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努力を知らない卑怯者  作者: 自宅警備員Lv9999
第三章:アロア
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スタンピードだ!!



【大森林周辺の峡谷にて】


「な、なんだ…これは…!」


 峡谷を覗き込んだ冒険者が驚愕の声を上げる。


「なんて数だよ…直ぐに知らせねぇと!!」


 冒険者は来た道を全速力で帰っていった。彼が見ていた峡谷の底にはとてつもない数の魔物が土煙を上げながら一様に同じ方向に向かっていた。


 アロアがある方向へ。



◆◇◆◇◆◇◆



「平和だな……」


 クランハウスで呟く。今日は前日魔力を消費しすぎてぶっ倒れた為、冒険者家業はお休みである。

久々の何もしなくていい日。というか何も出来ないのだが。


「本当に戦争してんのかな……?」


 俺達は魔王を討伐するとかいう理由で召喚された。しかし今のところ凄まじく平和である。

戦争するなら冒険者とかは戦場に行ったり、世間だってざわつくハズだ。なのに平和。


 だから本当に戦争をしているのかという疑問が生まれる。


「ハラ減ったな……」


 残念、コウガは何も考えていなかった。


 目を瞑り、念話を送る。送信先はファル。普段は同一回線で何でも念話石を持っている奴に聞こえていたが、精神を集中させると特定の念話石に狙って送ることが出来るのだ。


 数分後にファルが食事を抱えてやって来た。


「すまんな、こんなこと頼んで」


「いえいえ、私は曲がりなりにも奴隷ですから。このくらい当然です」


「そか、んじゃそれくれ」


 ご飯に向かって手を伸ばす。サッとファルが避ける。


「「…………」」


 今度はもっと素早く手を出す。


 避けられる。


「ファルさんや?どしたの?」


「…………」


 ファルは無言でベッドの隣に座り、スプーンでご飯を掬って差し出してくる。


「はい、あ~ん」


「………」


 一瞬思考が停止した。


「いや、は?」


「あ~ん!!」


「いや自分で食べれr……」


「え"?」


 目をカッと開き、ドスのきいた声を発する。


「いやだから自分で食べれるよ」


 残念、コウガには通じなかった。


「うぅーー。コウガ様のいけずぅ」


「へいへい」


 サッとお盆を奪って食べ始める。うん、非常に旨いな!!


「旨いぞ!!ありがとな」


「……はい」


 拗ねてしまったか。ったくこれだからガキは……。


◆◇◆◇◆◇◆


「俺、復活!!」


 夜にはすっかり魔力が回復し、健康体に戻っていた。うむ、健康は素晴らしい。


「まったく、もう無理しちゃダメよ?コウガちゃん」


 マーガレットにやんわり注意される。


「体内の魔力回路がしっちゃかめっちゃかになってやがったぞコラ。気ぃつけやがれやコラ」


 バングが凄みながら注意してくる。


「へいへい、悪ぅござんした」


「コウガ様反省してませんね……」


 ファルが呆れ顔で呟く。


「で?今日はどうだったジェントー?」「あ、逃げた」


「ハハハ……今日は路地で幼女に絡んでいたチンピラ(ゴミ)共とO☆HA☆NA☆SIして幼女の素晴らしさを説き、同士にしましたぞ」


「この期に及んで仲間を増やすかロリコン!!」


「ロリコンと言わないで頂きたい!!!差別用語ですぞ!!!」


「だまれ幼女偏愛者(ロリコン)!!」


「結局ロリコンではないですか!?」


「はい、そこまでよ!!まったく、下らない事で言い争いしないの。子供じゃないんだから」


 収集付かなくなってきた所でマーガレットが止めに入る。マーガレットは変態共を静められる唯一の漢女だ。非常に助かってるぜ。



 その理論だと自分も変態ということになるが、コウガは気付かなかった。



ウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!


 その時、街のサイレンが鳴り響いた。


『大森林にてスタンピードが確認されました。住民は速やかに避難し、冒険者は広場へお集まり下さい』


「スタンピード!?」


「マジかよおいーーー!!」


「とりあいず行くぞ!!!」


◆◇◆◇◆◇◆


 広場には既に大勢の冒険者が集まっていた。各々が武装し、重々しい雰囲気を醸し出している。


「諸君!!よく集まってくれた!!!」


 ギルマスであろう小太りのおっさんが台に登って呼び掛ける。


「ある冒険者が大森林の峡谷を渡る魔物の大群を発見した!!その数……」


 1万……!!!


