表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
たった一つの願い  作者: 神城リーナ
3/5

3.『運命の出会い』

一部登場人物も変更しています。

私の体は・・あの事故で

『壊れちゃったのかな?』

怖くて誰にも言えない


誰かに言ってしまうと、私はずっと病院のまま何処にも出れなくなっちゃう

私はそう思って、この事は秘密にしてる。


ホームに近づいてきたせいか、パパが少し寒そう?にしている

「何か来た方が良いんじゃないの?」

私はさりげなく聞いてみると

「お前の方こそワンピース一枚で寒くないのかい?」

って逆に聞いてくれるパパ


私はアメリカから着てきた白いワンピースのまま

私も寒さは・・感じる

寒いって感覚だけは有るの

でも・・何かしなきゃっていう気持ちが起きない不思議な感覚なの・・

でも、私が着なきゃパパも何も着ないんだろうな

そう思って

「じゃ~パパ、私はカーディガン出すからパパもコート出して一緒に着よっか」

と私はパパに提案

だって・・

私が着なかったら、パパも絶対に着ないって思ったから!!

ニューヨークが暖かかったから、日本がこんなに寒いと思っていなかった・・


『私には、寒いという感覚はあっても、それで体が辛くなる事はない』

これも何とかしなきゃ・・

気づかれない内に何とかしなきゃ


私とパパは通路の端に移動して


私はカーデガン

パパはコートを互の荷物から取り出して着込んだ。


『確かに暖かい感覚』


私はパパを見上げて

「パパじゃ~行きましょう」

と私は言って再度パパの手を握る。


歩いていると凄く・・


凄く・・


『私は注目されているよう』


確かに私の髪の毛はこっちの人と違って


『金色』

でもアメリカじゃ普通

アメリカじゃ、私みたいな髪の色ってそんなに目立たない。

でもこっちにきたら、殆ど髪の色は黒くて、目も黒か茶色。その中で私だけ違った感じ。

そんな中で暮らしてゆかなきゃいけない。これからどうしたらいいのって反面、ワクワクしている自分がいるのも本当。

でも、この人の視線ってやっぱり私は慣れないな~~。


電車の切符を買って、指定席の番号を見ながら席を探してゆく。初めての事で戸惑ってしまう。

そんな席を一つ一つ見てやっと私は指定席番号を見つけた。

「パパ席あったよ~ここの番号だよ。」

「リーナ見つけたんだ、ありがとう。座ろうか。」

「海が見えるね。アメリカの海とは感じ違うね。」

「波が静かだね。パパは生まれた所だけどリーナは初めての所だから不安かな?」

「少し不安かな。でもワクワクもしてるの不思議な気持ち。」

「パパが一緒だったら何処でもいいよ。」


パパが途中の自動販売機でかってくれた、暖かいココアの缶のプルトップを開ける。

私は小さい頃はこのプルトップを開けるのがちょっと苦手だった。

よくママが開けてくれたのを思い出す。いまじゃ懐かしい思い出。

ココアの暖かさが冷えきった体に染み渡る。「暖かくて気持ちいい。」


電車の中は快適!!

窓の外は次々に景色が移り変わってゆく

小さな家で埋め尽くされた街の景色

そんな景色が延々と続いている・・何処まで続いているのかな?


『なんて小さな家なんだろう』

庭も殆ど無いし本当にアソコに人が住んでるのかな?

なんてふと思ってしまう私。


これが私のこれから住む世界


『そう思うと何故か不思議な感覚』


列車の旅は、指定席ということもあり快適だった。

列車の車内に

『次は品川』

と車内アナウンスが流れる

パパが住んでたと言ってた場所!!

