマスの部屋へダイナミック入場。


「びっくりしただろ!!!!!なんだよもう!!!!」


 怒れるギルマス。


「俺達この街出ることにしたわ」


「は!?」


《説明中》


「マジか……」


「世話になったな。で、お前に伝えときたいことがある。それは……」


《説明中》


「マジか………どうすんだよ」


「まぁ後は勝手にしてくれ。んじゃ、勇者に気ぃつけろよ~」


「あっ、待っ……」


 呼び止めるが時既におスシ。鋼牙は窓を一瞬で修繕して去っていった。


「……この街も終わりかもな……」


 鋼牙の話を聞いたマスターは静かに絶望した。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「はーい皆さーん。皆いますねー?」


『はーーーーい!!!!』


「では出発ー!!!!!」


 遠足のようなノリで大空へと飛び立つ屋敷。


 そこにまた街の奴らが大挙して押し寄せて来た。


「逃がすな!!!!!!」


「撃ち落とせ!!!!!!!!」


 物騒な声と共に色とりどりの魔法が飛んでくるが、お馴染みのタイタニウム装甲はびくともしない。


「くそっ」


「諦めるな!!!!!」


 勇ましい声と共に正義が飛び出す。


「ゆ、勇者様!?」


「奴を止めるぞ!!!!『飛翔斬』!!!!」


 キラキラ光る斬撃が飛んで来る。


 ちょっぴり心配したがさすがのタイタニウム。傷一つ無い。


「くっ、なんて固さだ……」


「正義君、アタシ達に任せて!!!!!」


 そこに出てくるのは『魔導士(ウィザード)』や『魔法使い(ウィッチ)』の集団。


 いつでも正義の側にいることから『正義親衛隊』と呼ばれる女子の集団である。


「「「あまねく神よ、我を災いから護りたまえ『神壁』!!!!!!」」」


 『結界師』の三人が詠唱すると、ちょうど進行方向に巨大な魔方陣が現れる。


 確か魔法も物理も防ぐ大魔法だったはず。それをポンと使うとは腐っても勇者だな。


「コウガ様!!早く破壊しないと衝突します!!」


「あー、そうだな。俺のガントレットで破壊するから、皆は最大限攻撃を防いでくれ」


 円錐以外は紙装甲なので魔法喰らったらヤバい。


 急いで正面に周り、衝撃砲で粉砕。いかに大魔法といえども大岩をも砕く衝撃には耐えられなかった。


「なっ、あんなにあっさり……!?」


「大丈夫!!まだ二枚あるわ!!!」


 バリィン!!!!バリィン!!!!!


「ウソ……」


「ど、どうすんのよ!!!」


「逃げられちゃうわよ!?」


「そんなこと言ったってもう魔力が……」


 あっさり破壊されたことに狼狽える親衛隊。


「ハーハッハッハ!!!!!グッバイアディオスさようなら~」


 なすすべなく見上げる勇者達を嘲笑いながら、遥か彼方へと飛んで行った。

登場人物紹介とかやった方が良いんかな?

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