外海
バトルウォーカーを今後BWと略称します
大陸間の移動には2つ方法がある
制作・購入で船を手に入れ航行か、BWを使っての移動である
船はBWの移動と比べると非常に早く手軽である
しかし海賊行為などもこのゲームには存在し襲われるリスクがある
船と比べるとBWの運搬能力は低く、即座に戦闘も可能のため強奪の心配は少なくて済む
強奪できても利益が少ないからだ。それどころかむしろ赤字になる可能性が高い
しかしBWで海上を移動するのは面倒である
装甲を使用した浮力による航行・スクリューを利用した海中移動・ブースターによる水上移動のいずれかが必要になる
・浮力航行は機体下部の装甲の増加をしつつ軽量化が必要と言う矛盾があり火力も防御も低くなる
・海中移動はブースターの使用不可、戦闘には専用の武装が必要等で専用の機体を作らなければいけない
・水上移動は陸上機のまま使用できるが水中に落ちると復帰不可能、ブーストの燃料が有限なので長時間は水上にいられない
そんな問題があるため現在は船に防衛用のBWを同乗させるのが一般的だ
我々の船は装甲を強化した機動船
サイドの機体は射撃用のプログラムが入っていないため今回はシールドを装備している
A子の機体は足の速い車両型だが機動船では狭くて動き回れない。なので右手に大型のガドリング、左手に大型のシールド、後は積載の許す限りの弾薬を用意している
セレブリティッシュの機体は船の内部に格納している。彼女が船を操作しているためだ。状況によっては船からBWに乗り換えて応戦する
ネクスターも船の中に機体を格納。隠密行動が要の機体なので戦闘開始時にこっそり海中から出て攻撃する。ネクスターは結構金持ちで陸上用の他に水中用のBWを持っているのだ
セイレーンこと私は普段と変わらない多脚型に小口径マシンガン・中口径ライフル・大型シールド・大型ナパームランチャー・小型ミサイル・索敵用無線操作無人機とどんな状況でも対応できる武装になっている
そして我らが新入りにして私の婚約者←ココ重要、エバーは2月の戦いと変わらない機動特化の多関節2足機。使用武器は大口径スナイパーライフル・実体型ブレード・一撃必殺の杭打機
こんな感じで我が隊は盤石の構えである。もう何も怖くないネ!
他の依頼を受けた部隊も同じような感じで完全装備だ。依頼料が凄まじいから出し惜しみしていない
そんな状況でほかの部隊の連中は
「俺、この依頼が成功したら新しい機体を買うんだ」
「圧倒的ではないか、わが軍は」
「安全な航海だ・・・疲れたな……少しの間眠らせてくれ……」
「何言ってんだ。俺が死ぬはずないだろ」
「いいか! 訓練通りにやっていれば必ず生きて帰れるぞ!」
「帰ったら、一緒にサラダを食べようぜ」
アカン、皆退屈だからって死亡フラグ建てまくり
私みたいに警戒しないと何時敵が来ることか
そう考えていた瞬間に前方に一瞬小さな光が起きた
「戦闘態勢!狙われてるぞ!」
一番早く反応したのはサイドだった
あれ?私も警戒してたはずなんだけど何で気づかなかったんだろ?
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完全に呆けていた
幸い前方からの攻撃は距離減衰が大きく商業組合のタンカーに命中したが大したことは無い
相手はそんな攻撃を何度もしてくる
無意味すぎる・・・何が狙いだ?
「セイレーン、索敵はまだか?」
「今やってる・・・・・・見えた!敵性機体は30機・・・なんだけど・・・」
「何か問題か?」
「武装が安っぽすぎ。動きも単調でまっすぐこっちに向かってくる」
囮だな
多分相手は雑魚に構ってる間に後方から奇襲するつもりなんだろうが、そうは問屋が卸さない
「皆、提案だ。あいつらは俺たちメタルレディが相手をするべきだ」
この部隊なら楽勝で倒せる。そして即座にタンカーの後方に回り込んで奇襲に備える
「アタシもそれがいいと思うぜ」
「賛成・・・」
「じゃあそれで行きましょう」
「操舵はまかせてぇ~」
皆は賛成してくれた。後はセイレーンだけである
「決まりね!エバーは今この瞬間から部隊の指揮者よ!」
今はそんな話関係ないと思うんだけど、もう面倒だ。
ほかの部隊との作戦立案を行う
タンカー3隻は1列に並び、その前方に雇われた部隊がヘの字に並ぶ。峰矢の陣だ
その後方に殿としてメタルレディ
前方の敵と接敵しタンカーはそのまま突き抜け、貿易都市エグリーブ領内に突っ込む。そこまで行けば適当にあしらってこちらも領内に入れる
問題は伏兵や増援の数も実力も不明な点。そもそもそんなのがいないのかもしれないが確認する時間はない
商業組合の隊長が叫ぶ
「全部隊!貿易都市エグリーブに突っ込め!」