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YOUはSHOCK

前方に広がる未開の断崖絶壁

その崖の下には数キロにわたっていくつもの巨大な船が海上を埋め尽くしている


「はてさて、いったい何時になったら埒が明くのかね?」

「上からの砲撃が収まってもう20分だ。自称司令官殿は何を考えているのか・・・」

「あんた達あんまり油断しないほうがいいぜ?」

「なんか知ってるのか?」

「ああ!此処は通称グレートウォールと言われていてな。いまだにここを登った奴はいないらしい」

「何処ソースよそれ?」

「今俺が考えた!」

「厨二乙」

「ありがとう最高の誉め言葉だ」


少し前に西で大規模な戦闘が発生した

チートを使っても倒せない

バレットナンバーズ


数の暴力

リグレット


卑怯は俺の誉め言葉

メリアリス


この3つの大勢力が急激に弱体化したのである

原因はその大規模戦闘であると思われていたが

曰く

「戦闘終了直後に発生したサーバーダウンにより違法性が発覚して大人数がBANされた」

曰く

「何処からともなく現れた数機のBWに蹂躙された」

曰く

「伝説の6番が現れて引退を促した」

曰く

「俺は見たんだ!すげぇ機体がびゅーんと海から飛んできてみんなぶっ壊していったんだ!」

↑当然だれも信じていない


ともあれ勢力バランスは崩壊して西は今まさに世紀末

BWでヒャッハーする奴もいればそんな奴らを「てめぇらに明日を生きる資格はねぇ!」とひでぶする奴もいれば大晦日に「ニューイヤー!」と叫びながら崖から飛び降りて自殺するネタ集団も

あ、自殺集団は毎年恒例なんで誰も気にしてません

そんな時に

!!南の果てに全く知らない新大陸発見!!

弾速の実装で既存の武装がナーフと化したので大半のプレイヤーが武器制作に力を入れたタイミングで、である

特に勝利にこだわらないとにかく戦いたい奴らは一斉に侵攻を始めた

その結果が目の前の大型船の渋滞である


「あ、なんかみんな動き出したぞ?」

「みんな崖の亀裂に入っていくな」

「罠じゃね?」

「罠だな」


あ、亀裂の奥から発砲音がする


「いまので何人死んだ?」

「7人くらいかな?」

「う~ん・・・・推進剤全部使って崖登るか?」


他の奴らも同じことを考えたらしく我先にと飛び上がる

しかし崖を登ることはなく飛んだ瞬間に撃ち落される始末である


「そりゃそうだよな」

「崖からも無理か」

「うん・・・・場所変えよう」

「どうするんだよ?」

「手薄そうな場所から俺たちだけでこっそり登る」

「賛成」


ということで最後尾で観戦モードの俺たちは船を反転させる

他の大損害を被った連中も帰りたいようだが残念ながら渋滞のど真ん中なので動けないのである


「焦って我先に進むとああなるっていういい例だな」

「昔のアニメでも言ってたしな」

「こういう時は臆病なほうがいいのよね?」

「それそれ」


そんな会話の数時間後に俺はそのまま帰ればよかったと思った

大陸を回り込もうと船を90度旋回させる


「あ・・・・あ?」

「どうした?」

「なんか空光ってね?」

「なんだありゃ?流れ星みたいだな」

「っ!ちげぇだろ!敵だ!あれBWだ!」


1人がそう叫ぶと全員で武器を撃つ

その流れ星はそのすべてをあっさりと避けて見せた


「落下軌道じゃねぇ!下に向かって飛んでるんだ!」

「船に直撃するぞ!飛び降りろ!」


全員が海上に逃げた瞬間に自分たちの船は真っ二つに折れてしまう

現実の船もそうだが

船の沈没とは意外にゆっくりとしたものである

しかしこれはその限りではない

5秒もたたずに俺たちの船は沈んだ

そして船のあった海上には

15メートルほどのBWが一機だけ立っていた

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