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努力を知らない卑怯者  作者: 自宅警備員Lv9999
第三章:アロア
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なんやかんや

微エロ注意



「どうすっかな」



 俺は今、人生最大レベルで悩んでいる。悩みの種は言わずもがなさっきの奴らである。



「あんな変態共どうしろってんだよ」



 あんな集団の手綱を握って行ける気がしない。



 百歩譲ってマッスルの『鉄人隊』はいい。脳筋なことを除けば人間としてはよくできた男達だ。



 千歩譲ってジェントーの『幼女護り隊』もいい。奴らは本当に『見守る』だけなので親御さんから苦情は来るが些細なことだ。



 万歩譲ってバングの世紀末共もいいだろう。怪我人を見つけては拉致して強制的に治療し、怒号を飛ばして怪我の注意を呼び掛ける。怖いし絶叫上げるしヒャッハーしてるが普通にいい奴らだ。



 だがな、1光年歩譲ろうともホモ共、お前らは駄目だ。1日で30人にまで増殖するホモをほっといたら気付けばホモの街になってたまでアリエール。恐ろC。



 今は仲間に加わる条件で『人を襲わない(性的な意味で)』を厳守するよう釘を深々とぶっ刺しておいたので大丈夫だろう。



 世界が平和になったら適当に土地を見繕って国造らせよう。ホモの惑星……地獄かな?



「やめやめ、こんなこと考えても無駄だ」



 これからのことでも考えよう。



 これからはこの街を拠点に金を稼ぐつもりだ。金が貯まったら……国でも造るかな。すべての種族が分け隔て無く暮らせる『共和国』を。



 まあ今じゃ只の夢物語だが、結構実現しそうだ。



「寝るか……」



 アイツらのせいで結構遅い時間だ。まあ明日何するって訳でもないが。いいね異世界、来てよかったと初めて思ったぞ。



『コンコンコン』



 扉がノックされる。はて、誰だこんな時間に。



 ホモだったら追っ払う為に『墓掘人(ジ・アンダーテイカー)』を構える。



「開いてるぞ」



「し、失礼します……ヒッ!!」



 ファルだった。慌てて銃を下ろす。



「すまんすまん、ファルだったか」



「び、びっくりしましたよぉ!」



「最近物騒だからな。お前は安全だと思うが……」



「どうゆうことですか?」



「なんでもねぇ。で?何の用だこんな夜中に」



「はい、奴隷としてコウガ様に購入されてから一度も命じられておりませんが……」



 ファルが俺の隣に座り、着ていたネグリジェのボタンを外し始める。



「夜伽のお相手を……」



(説明しよう!!夜伽とは誰かAが誰かBに付き添って寝、相手の要望に答えるというえっちい儀式っぽい物のことである!!この世界では女の奴隷は大体夜伽を強制されるぞ!!)



 相手は頭脳は子供でも体は大人。そしてなかなかに発育した体をしている。



 据え膳食わぬはなんとやら。



 そんなファルの誘いに対し俺は、



「いや、いらねぇよ」



 と、真顔で返した。俺は続ける。



「そもそも俺はお前を奴隷として扱うつもりはない。望んでもいない相手とそんなことせんでいい」



「い、いえ!!私はコウガ様ならば……」



「それは一時の気の迷いだ。お前はまだ幼い。親愛と恋愛を履き違えてるんだよ」



「そ、そんなことは……」



「ある。だからもう寝なさい。夜更かしはお肌の天敵です」



「……じゃ、じゃあ一緒に寝るだけでも!!」



 やっぱりまだまだ子供だな。



「あー、まあそんぐらいなら……」



 ということでファルと一緒に寝る事になった。ファルは一晩中ガッチリと俺を抱きしめていた。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 コウガは元々無自覚系ではない。以前のコウガであれば



『ふぇ!?ふぁふぇさえwdっjdhfじxjhdhdjd??!!』



 という感じで狼狽えまくって流れでファルを抱いていたことだろう。



 しかし、彼はクソ女ことアリアに騙され、彼自身気付かない所で軽い女性不信になっていた。



 そして、極めつけはコウガがいつも見て見ぬ振りをするユニークスキル『KY』の効果。



 スキル『KY』は『自身に対する精神干渉を無効化する』という結構強いスキルだが、このスキルには恐ろしい副作用があった……。



 本作用が精神干渉無効『KY(空気読めない)』なら副作用は極端に他人の感情に気付きにくくなる『KY(感情読めない)』だったのだ……!



