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努力を知らない卑怯者  作者: 自宅警備員Lv9999
第六章:建国
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変態



「すっっごく気持ち良かったね!!」


「そうね。コウガさんはどこに……」


 風呂から上がり、店の前で鋼牙を探す姉妹。


 そこに、顔に赤い何かを付着させた鋼牙がやってきた。


「おー、もう上がったのか。もうちっとゆっくりしてても良かったのに」


「もっと浸かってたかったけど、あれ以上入ったらのぼせちゃうよ」


「指もふやけてきましたしね。っていうかコウガさん、顔に何かが付いてますよ」


「あ?」



ーーーーーーーー数分前ーーーーーーー 



「ふひ、ふひひひひ……」


 高級浴場の男湯にて。


 女湯と男湯を隔てる壁で、男達は戦っていた。


「マッスル殿、動かないで下さいね!!(小声)」


「ああ、まかせろっ!!しかしジェントーっ!!なんでこんなことしてるんだっ!!(小声)」


 マッスルが壁に対して平行に立ち、肩にジェントーが乗っている。


「マッスルさん、これは聖戦なんです。どうかご協力をお願いします」


 となりで同じく壁に対して平行に立った筋肉に乗った副隊長のジュール。


「おお、ジュール殿!!そう、これは正に聖戦!!我々とコウガ殿が作ったこの悪しき壁との戦いなのですぞぉ!!(小声)」


 鋼牙が作った届きそうで届かない絶妙な高さの壁を、歯を食い縛り、精一杯背伸びして越えようとするジェントーとジュール。


 熱い蒸気が漂う暑い浴場で、全身から汗を吹き出しながら体を持ち上げる。


 すべては姉妹の黄金の肢体(ツルペタボディ)をその目に焼き付ける為に。


「クソッ、コウガ殿め!!こんな高い壁作りやがって!!(小声)」


「ギ、ギリギリ届かん!!あと、あと数センチなのに……!!(小声)」


「よぉ、楽しそうだな」


 聞き慣れた声が聞こえた。いつもの声と変わらないが、底冷えするような冷ややかな声が。


 それはまさしく死神の声であった。


「こ、コウガ殿。これは違うのでs」


「おお、コウガっ!!ジェントー達の聖戦を手伝ってやってくれっ!!(小声)」


 事情を知らない脳筋(おバカ)が大体すべてを暴露してしまった。


 ジェントーとジュールは錆び付いたようにギギギと後ろを振り替える。


「この接待が失敗したらヤバいの分かってんだよなぁ?ジェントー、ジュール」


 良い笑顔だった。額に青筋が浮かび、怒っていることが丸分かりだったが。


「「ぎ、ぎゃぁあああああああああああああああ!!!」」


 変態二人の断末魔は男湯のみに響き渡った。


「ファルちゃんはなんでここにいたの?」


「コウガ様に、男湯と女湯の間に防音の結界を張っといてくれと頼まれまして」


「コウガちゃんも変なこと頼むわねぇ」



ーーーーーーーーーーーーーーー


 手で顔を拭い、手に付いた赤いものを確認する。


「……あー、ペンキだわ。さっきまでペンキ塗り手伝ってたんだよな」


「ぺんき?」


「まぁまぁそれは置いといて、風呂上がりにおやつ食べようぜ。団子とかあるぞ」


「ダンゴ?なにそれ、美味しそう!!」


「よっしゃ、食べに行くぞ!!」


「わーい!!」


 ミリアムと鋼牙はノリノリで走って行ってしまった。


「え、ちょっ、待って下さい!!」


 いきなり置き去りにされたプリシラも急いで追いかけた。

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