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第二回

(第二回)


 文献によると云々がこの世界の常套句ということらしい。


 入院した時、家人のリハビリを担当した若いコが言っていた。

「ないですねえ。元通りになった例はありません」

 いかにも自分が主治医にでもなったような口調だった。

過去に例がないとは明らかに文献によると云々をそっくりそのまま自分が扱ったようにすり替えている。



 医学界ってなぜ患者と同じ立場に立って物事を考えないのか。そして常に文献による「原因」にしがみつきこれを信じて疑わず、まるで自分がそれを突きとめたみたいにして言う。

 

 知りたいのは指定難病としての家人の症状が例えばリハビリによってどの程度まで回復するかということであって「可能性」の問題なのである。



 …


 今夜の「肉じゃが」はうまくできるだろうか。

 この前の失敗は水の量だった。


 今度は絶対少なめの量にするぞ。


 たった二人だけの夕食だから水の量は500CCだ。



 献立のことを考えるとしばらくは病気のことは頭から離れるのである。


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