 つまりコウガは知らない内に強制的に無自覚系主人公になってしまっていたのだった……!!



◆◇◆◇◆◇◆



 朝



「うぅ~ん」



 ゆっくり起き上がって伸びをする。首を回しながら隣を見ると、スヤスヤと気持ち良さそうに眠るファルがいた。



 起こすのが忍びなかったのでそっとベッドから出ようとして



 グイッ



 服の裾を掴んだファルに引き戻された。俺そのものよりファルの方が何倍も力が強いので抜け出せない。



 仕方なくファルを起こす。



「おい、起きろ」



「ふにゅ……コウガ様……昨日はスゴかったです……」



「いや何もやってないだろ。騙されんぞ」



閑話休題()



 新しい魔方陣とか魔道具とかを求めてアロアの魔法店に訪れた。



 さすが大都市、品揃えが豊富だし安い。



 さっそく魔方陣をいくつか買う。あのばあ様に出発前に聞いたが、魔方陣から魔法を付与するには凄まじい力が要るんだそうな。魔方陣の情報を魔力で道具とかに焼き付けるから。



 しかし俺は魔方陣の上に乗っけて魔力を流せばできてしまう。スキル『付与』は、いやスキル『付与』もとんでもないスキルらしい。



 話しといてなんだけどどうでもいいや。



 魔方陣を漁っていると、一つの剣が目に入った。何となく不思議な感じがしたので鑑定してみると、



【軍狼の小刀】

 装備者の体力と敏捷に中補正。



 なんだコレ?スキルが付与されてる訳でもないのに効果を持ってるのか?



「なぁ、この剣は?」



「はい、ウォーウルフのドロップアイテムです」



「ドロップアイテムにはこんな効果が付与されてんのか?」



「付与されてというよりは宿っていると言った方が正しいですね。スキルではなく、装備者に対するボーナスが発生するのです」



「へぇ~」



 いいなアレ。作れないかな。なんかそんな感じの派生スキルは……。



【マジックフォージ】

 武器に装備者へのボーナスをつける。魔力を消費。



 あった。ご都合主義だなぁおい作者よぉ?



 さっそく帰って確かめようと、魔法店からダッシュで家に帰った。



閑話休題(んで)



「さーて、さっそく……」



 とりあえず試して見ようとタイタニウムで作った直剣にマジックフォージを発動する。



 とりあえず装備者の敏捷に大補正を……ん!?



「な、なんじゃこりゃ!?」



 魔力が凄まじい勢いで剣に吸収される。マナストーンからゴリゴリ魔力吸出し、マナストーンの魔力をほとんど使ってやっと付いた。



「いきなり大補正はマズかったか……」



 マナストーンは容量無限なので凄まじい量の魔力を溜め込んでいた。国のトップの魔導士が三日三晩かかって魔力を込める勇者召喚をノータイムで三回行えるほどには。



 それをほとんど使って大補正か……超補正とかいったらどんだけいるんだろ。



「あ、そうだ!!」



 改造があるやんか!!小補正でもくっ付けられれば改造で大補正に出来る!!



 天才的な閃きをしたコウガはさっそく小補正を武器にかける。かなりの魔力を食ったがそこまで多くはなかった。



 そして改造を施す。大体同じくらいの魔力で中補正にできた。



「うーし、ならば……」



 コウガは一緒に寝ようとしてやって来たファルに止められるまで一日中魔道具を作っていた。

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