結成!!クラン ヘレティックス
その1と言ったな、あれは嘘だ。
ダンジョンに潜り、依頼を達成した翌日。『外で稼いだほうが儲かる』という理由でダンジョンに行くのは止めた。
皆それぞれで自由に行動し始めた。全員に『念話』が付与された『念話石』を渡しているので呼び掛ければ集合できる。
俺は新しい武器を作成している。人類が産んだ最強兵器『拳銃』だ。創作物で鍛冶屋の主人公は大体作っているのでやってみっか、と思い制作を開始した。
作る銃は大口径の回転式拳銃。
まず銃身はタイタニウムで作る。格好いいと思ったので中折れ式に。強度はタイタニウムのアホみたいな頑丈さでなんとかなった。
細かい仕組みを作るのに四苦八苦し、昼過ぎまで掛かってようやく完成。
銃身をかなり大きくし、16連発にした。単純に多い方がいいと思ったからである。
……なんかネタで作ったなんちゃって銃見たいな見た目になった。そもそも持てん、デカ過ぎて。
大人しく6連発にしておく。
弾は魔石を筒状に『加工』し、それをタイタニウム製の薬莢に嵌め込み、これまたタイタニウム製の弾丸を付ける。
魔石には中級魔法の『爆発』を付与し、魔力を流すことで発動する仕組みに。
引き金を引くと撃鉄が薬莢を叩き、中の魔石に魔力を流す。魔石に付与されたボムが発動し、薬莢の中で小爆発が起こる。その圧力で弾丸が凄まじい勢いで発射される。
試し撃ちしてみるとなんと五ミリのタイタニウム板を貫いた。五ミリとはいえフルプレートメイルと同等の強度を持っているが、結構余裕で撃ち抜いた。正真正銘の化物銃である。
【墓堀人】
魔石の力で弾丸を飛ばす大型の回転式拳銃。
反動も凄まじく、コウガのメインウエポンの力がないと後ろに吹き飛ばされる。
これで大体の敵は大丈夫だな。
◆◇◆◇◆◇◆
それから数時間。すっかり日が落ち、全員が帰ってきた。……何故か大量の人を連れて。
「え、なんだ!?なにそいつら!?」
「まずは私から説明致しますぞ」
ジェントーが言うには、街で会った冒険者や兵士に幼女の素晴らしさを説いていたら同士が集まり、いつのまにやら大人数になっていたらしい。
そこで『幼女護り隊』を結成したそうな。それがここにいる奴らか。
「バッカじゃねぇのお前ら。なんだ『幼女護り隊』って」
「私共はジェントー殿の考えに心をうたれました。どうかクランに加えて下さい」
「「「「「「「お願いします!!!」」」」」」」
「しゃあねぇな」
『幼女護り隊』総勢30名が加わった。
「で?お前らは?」
上半身裸のガチムキ軍団に問う。
「うん、詳しく話そうっ」
マッスルが言うには、街で筋トレをしていたところ同士が集まり、いつのまにやら大人数になっていた。
そこで『鉄人隊』を結成したそうな。
「お前らもかよ。どんだけ同士が集まるんだこの街は」
「俺達はマッスルさんの男気と筋肉にホレた!!どうかクランに入れてくれ!!」
「「「「「「「お願いします!!!」」」」」」」
「しゃあねぇなぁ」
『鉄人隊』総勢25名が加わった。
「お前らは?」
大柄な男達に問う。
「説明するとな……」
ピエールが言うことには、裏路地で絡んできた奴らをヤったら新しい扉が開いたとかで付いてきたらしい。
そしてたった一人のホモから二人のホモが生まれ、二人のホモから四人のホモが生まれ……というふうにねずみ算式に増殖していき、気付いたら大人数になっていた。
恋人と離れたくないので全員でクランに入ることにしたらしい。
「……ソレモアイノカタチダトオモウヨ」
俺は考えることを止めた。いつか世界はコイツらに支配されるんじゃなかろうか。
ホモ軍団総勢30名を仲間にした。
「で?お前はなんなんだよ世紀末」
「おう、コイツらはな……」
世紀末は外に出て魔物を狩っていたらしいが、野党に襲われた。そこで全員ボコった。
しかしバングは衛兵につき出さず、傷を治して『もうすんなよ』といって去っていった。
その男らしさに野党は改心し、バングについて行くことにしたらしい。
「もういい、勝手にしなさい」
世紀末共総勢25名を仲間にした。
一気に構成員が110名も増えた。ちょっとした軍隊並みだ。
とりあえず部屋がないので急遽クランハウスの近くの家を5つ購入。
王都で稼いだ金は吹っ飛んだ。
「てめぇらぁ!!払った金に見合う働きしろやぁ!!」
「「「「「「「「「「「「「「「「了解です大総統」」」」」」」」」」」」」」」」
「ガッツリ稼げやゴミ共がぁぁぁぁぁぁ!!!」
俺の心は急速に荒んでいった。
誰か、胃薬をくれ……。




