人族の危機
徐々に視界を取り戻し、辺りを見回す。
海外の教会みたいな部屋。
足元の巨大な魔方陣とおぼしき模様。
騎士みたいな格好した人達。
ホグ○ーツの生徒みたいな格好した人達。
そしていかにも占い師みたいな胡散臭い格好した女の人。
俺と同じように周りを見渡しているクラスの奴ら。
俺の口から、思わず声が漏れた。
「えぇ……?」
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「こっ、ここはどこだ!?」
「教室じゃないぞ!!」
「ど、ドッキリよね?」
「なんなんだよぉ」
いきなりこんなとこ来たらそりゃそんな反応になるよな。 でも少しうるさいな。 さっきからあの人達が何か話してるけど聞き取れねえ。
「……セイコウ……!」
「マリョク……スサマジ……」
聞き取れん。どこの国の言葉だろ。
お、一番豪華な服着た○グワーツが近づいてきた。
「よくぞ来て下さいました、勇者様方」
あ、日本語喋るんだ。
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「あの、すいません。勇者、というのは?」
我らが正義が勇敢にも話し掛けた。相手はそう言われるのが分かっていたように返す。
「その事も踏まえてご説明致します。場所を移すので着いてきて下さい」
そう言うと後ろの扉が開かれた。
「ど、どうする?正義」
クラスメイトの一人が判断を求めて正義に訪ねる。そこは普通先生に聞くだろ。
「今は着いていくしかないだろう。大丈夫、言葉遣いが丁寧だったし、勇者様とか言ってたから殺される事はないだろう」
これが鶴の一声となり、それならばと皆が移動し始める。
移動中に窓から外が見えたが、おそらく地球にはない、中世風の町並みが広がっていた。
案内された所は大きな長机が一つ置かれ、窓などが一切ない、会議室のような所。
全員が座ったのを確認したホ○ワーツが説明を始めた。
「ここは皆様の世界とは少し違う次元に存在する世界『ヘルディア』。この世界には我々人族のほかに、魔人族と亜人族という2つの種族が存在します。その魔人族と我ら人族は幾度となく戦争を繰り返しておりましたが、お互いの戦力は拮抗しておりました。が、あるとき魔人族に『魔王』と呼ばれる存在が現れたことで、魔人族に統率が生まれ、魔物を使役するようになり、戦力の拮抗は崩れました。そんなとき、ここにおられる『占い師』のアリア·メイザス様に神託が下りたのです。」
……あやっべなんも聞いてなかった。
占い師みたいな格好した女の人が一歩前にでて、礼をした。その時ローブの端から見えた顔がとてつもない美人で、男子が感嘆の声をあげた。
「その神託が上位世界から勇者を召喚せよ。と言うものと、勇者召喚の儀式の方法でした。そして皆様が召喚されたのです。皆様お願いします。どうか、我々人族を滅亡からお救い下さい!!」