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努力を知らない卑怯者  作者: 自宅警備員Lv9999
第一章:王都
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なんで『僕達』とか言うかな

「皆様お願いします、我々人族を滅亡からお救いください!!」


 その時クラスの奴らの目には、必死で助けを求めているように見えたのだろう。


 しかし俺にはその必死さが、何故か薄っぺらく感じた。


 なんというか、こう、どこかに打算があるような?本当に切羽詰まっているようには見えなかったのだ。


 胡散臭いなー。だけど選択肢ないしなー。


 お、先生が立ち上がった。


「すみませんが、協力は出来ま」


「分かりました!!僕たちに任せてください!!必ず救って見せましょう!!」


 ここで何で僕たちって言うかね。


「ちょっと正義君!?」


「先生、目の前に助けを求めてる人がいるんです。それを見捨ててまで生きようとは思いません!!」


素晴らしい。『僕たち』じゃなければもっとよかった。


「うぅ……そ、それは……」


「皆も協力してくれ!! 僕はこの人逹を助けたいんだ!!」


「ま、正義君が言うなら……?」


「正義がそこまで助けたいなら、仕方ねぇ」


「我々は元より協力する所存ですぞ? なあ横島氏!」


「ああ! こんな展開、最高に燃えるでござる!!」


 皆よく混乱してるなかでそんな約束出来るな。と、頭では思っているのだが、何故か自分も賛同しようとしていた。


 不思議なぐらい混乱がない。同調圧力ってやつだろうか。


「しかし、僕たちには戦う力がありません。そこはどうしたら?」


 ほら、よくそんな冷静に考えられるよな。


「皆様にはすでに勇者としての力を持っているはずです。ではそれを確認しましょうか」


 あー、この流れは……。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 机の端っこ。いわゆるお誕生日席にバスケットボール大の水晶玉が置かれた。


「この水晶は触れた者の『天職』を表示します。今から皆様にはこの水晶に一人ずつ触れていき、天職を確認させて頂きます」


「あの、天職、とは?」


「天職とは個人がそれぞれ持っている才能を表したものです。強力な天職は強力なジョブスキル……能力を習得できます。また経験を積み経験値を得ることでレベルを上げ、パワーアップしたり、新しいスキルを覚えたりできます」


 半分くらい聞いてなかったけど、多分天職が絶対の強さの基準になってるんだな。


 勝手に職業決められるとかソ連かここは?


「では……テーブルの端からジグザグに進めて行きましょうか」


 げ、俺最後だ。 初めは……茂部か。ビビってんな、足が震えて生まれたての小鹿みたいになってる。


「い、いきます!!」


 力強く宣言し(無意味)、手をこれまた力強く水晶に叩きつけた(無意味)。


 すると水晶が一瞬光って、茂部の横に半透明の板が現れた。


――――――――――――――――――


モブ タロウ 天職:剣聖


――――――――――――――――――


 あの茂部が剣聖!? 満員電車なら十人はいるような顔したアイツが!?


「茂部が剣聖!?」


「あんなに目立たない奴が!?」


「!?剣聖は僕の憧れなのにぃ!?」


 失礼な奴らだなまったく。


「でもさーこうして見るとアイツ結構イケメンじゃね?」


「分かる~」


 えぇマジかよ。良いなぁ。


 それから皆我先にと水晶に突進し、一喜一憂していた。


 そしてこの男。


「次は僕だね」


 絶対あれだろ、あの主人公が絶対選ばれる奴。職業かどうかは知らんが。


 手を置く。水晶が光る。

―――――――――――――――


ヒジリ マサヨシ 天職:勇者


―――――――――――――――


 やっぱな。何てったって正義だもんな。



「ゆ、勇者だ!!」


「伝説の天職じゃないか!!」


「まさかこの目で見れる日が来るとは……」


 やっぱ凄いんだな。勇者だもんな。


「やりました!! これで人族は救われました!!」


 おいおい、そんなこと言ったら後の人たち全員要らない子やん俺含め。


 正義は「僕が、勇者か……」って言いながら帰って行った。


 しかしイベントは続く。


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