表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
たった一つの願い  作者: 神城リーナ
2/5

2.『限界が解らない』

飛行機の中にアナウンスが流れるもう直ぐ成田国際空港に着くみたい。

飛行機が飛んで空中に舞い上がる時もだったけど、降りる時も緊張する~~

出来たら飛行機なんて二度と乗りたくないな・・・


段々と高度が下がってゆくみたいな感じで気持ちが悪い


一瞬

『このまま落ちちゃうんじゃ?』

って不安になってしまう私

解っているけど、脚に力が自然に入っちゃう!!


『キュッ』


『キュッ』


『キュッ』


っと飛行機のタイヤが何度か音を出す度に体に軽い衝撃が伝わってくる。

急速に止まってゆく機体

同時に体が前に押し出される感じ

出発前とは反対


飛行機がやっと止まった!!

なんとかこれでこんな狭い空間から開放されると思うとほっとする私。

何か注意事項とか色々と説明される

紙を渡されて見てみると今の体調の事についての質問事項みたい。


『疲れてる・・なんて書いても無駄?』


なんてバカなことは考えないで、さっさと終わらせちゃお!!

飛行機を降りて順番に検疫カウンターまでお進んでゆく。機内で渡された検疫所からの質問票をパパが私の分と一緒に検疫カウンターに提出してくれている。


到着ロビーで荷物を受け取ってから、ロビーの外へ

全くどっちに行っていいのかさえ解らないけれど、パパがこっちだよと手を引っ張ってくれる。

私の知らないパパの国

私達の行き先はまず品川という所らしい。

何故、品川って言うと、今は亡くなってしまっていないけれどパパのお父さんとお母さんが住んでいた家が有って、パパがアメリカに行くまで住んでいたお家が有るの。

でも今は親戚の叔父さんに管理がてら住んでもらってるって言っていた。


だから此れからの事を今からいって話し合うらしいの。

こっちの都合で、直ぐに明け渡してくれって言えないってパパも悩んでたみたい。


『パパどうするのかな?』


私達が持っているのは手荷物一個づつの最低限の物だけ!!

『着替えとか普段使う最小限の荷物に留めている』


アメリカで住んでいた家は、パパのアメリカの知り合いの知人から日本に帰るのなら、住みたいから売って欲しいと言われ、知り合いに買ってもらった。知らない人が住むより気が楽かも・・・・

それに、家具も、電気製品も知人がそのまま使うからと一切そのままにしている。

必要な物はもうその家に梱包して置いてある。日本で住む場所が決まったら、連絡したら送ってもらえる事になっている。


本当は、パパが住んでいた元の家に送りたいみたいだけど、住んでるんじゃそれも出来ないよね・・


『私だって、帰るから出て行ってって突然言われちゃったら怒っちゃう』


そう!!パパの住んでいた家はレインボブリッジがある近くに有るらしいのから私の事も考えて移動距離の少ないJR東日本の成田エクスプレスという電車で直接この第一ターミナルビルから品川駅まで直行で行けるみたい。


私とパパは標識の表示を見ながら、JR東日本の列車の入る駅を探して第一ターミナルビルの中を歩いてゆく。


「大丈夫かい?」


パパが心配して腰をかがめて私に顔を近づけながら聞いてくれる

パパは身長180センチくらい

私はやっと6歳になったばかりで148センチ

この身長って普通なのかどうか解らないけど

30センチ位の開きがあるから、パパは気にしてそんな仕草で何時も私に聞いてくれている。

「私は大丈夫」

そう短く一言笑顔で返してあげると

「そうか良かった」

と安心してまた歩き出すパパ。


私には実際解らないの・・・

事故から意識を回復した時、私は体中激痛で動かせなかったの。そしてリハビリしてなんとか少しづつ体が動かせるようになったのだけど・・・

どう・・

言ったら・・

良いのかな?

そう

一言で言うなら


『限界が解らない』


って感じ・・かな


『そうどこまでも、限りなく体を動かせてしまう』


リハビリを初めた最初の日は車椅子から立ち上がるだけで、それだけで全身に激痛が走って激痛に蹲っていた私

でも・・


2日目は


少しづつ


少しづつ・・


一歩



一歩


歩行用補助バーに掴まりながら歩く度に痛みは無くなり少しづつ歩けるようになっていったの。

異変に気がついたのはリハビリを開始して3日目


車椅子から歩行バーに掴まり、一歩踏み出そうとした瞬間、私は壁に激突してその拍子に床に転げて頭を抱えて唸ってしまってた。

信じられないことに、一歩踏み出した一瞬で私は15メートル先の壁に激突してしまってたの


でも運が良かった!!誰もその時は気付かなかったわ。

その代わり、私はリハビリ中に壁に掴まって歩いてて転けちゃったって事になってそれから暫くの間一人でのリハビリの運動はさせてもらえなかったけど・・・


その時思ったの


『これは誰にも気付かれちゃいけない!!』


だから、私は常に気を配っていないといけないの!!


私は気を配りながら、ゆっくりとパパに手を握られたまま第一ターミナル駅へと歩き出す。


つづく・・・


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