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赤道へ

「えぇ・・・これでインドネシアに行くの?」

「見た目古そうじゃが結構最新型じゃぞ?」


見た目は開発者の趣味だそうで


「翼に浮きもついてるし胴体もずんぐりむっくりしてるなぁ・・・これ飛行艇か?」

「んむ、スラウェシ島の陸地は数年物騒な状況でなぁ」

「そんなところに行くんですか?」

「湾内の軌道エレベータ街は安全じゃよ。まぁその外では今現在でもポソっとるんじゃが」


歴史の授業でも習う事なのだが戦後のアジアは物騒極まりない状況である

日本は相変わらず安全で

インドは徹底的に戦争難民を受け入れず

フィリピンは苛烈とまで批判された犯罪者への厳罰が幸いして難民は近寄らない

新興国のアス共和国は警察機構の安定さが国内の安定に繋がっている

アジアで何とかなってるのはこの4か国くらいで他の国は

戦時中の隕石群で

戦後の賠償で

戦後の自然環境の激変で

一応は国家とされてはいるがほぼ無法地帯となっている

インドネシアの場合は様々な難民が入国し宗教戦争が泥沼化しているという

なんでそんな物騒な場所に軌道エレベーターがあるのかは知らん


「皆サン、コニチワー!」


なんか胡散臭そうな外人が挨拶してきた

肌が黒いし独特な体臭もするので間違いなく日本人ではない


「私ハ、エルノー。宇都宮ノ卒業生デスヨ」












------------










飛行艇からあけましておめでとうございます?


「インドネシアって時差どんくらいなの?」

「2時間くらいじゃなかったか?たしか日本より2時間遅い」

「じゃあ今日本だと夜中の2時か」

「日本デハ、アケマシテオメデトウゴザイマス。ト言ウンデシタッケ?」


このエルノーさん、子供のころから日本に憧れていたそうで

「日本デハ中学生ニナッタラ授業デ自動車ヲ作ルンデショ?」

なんて本気で思っていたそうで

実際ブラジルとかアフリカの人はそんな勘違いをしている人も少なくないそうである


「そんな勘違いから日本に憧れて今に至ると?」

「我ナガラ本当ニ何考エテタンデショウネ子供ノ私」

「いやアタシらに言われても困るんだけど」

「マァソンナワケデ大人ニナッタラ自動車デハナク軌道エレベーターヲ作ッテイマシタ!ナンテ現在ナワケデ」


その軌道エレベーターなんですが


「これから行く場所ってなんなんですか?」


存在しか知らないからね


「本来ノ目的ハ既ニ完了シテイマシテ。ア、ソレニツイテハ超機密事項ナノデ、オ話シデキマセン」

「じゃあ今は何を?」

「今ハ各国ノ宇宙ステーションノ物資運搬ヤ各種実験、アト物好キナ金持チタチノ遊ビ場デスネ」

「儂儂!儂金持ち!」

「お爺様は金持ちじゃなくてコネでしょ」

「凹むぞい・・・」

「ア、ソレト新シイ発電技術ノ試験モシテマスネ。コレハモウ実用段階デスヨ」

「どんな発電なんですか?」

「昔カラ研究サレテイル宇宙太陽光発電システムデスヨ。エレベーターノ頭頂部デ太陽光発電ヲシテソノ電力ヲマイクロウェーブデ地上ニ送リマス」


確か20世紀から考えられていた技術だったはず


「実用化できたんですね」

「2世紀モカカリマシタケドネ、石油ガ何時枯渇スルカワカラナイ現代デハコノ発電技術ハカナリ重要デスヨ」

「原子力は自称平和主義が五月蠅いもんね」

「そのくせそう言う奴らってガンガン電気無駄遣いするもんだけどな」


自称動物愛護団体とかもそうだよね

動物保護の会議しながら肉をバクバク食うんだよね


「マァソレガ実用化シヨウトシタラ今度ハ石油ノ利権者ガ五月蠅インデスケドネ」


そんなもんである


「オ、ソロソロ到着シマスネ。皆サンオ座リクダサイ」


さて、世界の最先端の軌道エレベーターは一体どんなものなのか楽しみである

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