クラン結成と旅立ち
俺達はさっそく冒険者ギルドに向かった。昼間だとあのメンヘラ勇者にまた絡まれる恐れがあるから夕方に行く。
無事冒険者ギルドに到着し、受付嬢にクランを作る旨を伝える。ついでにファルを冒険者登録しておく。
冒険者のステータスプレートは身分証明書になるからな。
「とりあえずこいつを冒険者登録してくれ。そんで俺、ジェントー、マッスル、ファルでクランを作る事にした。登録を頼む」
「はい、まずこちらがそちらの方のステータスプレート、そしてクランについての説明をさせて頂きます」
まず、クランというのは人数無制限の冒険者が作る集団で、主にダンジョン攻略や魔物討伐の連携をとる為や、討伐担当、解体担当、売却担当など役割を分けて作業を円滑にする為に結成される。
クランの利益はそのクランの冒険者全員が所有権を持ち、誰か一人が了承なく使った場合犯罪になる。
クランにもランクがあり、
Cランククラン 冒険者の寄せ集め
Bランククラン 強い冒険者の寄せ集め
Aランククラン 騎士団と同等の戦力
Sランククラン 一国の戦力と同等
SSランククラン 大国と真正面から戦争できる戦力
SSSランククラン 世界を敵に回しても大丈夫
こんな感じになっている。
クランのランクは構成する冒険者のランクと数で決まる。
俺達は
俺、ジェントー Bランク
マッスル Aランク
ファル Fランク
だからクランランクはBって所だな。
「クランを結成する際にはクランの名前とシンボルを登録しないといけませんが……」
「あーそうだな。名前はああああああで。シンボルは適当に丸書いといて」
「適当!!ほ、ホントにそれでいいんですか!?」
「まだ仮の段階だからな。これで頼む」
「わ、分かりました。ここにクラン『ああああああ』の結成を承認します」
「うっし。あ、俺たち明後日にはこの街からいなくなるから。いままで世話んなったな」
「ええ!?コウガさん達このギルドの最高戦力なんですよ!?困ります!!」
「じゃかあしい。どうするも俺たちの自由だ」
「うう、マスターに何て言えばいいんですかぁ」
「コウガさんは死んだと言っとけ」
「うう、わかりましたぁ。ああ、戦力が……」
さらば冒険者ギルド。もう来ることはないと願うぞ。
◆◇◆◇◆◇◆
それから俺たちは出発の準備をした。
俺は蓄なんちゃら石シリーズの最終強化を終え、夢とロマンが詰まったメインウエポンを作成。
ジェントーは子供達と親に別れを告げてきた。血の涙を流して悲しんでいた。
マッスルはいつの間にか作っていた弟子と男泣きしながら別れを惜しんでいた。
そしてついに出発の日。俺達は街を去る為北門へ向かった。
すると門には大勢の人達が見送りに来てくれていた。
鍛冶屋の自称25のおっさん。
「にいちゃん、気張っていけよ!!」
「おお、おっさんもいい武器作れよ!!」
魔法店のばあ様。
「しっかり努力するんだよ」
「それは保証できんな」
宿屋のおばちゃん。
「体調に気を付けて、肉ばっかり食うんじゃないよ」
「オカンかあんたは。……ありがとう」
ギルマス。お
「私の説明それだけか!?」
「ギルマス……あんたには面倒かけたな」
「無視するんじゃない!!そしていい話にしようとするんじゃない!!そしてその通りだ!!お前のせいで処理しなければならない書類がどれだけできたか……」
あのときの幼女達。「おーい?おおーーーい?」
「おにいちゃん、頑張ってね!!」
「お嫁さんにしてーーー」
「い"がな"い"でぇぇぇぇ」
「みんな、いい子にしてるんだぞ!!」「「「無視!?」」」
ペド野郎の子爵。
「君のお陰で私は幼女の素晴らしさに気付けた。ありがとう」
「素直に受け取っていいものか……」
「息子を、頼む」
「……おう、任せんしゃい」