 その数は数多くの冒険者に重くのし掛かった。通常のスタンピードでは考えられないような規模。


「ど、どうしてそんなに……」


「偶然ダンジョンで発生したスタンピードに大森林で発生した魔物の大群が合流したらしい。平均ランクはD~Cだが、数が数だ。注意するように」


 な~にが注意するようにだよ。1万ってこないだのゴブリン軍団の5倍だぞ。


 Aランクでもヘタすりゃ死ぬだろ。


「では作戦を伝える為、クランリーダーは冒険者ギルドへ集合してくれ」


 それだけ言ってギルマスは去っていった。


「コウガちゃん……」


「コウガ様……」


「マーガレット、ファル、俺が居ない間あの変態共が暴れないように監視を頼む。すぐ戻るからな」


 俺はギルドへ向かって歩き出した。



◆◇◆◇◆◇◆


【冒険者ギルド 会議室】


「クランリーダー達よ。お集まり頂いたこと、感謝する」


 ギルマスが会議を始める。


「まず作戦だが、街で迎え撃つ形でいく。クラン『鋼の意思(アイアンウィル)』で門を死守し、他のクラン総出で数を減らす」


「おいおい待てよぉ!」


 いかにもガラが悪そうな男が話を遮る。そこら辺のチンピラって感じだな。バングの方が百倍怖い。


「こんな奴らと俺様が共闘?ふざけないでくれよぉ」


 なんか強い奴なのか?こそっと隣の奴に聞く。


「なな、アイツって強いの?(小声)」


「え、知らないんですか!?Aランク冒険者『戦鬼』のグレインですよ!!Aランククラン『戦闘狂(バトルジャンキー)』のリーダーです!!(小声)」


「はぇ~、強いんやなぁ(小声)」


「お前のこと知らないとか言ったら殺されますよ!!気を付けて下さい!!(小声)」


「つか、一番納得いかねぇのが……」


 ビシッと俺の方を指差して


「この場にCランククランとかいう雑魚のリーダーがいることなんだよぉ!!」


 おお、俺と同じCランクの人いたんだ。誰だろ。


「キョロキョロすんなぁ!!お前だよぉ!!」


「あ?俺?」


 なんと、俺だったらしい。


「てめえ、ランクと天職を言えよぉ?」


「ランクはB、天職は鍛冶屋だ」


 ザッと場の空気が凍り付いた。


「ぷ、ぷ……」


 グレインが小刻みに震え出す。


「ワッハハハハァ!!!鍛冶屋?最弱ゴミ職の鍛冶屋ぁ?そんなんでリーダーかよぉ?てめえのクランはキチガイの集団だなぁ!!」


 あながち間違いでもない。


「どうやってBランクになったぁ?パーティーメンバーを金で雇ったかぁ?それともイイトコの坊っちゃんで、親の権力でなったのかぁ?」


 めっちゃ腹立つな。ぶん殴りたい。


「俺がどうだろうとどうでも良いだろう?今はスタンピードの事を考えやがれ」


「あ"?てめぇ、誰に向かって口利いてんのか分かってんのか?俺は『戦鬼』のグレインだぞぉ?」


「それがどうした?キャンキャン吠えるだけの犬なぞ怖くねぇぞ?」


「て、め、ぇ……」


 ビッと、俺を指差す。


「決闘だぁ!!ぶっ殺してやるぅ!!」


「いい加減にせんか!!街の危機なのだぞ!!」


 怒号が響く。声の主はフルプレートメイルをガッチガチに装着した大男。


「ベ、ベインさん……」


(誰だ……)


「そこの少年の言う通り、今はスタンピードをなんとかせねばならん。内輪で揉めている場合ではないぞ!!」


「……すんません」


 おお、あのチンピラが謝ってる!!凄い人なのだな。


「なな、あれ誰?(小声)」


 安定の隣の人。


「知らないんですか!?Sランククラン『鋼の意思(アイアンウィル)』のリーダー、Sランク冒険者のベインウルフさんですよ!!(小声)」


 ほーん、Sランク冒険者なのか。すっげぇ強いらしいが、鋼の意思といやぁさっきの作戦だと防衛要員だったような……。


「ベインウルフさんは守護で最も力が出せる天職『守護神』なんです。だから攻撃より守りの方が得意なんですよ(小声)」


「さっすが冒険者の街。Sランクがいたのか……」


 強いんやろなぁ。幼女フルチャージ状態のジェントーとどっちが強いかな。


◆◇◆◇◆◇◆


 とりあえず話合った結果、鋼の意思の皆さんで街を守り俺達と戦闘狂の方々で右から。


 隣の人の『ウォリァーズ』とプラス一つで左からそれぞれ叩くことになった。


 早速クランメンバーに合流する。


「どうでしたかな会議は」


「軽く最悪だな。とりあえず俺達で魔物の数を減らすぞ」


「了解だっ」


「でだ」


 魔方陣が現れ、武器がいくつか現れる。


「お前らには新装備をやる」

ちょっと書き方変えてみたけど……どうだろ。

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