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第十回

(第十回)


賭ける…


紹介状を書きますとセカンドオピニオンが言ったとき

賭けるという概念が強く頭をよぎった。

今こそこの思いを挙行すべき時ではないのか


前の病院の時から密かに芽吹いていたことなのである。

こんなところではだめだ。出来ればK病院で診てもらった方がいいのでは…と。

チャンスを狙っていた。



「T病院へ紹介状を書きます」

とセカンドオピニオンが言ったとき

「K病院にお願いします」

と頼んでみた。

それは医療界、いわゆる天下の医局にまるで殴り込みを挙行するような言動なのである。


かまうものか

診てもらうほうだって選択の自由がある。

だからまさに賭けたのである。

自分の信じたい「光」みたいなものに。

その「光」は「K病院」にしかない。



セカンドオピニオンは奇妙な顔をした。

そばにいた若い看護師はニヤリと笑った。

家人はただ首を垂れたままだった。



セカンドオピニオンは黙って言うとおりにしてくれた。

自分の系列のT病院よりいわば競争相手のK病院を指名してくるとは

多分思わなかったかもしれない…

理由は敢えて聞いてこなかった。





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