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アポトーシス

「脱税・・・横領・・・脅迫・・・婦女暴行・・・は、はははは!」


ホーネットから送られたデータは完全な犯罪行為の痕跡であった


「これは良いな!いいなぁ!これであの邪魔者を追い込める!」


首相にこれだけの過去がある

これが知られれば首相だけではない

与党も

いや、日本そのものの信用を失墜させるのにも十分だ!

20世紀の祖国の栄光を再び取り戻すのも不可能ではない

いや20世紀なんてものじゃない


「どうだ双葉!これが獅子堂家の力だ!」

「はい、これで野党が政権を奪う事が出来れば」

「そうだ!我らが政権を取った暁にはまず野党をすべて解党させる!」

「それは危険では?一党独裁となれば独裁国家として周辺各国から文句も出るかと・・・」

「そうだな。そうかもしれんな。ただしそれが戦前までの世界情勢であればな?」


白人主義の欧州も

未開文明のアジアも

世界のトップとふんぞり返っている米国も

大戦と異常気象で力を大きく削がれている

他国が他国の文句を言う余裕なんぞこの時代には無いのだ


「他国が文句を言うまでに逆らうものはすべて黙らせればいいのだ」

「そうですか。では、私は反乱の意志を持ちそうなものをホーネットと共に調べます」

「その必要はないさ」

「なぜですか?」


手を軽く上げると後ろに控えていたガードマンたちが双葉を取り押さえる


「え?お父様?何を?」

「そもそもお前が気に食わん」

「え?え?」

「下賤な日本人の血でしかも女。私の考えに一々口答えをする。貴様ら女は黙って頭を下げて男の言う事を聞いていればいいのだ!それが人類における歴史だろうに」


陽一の母

良い所の娘だというから貰ってやったのだ

だが実際はどうだ

私の望む通りに全く動かない

私の考えが間違っていると口うるさい

そしてこの女の母だ

ただ若いという事しか利点が無い

金を払うまで泣き喚いてきた

どいつもこいつも日本人の血が混じるだけでこうも邪魔な存在になる


「話が違います!結果を残せば私にも戸籍をくれると・・・」

「戸籍?あぁ戸籍か?そんなものが欲しいならもうすでに持ってるではないか?柊千鶴という戸籍がな?」


そしてそのまま喚く小娘をガードマンを連れて行った


「そういう事だホーネット。これからは私の指揮で動いてもらうぞ?」

「了解しました」

「こちらディーラー。私も共同で動けばいいのですか?」

「その通りだ。よく動け?金が欲しければな」


急いで外出用のスーツに着替える


「さぁ!日本中のネットワークに首相の犯罪記録を流せ!私は東京で街頭演説をする」













-------------------













あの男の指示でガードマンから建物を追い出される


「お疲れ様です双葉様」

「あら、わたしもう双葉じゃないわよ?」

「あ、そうでしたね千鶴」


建物から少し離れた場所で私のメイドが待っていてくれた


「これで獅子堂双葉も消滅。私は正式に柊千鶴という獅子堂家とはなんも関係の無い美少女になったわけね」

「ふふ、それなら私は美少女を妹に持つ美人な姉という事になりますね?」

「自分でそういうこと言っちゃうの?って私も言ってるんだから人のこと言えないか」


正式に姉となったメイドと他愛のない会話を楽しむ


「おかあさんはどんな感じ?」

「安静になさってますよ。とても穏やかです」

「そっか~・・・おかあさん私の事思い出してくれたかな?」


人気のない歩道を歩いていると目の前からアデューがやってきた


「お疲れ様です二人とモ」

「あら、もう仕込みは終わったのホーネット?」

「完璧ですヨ。あとは目標が勝手に自爆するのを待つだけです」

「そうですか。ではこちらが報酬となります」


姉が分厚い封筒をアデューに渡す

アデューはその場で封筒の中身。分厚い札束を数えだす


「はイ、ホーネット及びディーラーへの依頼料200万、確かに確認いたしましタ」

「払っといてなんだけどさ、こんな大それたことやっといて200万はちょっと安すぎない?」

「いえいえ、我々は多少黒字になればそれでいいんですヨ。あんまり一気に儲けると心が腐る。というのがボスの方針ですのデ」

「ふ~ん・・・それでいいならいいけど」


そのまま3人で帰り道を歩いて駅の通りに付いた時


「さて、ここでお別れですネ」

「え?アデュー帰らないの?」

「はい、このまま東京で顛末を見届ケ。満足いく結果になったことを確認したらそのまま欧州に帰りまス」

「そっか、日本出ちゃうんだ。ちょっと寂しくなるなぁ」

「他にも仕事がありますかラ。恐らク、もう会うことは無いでしょウ。二度ト」

「ありがとう、そっちにとっては偽りな生活だったんだろうけど楽しかったよ」

「ハイ!ではおさらばでス」


そうしてホーネット。アルヴィルト・ディス・アレクセイは駅に走って行った

そして駅前に止まっている一台のワゴンに乗り込み東京に向かって行った


「・・・・あ、電車に乗るわけじゃないのね」

「まぁ、電車だと時間まで待ってたら街頭演説まで間に合いませんし」

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