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第八回

(第八回)


ほとんど自力では行動できない…


これが実態である。

にもかかわらず判定は「要介護3」。


実態を見ていない「判定委員会」というところが最終的に下した審査結果である。




文献によるとetcでものを言うリハビリ指導員。

論理で説明する医師。

一度入院して検査が必要ですねとサジを投げるセカンドオピニオン。


そして


家人の「脳」は次第に狂い度を増す。



三度の食事を作り始めて七ヶ月。


「肉じゃが」の水の量より

そして「奇跡は起こる」と夢見ている場合じゃない、


もはや悪魔の闇が次第に近づき、

家人の言う「ペンギンの赤ちゃん」の亡霊が己の身にも降りかかってくるのだろうか。


骨まで愛してという歌が昔あったが、

家人の躰をまさぐるとまさに骨そのものだけに感じられ、

いつも涙を流すせいか、首を上げることが出来ない加減でそうなるのか、不思議なことに左の瞼だけが蜂に刺されたように異様にふくれ上がりお岩さんみたいな様相を呈してきた。

「痛いのか」と聞くと

「痛くない」と答える。



いよいよか。

セカンドオピニオンが言っていた「一度検査入院したほうが良さそうです」という遅かりし判定に従わざるを得ない。



季節は真冬から春一番の風が吹き始めていた。







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