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努力を知らない卑怯者  作者: 自宅警備員Lv9999
第一章:王都
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奴隷解放

 貴族の屋敷に侵入し、貴族の私室を荒らし、書類を盗みだす。


 普通なら三回は死刑になる超ド級の犯罪をし、手に入れた証拠の書類。


 この書類を使ってペドー子爵を脅し、子供たちを解放させる。


 その作戦を実行するため、翌日再び子爵の屋敷へ訪れた。


 正面玄関の守衛が倍になっていることから窃盗には気づいているらしいが、そんなニュースが出回っていないのは、やはり盗られたモノがモノだけに騒ぎ立てる訳にはいかないのだろう。


 俺は屋敷の裏手へ周り、外壁を登って子爵の私室近くへ行き、窓に加工で穴を開け、侵入する。


 中ではペドー子爵がイライラを紛らわすように部屋の中をぐるぐる回っていた。


「おっ、お前、だ、誰だ!」


「昨日お邪魔した者だ(イケボ)」


「なっ、昨日侵入したこそ泥か!! おい!!誰か!!誰かムグゥ!?」


 人を呼ぼうとしたので素早く近づき口を塞ぐ。


「声を出さない方がいい。俺はここから逃げてマスコミに書類を渡すことができるんだぞ?(イケボ)」


「…………」


「協力感謝する(イケボ)」


 軽く脅すと静かになったので、手を解放する。


「……何が望みだ」


「俺の望みはただ一つ。最近不正やって幼女を奴隷にしただろ。あいつらを解放しろ」


「な、なぜ」


「なぜもなにもない。俺はお前の行動が気にくわなかった。それだけだ」


「……いやだ」


「あ?マスコミに暴露しても良いのか?」


「いやだいやだ!!やっと手に入れたのに手放すなんていやだぁ!!」


 急に幼児退行して駄々をこね始めた。いい年したおっさんが駄々をこねるとか悲惨すぎて見ていられない。


「黙れロリコン!!手に入れたって奴隷だろうが!!そんなことで手に入れても何にもならねぇんだよ!!」


「だって、だって、あの天使が悪いんだ。あんなに可憐で…無邪気で…こうするしかなかったんだよ!!」


「うるせぇ!!性癖矯正して出直してこい!!」


「ぐぅ……しかしあの天使たちが言いなりになるの時間の問題よ……。毎日毎日厳しい労働にオバタリアンからの罵倒、あの天使たちには私の言うことを聞けば楽になれると再三いっておる。意地を張っておったがもう限界じゃろう……」


「マジで最低だな、クソペド野郎。でもなんでだ?そんな周りくどいことしなくても奴隷なんだから無理矢理言うこと聞かせりゃ良いじゃん」


「そんなことしたら可哀想じゃろ」


「お前は何がしたいんだ?まいい、ここに子供たちを呼べ」


「な、なぜ……」


「よ、べ」


「わ、分かった。分かったから剣を下ろせ」


 そして呼ばれた幼女達。見れば見るほど美少女で、将来有望である。


 見とれていたらペドーが仲間を見るような目で見てきたので殴った。


 俺が幼女達に呼び掛ける。


「お前ら、このおっさんに対する気持ちを素直に言え。正直にな」


「え?え?ご主人様への気持ちですか?」


「おう、正直にな」


「よ、よろしいのですか?」


「ああ、良いぞ(ふふふ、今だけ隷属の首輪を起動しておいたから正直になぞ言えんのじゃ……)」


「で、では……ご主人様」


 なんか悪巧みしてるみたいだがあの首輪は魔力を吸いとって無力化してあるんだよ。


 リーダー格らしい幼女がすっとおっさんに向き直り、言い放った。


「キモいです」


「ガハッ」


 吐血した。


 しかし攻撃は終わらない。


「私達の幸せを奪っておいて拾ってやったんだから感謝しろとか何様ですか?おばちゃん達にいじめさせて私達を屈服させようとか考えてたんでしょうけれど無駄ですよ。おばちゃん達私達にきつくあたったあと人目がなくなったら謝ってくれましたし、暴力も力加減されてて痛くなかったですしね。召し使いにまで裏切られるとか御愁傷様です。でも私達が苦しんでると信じて必死に誘ってくる貴方は滑稽でしたよ。鼻息が荒くてキモかったですけど」


 もうやめて!!おっさんのライフはもうゼロよ!!


 などと思いつつも止めない俺。いいぞもっといってやれ。


 その後も罵詈雑言は続き、十分もおっさんを罵り続けて、やっと満足したのかとおもったら次の子が出てきてまた十分ほどおっさんを罵った。


 そしてその子が言い終わると次、また次……というように交代で「ウザイ」「死ね」「ジゴクニオチロ」などと罵り、20人全員が罵り終わった頃にはおっさんはピクピクと痙攣するだけになっていた。


 最後の子が言い終わると子供達がこちらを向き、全員で頭をさげた。


「ありがとうございました!!」


「言いたい事が言えてスッキリしました!!」


「い、いや、いいだけどさ。お前ら語彙力凄いな。よくあんなにバリエーション豊富に罵倒できるもんだ」


「はい、いつか言ってやろうと毎日考えてましたから!!」


「おう……。でだ、おいペド野郎。分かっただろう?お前の思惑は無駄なんだよ。さっさと解放しろって」


「……きらめん……」


「あ?」


「諦めんぞ!!どうしてでもワシの言いなりにさせてやる!!」

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