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努力を知らない卑怯者  作者: 自宅警備員Lv9999
第三章:アロア
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馬鹿共



【ガンマ(おじさん)・リゲル(モヒカン)・アルム(筋肉)サイド】


 夕焼けの空の下、奇妙な三人組が歩いていた。


 普通の冒険者のような格好をしたおじさん、皮ジャンを着て肩パッドを着けたモヒカンの青年、上半身裸の筋肉ダルマ。


「今日も幼女ウォッチングは最高でしたぞ。リゲル殿、アルム殿も参加してはどうですかな?」とおじさん。


「けっ、俺ぁ遠慮するぜ。怪我したバカ共が溢れかえってるからなぁ」とモヒカン。


「筋トレをサボる訳にはいかないからな。僕も遠慮しよう」と筋肉。


 そう、三人はそれぞれ幼女護り隊、世紀末治療隊、鉄人隊の隊員である。ひょんなことから知り合い、波長が合ったのか友人となったのだ。


 今はそれぞれの隊の訓練?が終わったので、一緒に帰っているところだった。


「幼女は素晴らしいのですがねぇ……」


「悪ぃな。幼女にゃ興味ねぇんだ」


「うむ、幼女は可愛らしいが、ずっと見ていたい程ではないな!!」


「そうですか……」


 お互いに己の趣味に引き込もうとするが、強要はしないので良い交友関係を築けている。


 ちなみにオカマとホモがいないのは分かり合えないからと、身の危険を察知したからだ。



閑話休題(カットォォォォ!!!)



 もう暗いため三人は帰路に着く。


 ヘレティックスの隊員は基本コウガ(大隊長)が購入した屋敷で暮らしている。


 この三人もクランハウスに向かっていたが


「おいおい、なんか変な集団がいるぜ?」


「あ、こいつらあれじゃね?リングちゃんが言ってた変人達」


「あ~、あのなんかベタボメされてた奴らな。いや~ムカついたわ~」


「俺らと会って違う奴、しかも変態褒めるんだもんなぁ」


 きらびやかな鎧を纏った謎の三人組に絡まれた。


「ああ!?んだよてめぇらぁ!!なんか文句あんのかゴラァ!!」


 リゲルが凄むが、バングに比べればチンピラの戯言だった。


「あなた方は……。勇者様が何のご用で?」


 ガンマはあの飛行船から出てきた者にコイツらがいたから勇者だと判断し、事を荒立てないように丁寧な物腰で話す。


「……」


 何が何だか分からないためとりあえず黙るアルム。


「いやさ、俺達勇者じゃん?だからさ、俺達を差し置いて活躍されるとムカつく訳よ」


 謎の暴論を展開する勇者。


「あ!!い~いこと考えた!!コイツらボコれば俺達の方が強いってことになんじゃね?」


「あ、それグッドアイディア~!!じゃあ『コイツらは街の風紀を乱す変態』ってことで」


「よ~し、変態狩りだぁ!!」


 武器を構え、戦闘体制をとる勇者。


「ま、待ってください!!話し合いで……」


「待てや!!んなことして何になんだよ!!」


「……」


 必死に和解を訴える三人。しかし勇者はニヤリと邪悪な笑みを浮かべ、一人が斬りかかって来る。


 まがりなりにも勇者である為、その剣は速く、鋭かったが、常日頃からジェントー(隊長)の剣を見ているガンマは何とか防ぐ。


 上段、下段、突きとガンガン攻撃してくる勇者に対し、防戦一方になるガンマ。


「ちっ、抵抗してんじゃねぇよ!!」


「それは、むり、ですぞっ!!」


 戦える、ガンマがそう思った時


ドゴォォン!!


 いきなりガンマの至近距離で小爆発が起こる。


 ガンマは吹き飛ばされ、気を失ったのか動かない。


 勇者の一人が魔法を放ったのだ。


「てめぇ!!俺の獲物だぞ!!」


「はっはー、雑魚相手に苦戦してたくせに~」


「天職『魔導士(ウィザード)』の力で当てたからもう戦闘不能だろ」


「まぁまぁ、あと二人いるって」


 視線の先には吹っ飛んだガンマに必死で回復魔法を掛けるリゲルがいた。


「グッゾ!!魔力不足で力が出ねぇ!!」


 今日の活動で魔力を消費してしまい、十分な魔法が出ない。


「アイツヒーラーだったのか。先に潰すぞ」


「俺に任せろっ」


 戦槌を持った勇者が突進する。


 アルムが駆け寄るが間に合わず、リゲルは腕に直撃をくらって弾き飛ばされた。


「あと一人になっちまったぞー」


「俺がやるから手ぇだすなよ!!」


「へいへーい」


 このごに及んでゲーム感覚でアルムを倒そうとする勇者。


 急な展開に混乱していたアルムだが、敵として捉えた勇者に突進する。


「ぜやぁ!!!!」


 拳を繰り出すが、かわされる。しかしかわした方向への蹴りで吹き飛ばす。


「ぐ、てめぇ……」


 大事に大事に育てられた為か打たれ弱い。


「クッソ、ぜってぇ許さねぇ!!喰らえ!!」


 勇者が持つ剣がギラリと光ると、無数の細かい斬撃をとばしてくる。


「!?くっ」


 マッスルほど堅くないアルムは体に無数の切り傷をつくられ、体中から出血した。


「どうだ!!天職『剣聖』のスキルは!!」


 それでも尚仲間二人を庇う様に立つ。


「フーフー、男らしいねぇ」


「どれだけ耐えられるかなっ」


 尚もスキルを放つ勇者。目を閉じ来るべき衝撃と痛みに備えるが、少し経っても来ない。


 うっすらと目を開けると、勇者と自分の間に黒い服を着た男が立っていた。


「お前マッスルんとこのモンだろ。大丈夫か?」


「あ、ああ……大隊長……!!!」


「グランドマスターの次は大隊長か。どんな認識だよ」



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