マッスルの弟子達。
省略。「「「「「えぇーーーー!?」」」」」
そして、リンちゃん。
「世話んなったな。そんでいろいろ迷惑も掛けた」
「いいんですよ。助けてもらいましたし。それに、いつでも戻って来て下さいね!!」
「おう!!」
しばらく話して、みんな別れを告げ終わったらしく約1名血の涙を流しながら門の前に立つ。
「ふう……じゃあ行くか!!出発だ野郎共!!」
「行きましょうぞ!!」「おうっ!!」「はいっ!!」
号令を掛け、出発しようと前を向く
すると騎士と奴隷達がぞろぞろ出てきて進行方向に立ち塞がる。
そして忌々しい声が聞こえてくる。
「強姦魔を逃がしてはいけませんわ!!」
「コウガぁ!!逃がさんぞぉ!!」
クソ女と勇者パーティー、マユトと奴隷軍団が現れる。
「おうおう、お前らも見送りに来てくれたのか?」
「ふざけるな!!貴様のような強姦魔を逃がす訳がないだろう!!」
「あれは冤罪だったろって」
「アリアの従者が証言したんだ!!お前に襲われたとな!!」
「え!?お前そんな都合が良すぎる証言信じたの!?救いようがないな。もうちっと疑え正義漢」
「ファルちゃんを解放しろコウガぁ!!」
「お前もお前だよ。めんどくさい」
騎士と奴隷に取り囲まれ、正面から勇者パーティーが近づいてくる。
「犯罪者を捕縛しろ!!」
「奴隷を解放してあげろ!!」
威勢はいいが皆ビビっているらしく声を上げるだけで動かない。
「コウガ殿、どうしますかな?」
「とりあえずお前ら俺の後ろにいろ。ちっと危険な技を使う」
仲間を退避させ、俺は騎士&奴隷達の方を向いて左腕をつき出す。
「喰らいやがれ!!」
ガションと左腕の形が変わる。
手首から肘に掛けての外装が収納され、シリンダーのようなものが現れる。
そして『ガチン!!』と音を立てて先端が尖った赤い筒が装填される。
『ガチン!!』『ガチン!!』『ガチン!!』『ガチン!!』
5本の筒がセットされ、煙を吹きながら飛び出す。
アーティファクト【黒腕】の機能その1、【ミサイルランチャー】機能である。
ゴーレムコアの操作性の良さで実現した男のロマンである。
シュルシュルと気の抜ける様な音を立てながら飛んでいったミサイルは騎士&奴隷達の足元に着弾。
中に入れてある【爆発】が付与された魔法石が起爆。奴らの至近距離で小爆発が起こる。
危険性を知らない原始人共は避けようともせず、もろに爆風を食らって吹っ飛んでいった。
「今だ、逃げるぞ!!」
そして連中が呆けている間にアーティファクト【ストレージストーン】から移動用アーティファクト【メルカバ】を取り出す。
それにささっと全員を押し込み、戦線を離脱する。
勇者共がピーピー喚いて走って追いかけて来たが、追い付けるはずもなく直に見えなくなった。
「こんな物まで作っていたとは……」
「移動が楽だろ?」
「凄いなこれはっ!!だいたい僕が走ったのと同じ位のスピードが出ているぞっ」
「凄いね、お前。もうお前勇者やれよ。ちったあマシになる」
そんな感じで俺達は街を去った。
「目的地は深淵牢獄!!突っ走るぞ!!」
そして、新たな冒険へと突き進んでいった。
~完~
「いや終わらねえぞ!?」
~アーティファクト紹介~
【ストレージストーン】
オレンジ色の石。『異空間収納EX』が付与された宝石。
収納した物は任意で取り出せる。視界内なら何処からでも取り出せる。
敵の上に金属塊を取り出して圧殺することも可能。
【メルカバ】
三対六つのタイヤが取り付けられたUFOみたいな車。
外装がタイタニウム製なのでちょっとやそっとの衝撃ではびくともしない。
上から大和の主砲みたいな大砲が打てる。
グランディスタンクと調べるとイメージが近い奴が出てくるよ。
序章終了!!お疲れ、俺!!




