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「じゃあ、一体これからどうなると言うんだ、世界は?」
「だからさ、さっきも言ったように近代文明を求める限りもう一つ地
球を造らなければならない」
「そんなことできるわけないじゃないか」
「しかしまったくできないという話でもないんですよ。じっさい20
25年には火星への移住計画を実現させようとしている組織だってあ
るくらいなんだから。ただ二度と地球には戻って来れないけど」
「もういいよ、そんな夢ものがたりは」
「だったら、一つしかない地球で二つの地球を求める人間同士が奪い
合うしかない」
「やっぱり戦争か?」
「ええ、世界中の人々が近代生活を求める限り戦争は避けられないよ
うな気がする」
「いつ?」
「だって、もうすでに富を巡る民族間の争いは起こっているじゃない
ですか」
「おれもさ、平和憲法のままじゃあ国は守れないと思うんだ」
「ただ、僕は戦争に勝ったからといって経済的繁栄がもたらされると
は思わない。さっきも言ったように勝敗によって終局が決する時代は
終わったんだ。もちろん、失った分だけ成長の余地が生まれるかもし
れないけれど、それなら大敗して焼け野原になった国の方がよっぽど
経済成長の余地が生まれる。かつての日本やドイツのように」
「それじゃあ何か、経済成長したければ戦争して負けた方がいいと言
うのか。それなら平和憲法も意味があるけど」
「僕はもう一つの地球も、もちろん戦争も御免被りたいので、すべて
をレガシーエネルギーに依存した近代文明を見直すべきだと言ってい
るです」
「レガシーエネルギー?」
「ああ、化石燃料のことです。僕が勝手にそう言ってるだけですけど」
「レガシーって遺産って意味だよね」
「ええ、そうです。つまり生成することのできない遺された資産なんです
化石燃料は」




