ゴブリン共を、ぶっ○す
会議室をでて、表で待っていたジェントーと合流する。
「どうなりましたかな?」
「おう、嫌なやつばっかだったな。ほんと嫌になる」
「しかしどうするのです?騎士団と共に戦うのですか?」
「んなことするわけねーだろ。まあ行くぞ」
俺はジェントーを連れて魔法店を訪れ、魔導書を一冊購入した。
そんで武器屋へ行き、ナイフを三十本、雑貨屋へ行き、クズ魔石を三箱分譲って貰った。
そして路地裏で作業し、魔道具を作る。
そして街を出て、騎士団が戦っている所へ急いだ。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
森の入り口。ここでは騎士団がゴブリン軍団を相手に死闘を繰り広げていた。
「くそ、数が多すぎる!!」
「陣形を崩すな!!」
「単体の力は貧弱だ!!慌てず確実に仕留めろ!!」
洗練された動きと卓越した身体能力でゴブリン軍団に進行を許していない。
しかし
ザクッ
「ぎゃあああぁぁあぁぁ!!」
徐々に疲労が溜まり、動きが悪くなった所をゴブリン騎士が切り裂いた。
鎧に守られていない所だったので重傷だった。
すぐに治療術士が後ろへ運び、治療を開始する。
そして傷が塞がるとまた戦線に戻る。
これで安定していた。しかし一度の怪我人が1人から二人に、二人から三人と増えていき、徐々に治療が追い付かなくなってくる。
騎士団が徐々に押し込まれていき、全員の脳裏に敗北の二文字が過る。
ついに戦線の騎士が二十人になり、しかもゴブリンに囲まれ、絶望的な状況になった。
騎士達はお互いの顔を見合せ、薄く笑う。自分たちはもう助からない。ならば一匹でも道ずれにしてやろうと。
しかしそのとき
――ドグワォォォォォォォオオオオオオオオオン――
ゴブリン軍団の密集地から大爆発が起こり、爆音が大気を揺るがす。
騎士達は動きを止めた。
ゴブリン軍団も動きを止めた。
彼らが思った事は一つ。
「「「「「「「は!?(グギャ!?)」」」」」」」
そして聞こえてくる声。
「お、おいジェントー?なんかすっげぇ爆発が起こったんだが!?」
「し、知りませんぞ。コウガ殿が作った物ではないですか」
「騎士団の人、巻き込まれたり、してないよな!?」
変な二人組だった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
森の入り口に向かった俺は、かなり押し込まれている騎士団を見つけた。
「おお、あいつら結構ヤバいんじゃねぇの?」
「そうですな、早く助けに行きましょうぞ!!」
「まあ待て。早速こいつを試して見ようや」
そう言った俺はお馴染みの台車に積んである木箱から、小さな魔石を一つ取り出した。
「コウガ殿、それは何なのですかな?なにやら魔導書の魔方陣に乗せて何かしておりましたが……」
「まあ見てろって。よぉ~いしょっ」
俺はゴブリン軍団に向かって魔石を投げる。
この魔石は俺の新たな派生スキル【魔法付与】で中級魔法《大爆発》を付与した魔石だ。
多分だがこれで爆弾になったはず。クズ魔石なので魔力量が少なかったが、蓄魔石を使って魔力量を底上げしておいた。
30匹くらい吹き飛ばして欲しいと期待をこめて密集地に投げ入れ、魔法陣を起動するイメージをする。
イメージをすることで起爆できると何となく分かったのだ。
そして期待通り爆発した。期待以上の100匹ほど吹き飛ばした。
しかし
ドグワォォォォォォォオオオオオオオオオン
この威力は予想してなかった。
「巻き込まれたり、してないよな?」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
騎士団は混乱していた。
謎の大爆発を引き起こしたと思われる少年とおっさん。
自分たちの心配をしてくれているらしいので敵ではないだろう。
「あ、騎士団の皆さん。無事っすか?」
「見たところ無事ではないようですぞ」
「……みてぇだな」
「あ、あの、ありがとうございました。助けていただいて」
「いいって事よ。しかし勇者共はなにやっとんだ?今こそ出番だと思うが」
「勇者様の事を知っているのですか!?」
「ああ、そういや機密だったな。ま、いいや」
「それは置いといて、ゴブリン共がこっちにきますぞ」
正気に戻ったゴブリン達が恨みがましい目でこっちを見ている。倒しても仲間になりたそうには見ないだろう。
「では、第二投目、いっきまーす」
ヒュンッ