「リーナ次の駅で降りるから準備して」

とパパも私に言ってくれる

そのうち、列車が次第に減速してゆっくりと進み列車が駅の構内に入ってゆく。

列車が止まると一列に並んだ人達がドッと出口のドアから駅の構内に向かって吐き出さ荒れてゆく


見てると溜まった水が一気に流れ出すような感じがしてくる

列車を降りて、駅の構内を歩いて駅の外に出ると・・

高いビルは有るけれど、ニューヨークみたいに林立するって程じゃない


景色を見ながら歩いてみると、なにかゴミゴミした感じでなぜか気ぜわしい。


『人』

『人』

『人』

『人』

『人』


どっちを見ても凄い人の波

人が何でこんなにも多いんだろうと思わず思ってしまう。


色んな物が物珍しくて、あっちを見たり、こっちを見たりと私は辺りを見回しながら物珍しそうに歩いて居た。

そんな風に景色をあちこち見ながら歩いてしたら、



『思わず人とぶつかってしまった』


私はぶつかった弾みで思わず尻もちをついてしまってた。


「あいた・・・」

私の前から聞こえるそんな声

私がその方向に視線を向けると

私の前の女の子は痛そうにお白を押さえなから、ぶつかった女の子も同じように尻もちをついているのが見える


一瞬重なる視線と視線

其の瞬間

「きゃ~天使~。天使だ~」


とぶつかった女の子に私は突然抱きしめられてしまった。



私と同じ位の背丈の女の子


茶色のブレザー


胸元に赤いリボン


そして紺色のチェックの短めのスカートの女の子。


私は・・・ふりふりの白いワンピースに短めの薄い黄色のカーディガン姿。

スカートが捲れて少し下着が見えそう・・・慌てて捲れたスカートを両手で直す。


私は、6歳でも148センチ、私と同じ位の背丈だからこの子何歳くらいなんだろう?

「髪~凄い金色でサラサラ~」

「目も大きくて青色だし」

「お肌真っ白でツルツル~」

「すごい・すごい~本物の天使だ~お母さん~!天使が舞い降りてきちゃった。」


ぶつかった女の子に頬をすり寄せられ、抱きしめられたまま、私は呆然と固まってしまった。


お母さんらしき女の人に


「あやか~やめなさい。知らない人に失礼でしょ!!」


そう言われて初めて

ぶつかった女の子がやっと正気に戻ったのか


「ごめん、ごめん、天使が目の前に急にいたからびっくりして思わず抱きしめちゃったよ。」


私も

「アメリカから今日日本に着いたばかりで、つい景色に見とれてしまっていました。私こそごめんなさい。」

とにっこり微笑みを返してあげた。


「ホントにその笑顔って天使だよね~私もこんな妹欲しいな~お母さん~」


っと女の子が母親らしき女の人を見上げながら言うと

女の子のお母さんが、


「本当に天使みたいな女の子だね彩」


と感心したように私の方に視線を移してくる

うちのパパもびっくりして、

「すみません。今日アメリカから着いたばかりで慣れてないもので失礼しました。父の 神城 隆一(かみしろ りゅういち)です。」

と挨拶してお辞儀をしてる


そして一旦区切って、私の方を見下ろしながら


「そしてこの子が娘のリーナです。」


と私を娘として紹介してくれた。

するとむこうのお母さんが慌てたうように

「申し遅れました母の綾小路 静香(あやのこうじ しずか)です。」


とお辞儀をしてから女の子を見ながら


「そしてこちらが娘の、綾小路 彩香(あやのこうじ あやか)です。」

と女の子の顔を見ながら私達に紹介してくれる


そして不思議そうな表情で静香さんが

「失礼ですがアメリカから、里帰りとかですか?」

と聞いてきた。


そんな静香さんの質問に

「母親がこの前、交通事故で亡くなりまして、今年、小学校に上がる娘の為に日本に帰ってきた所なんですよ。」

うちのパパが答えると・・・・


「えええええええぇ~」


静香さんと、彩香さんはもって驚いた!!

「私今、13歳だよ~びっくりだよ。私と同い年くらいかと思った。」

と彩香さん

そして

「可愛い~可愛い~めっちゃ可愛いよ。」

と言うなり彩香さんに頬づりされながら抱き締められてしまっている私



静香さんがそんな私達を見て何かを思い出すように

「本当よね~うちの子と同じにしか見えないですよね。お宅も、奥様を交通事故で亡くされたんですか・・・

奇遇ですね。実は私たち親子も主人を昨年交通事故で亡くしてしまったんですよ。

これもこんなにも可愛い天使さんのお導きですね。食事でも一緒にしながらお話でもしませんか?」


と提案してくれる

そんな静香さんの提案にパパも

「朝から何も食べてないし、もし御迷惑でなければお言葉に甘えてご一緒してもよろしいですか」

ととんとん拍子にイタリアンレストランで静香さん、彩香さんの親子と食事をする事になってしまった。


つづく・・・


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