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努力を知らない卑怯者  作者: 自宅警備員Lv9999
第一章:王都
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ナカマアツメ

 路地裏で一人の男が佇んでいる。 身なりは剣士のようだったが、その顔は怒りに染まっていた。


「くそっ、守ると約束したのに……!」


 男は歯を食い縛り、悔しげに顔を歪めた。


「皆さん……私が助けますぞ……!!」


 男は決意をみなぎらせ、路地を走り抜けていった。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 俺はあのクソ女を失墜させる事を誓った。 しかしその為には俺一人ではしんどい。


 クソ女には地位と権力、そして勇者達がついてる。 それを俺一人でどうこうするのは非常に難しい。


 なので協力者を集めることにした。 俺と同じように国を憎む奴らを集めよう。


 最強のチームを作り上げて手柄をたて、こう言ってやるんだ。


「予言者に追放された元勇者、クロガネコウガだ!!」


 とな。


 じゃあ早速集めに行くか。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 仲間を集めるなら冒険者ギルドだろうということでギルドに行ったのだが、着いた時に気づいた。


「俺の仲間になってクソ女をボコしにいかないか?」


 という誘い文句、極端に言うと


「俺と一緒に反逆者にならない?」


 と同義だ。 この誘いに乗る奴はアホだ。勧誘してんのは俺だが。


 そして誘い文句以前に俺の顔だ。


 喰らった魔法は呪いを持っていたらしく、火傷が消えないのだ。


 今の俺の顔は左目の周りからおでこにかけて真っ赤に爛れている。


 左目は視力を失っている。


 夜に見たら確実に絶叫する顔になってしまった。


 そのことでも怒りが込み上げてくる。


 俺は泣く泣く宿に帰った。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 宿に帰った俺はまず、皮や金属で大きな眼帯を作った。


 片手だけなので手間取ったがなんとか数時間で完成。


 顔の3分の1ほどを覆う大きな眼帯。俺はついに中二病患者になってしまったのだった。


 リンちゃんは格好いいと言ってくれた。ええ娘やほんま。


 あっ、そうだ、いい仲間候補がいないか聞いてみるか。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 俺が食堂に行くと、リンちゃんはどっかのおじさんと話していた。


 ここの客らしいが、俺みたいに相談してんのかな?


 あ、こっち見た。


 ん?こっち来た。


「ジェントーさん、こちらがコウガさんです」


「おお、あなたが!!お話はきいていますぞ。何でも天職が鍛冶屋なのにギルドと特殊契約を結んだとか」


「お、おお、そんなに有名なのか」


「それはもう。ところであなたに話があるのですが、聞いていただけないでしょうか?」


「おう、聞くだけなら無料だ」


「ではコウガさん。私に協力していただけませんかな?」


「協力、とは?」


 ジェントーは周囲を見渡し、誰もいないことを確認する。


「私と共に領主の屋敷を襲って戴けませんか?」


 いきなり凄いこと言ってきた。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 ジェントーは貴族らしい。親に勘当されたため元貴族だが。


 勘当の理由は父との意見の食い違い。


 勘当されてからは天職が戦闘系だったこともあり、冒険者として活動していた。


 順調に依頼をこなしていたとき、一つの依頼書に目が止まった。


 警護の依頼だったのだが、報酬が安く、危険な西の森に行くという内容のため、ずっと売れ残っていた依頼だった。


 金にも余裕があったので人助けのつもりで依頼を受注した。


 依頼主は街外れの貧民街の孤児院の孤児たちで、貧乏なのに引き取ってくれたシスターに贈り物がしたかったらしい。


 その贈り物の材料が西の森にあるため、皆で働いたりお小遣いをためて依頼料にして冒険者に護衛してもらおうと考えたらしい。


 いろいろあってシスターを喜ばせることに成功し、ジェントーはこの孤児院が気に入り、よく遊びに行くようになった。


 しかし領主である父がその孤児院に大きな借金を背負わせて潰し、子供たちを全員奴隷にして屋敷にとじこめてしまったらしい。


 この孤児院には働く手段が少なく、奴隷商に狙われ安い女の子しかいなかった。


 つまりジェントーの父親はロリコンだったのだ。


 なので子供たちを救いだして解放するため、屋敷を襲おうと思い立った。


 しかし曲がりなりにも貴族の屋敷。警備は厳重である。


 なので協力者を募ろうとしてよく泊まる宿、つまりここの看板娘であるリンちゃんに相談したところ、俺を紹介されたという訳だった。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



「なるほど。分かった、協力してやってもいい」


「っ本当ですかな!?」


「だが条件がある!!」


「それは?」


「この一件が終わったら、俺の仲間になれ」


 俺にとってこいつは正に渡りに船。恩を売って仲間に引き込もうという算段である。


「……分かりましたぞ。無事子供たちを救いだせたら、あなたに忠誠を誓いましょう」


 やったね!!


「あ、そうだ」


「?」


「何で子供たちの為にそこまでするんだ?」


「……あの子達とはもう他人ではありません。それに……」


「それに?」



「あのおっさんがあの天使たちにあんなことやそんなことをしているかとおもうと!!うらやまけしからん!!成敗してくれる!!そして救出した暁には『おじちゃん、ありがとね!!』なんていわれて感謝されちゃったりしてデュフ、デュフフ、デュフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ……」


 なんてこった、息子もロリコンだった。


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