少年が何かをゴブリンに向かって投げる。
ドグワォォォォォォォオオオオオオオオオン
大爆発。ゴブリン軍団の前衛はかなり吹き飛ばされていた。
「じゃあ、あとは任せんしゃい」
「幼女を守る為に!!」
そう言って二人はゴブリン軍団に突っ込んで行った。
二人は正に鬼神のように奮戦した。少年は腕が無いながらも周囲のゴブリンを一刀の下に切り伏せ、時々例の石を投げて数を減らしていく。
おっさんは凄まじい剣速でゴブリン達の間を走りながら通り魔のように致命傷を与えて行く。そこら辺の冒険者と同等の剣の使い手であるゴブリンナイトまでもが赤子扱いだった。
その内にゴブリンやホブゴブリンは少なくなり、ゴブリンソードやゴブリンアーチャーが主になってきた。
しかし二人は剣にも矢にも全く臆せず、剣は弾いて、矢はゴブリンを盾にして防ぎ、仲間殺しさせていた。
そのゴブリンソード達も減っていき、ついに精鋭部隊であるジェネラルとナイトが主になった。
さすがに不利を悟ったのか少年は後ろに下がり、爆発魔石をポイポイ投げまくり始めた。
おっさんは
「その程度の強さで子供たちを怖がらせるのかぁ!!子供たちが眠れなくなったらどうしてくれるだぁぁぁぁ」
…………強い。ジェネラルまでもが赤子扱いだった。
そして、遂に……
「グガアァァァァァァァ!!!!!」
咆哮しながら巨大なゴブリンが走ってくる。
ボロいながらも鎧を纏い、体に見あった巨大な剣を携える。
「ご、ゴブリンキングだ!!」
「1、2、……5匹も居やがる……」
「キングの力は他とは比べ物にならない……大丈夫だろうか……?」
――ドグワォォォォォォォオオオオオオオオオン――
少年がキングを狙って爆発魔石を投げるが、キングはキングの剣で防御し少し傷ついただけで爆煙から出てきた。
「す、助太刀に……」
しかし少年は剣を構え直し、キングに突進。
キングの剣による大上段からの振り下ろしを横っ飛びにかわし、ステップを踏んで跳躍、キングの首筋の鎧の隙間に剣を突き立てた。
「グ、ギャ、ァ」
ズン、と巨体が倒れる。本来キングはあんなに簡単に首筋には行かせない。
初めの大上段からの振り下ろしも並みの者では見切ることすら出来ないほど高速だった。
しかし実際には身体強化Lv10と筋力強化LvEXで常人離れした超反応をやってのけただけだが。
チートである。
(この力、一切戦闘の努力をしないで手に入れたんだよな。ちゃんと努力した奴からすれば俺は卑怯者だよな。ラノベとかの主人公は使いこなせる様に努力するもんだが。俺はしないけど)
コウガはめんどくさがりであった。
「しかしキングはあと4体も……」
「フンッ」
ザクッ、ズシャッ
「「グ、ギャ、ァ」」
「……」
「後2体になったぞ」
「何なんだあいつらは……。あんなの見たこともない」
騎士団は混乱していた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「やっぱゴブリンキングってそんな強く無いんだよな」
俺の持つ剣は誰が持とうが剣聖にも勝る剣の使い手になれる。
だが、あの婆様に忠告を受けた。
[魔道具の力は、本人の力ではない……]
「知った、事かよ!!!」
思考を中断するように力一杯地面を踏み込み、最大速度で間合いを詰める。
キング達も構え直した。
素早さはこちらが上だが、力は圧倒的にあっちが上。攻撃を反らすことも難しい威力なので、避けるしかない。
キングにはほとんど魔法が効かないらしいので、新兵器その二を取り出す。
ヒュッ、ヒュッ、ヒュッ
俺が投げたのは三本のナイフ。しかもただのナイフではない。ナイフに【吸魔Lv10】を付与してあるのだ。
二本は鎧に弾かれたが、一本は鎧の隙間に刺さった。
「グギャア!?」
なにしろLv10。凄い勢いでキングの魔力を吸いとっていく。数秒で魔力不足状態に陥り膝を着くキング。
結構効くなこれ。実践投入決定。魔石爆弾はちょっと強力過ぎる。
過ぎたるは及ばざるが如しってな。
膝を付いたキングの命を刈り取り、ラスト一体に剣を構える。
「グギャァァァァァァァ!!」
雄叫びをあげ、飛びかかってくる。横っ飛びにかわす。後ろから一発入れたかったが、直ぐにこっちに向き直った。
「良いぜ、相手になってやる」
手を前に出し、指をクイクイする。挑発に乗ったキングが再び突進の構えをとって……
「終わり、ですぞ」
後ろからジェントーが一閃。キングは崩れ落ちた。
「戦闘終了、かな」
「お疲れ様です」




