開拓
「うおっしゃおらぁ!登り切ったぞコンチクショウ!」
10分かけて断崖絶壁を上りきった
ブースターの推進剤はほぼ0になっていた
「え?エバーもう到着したんですか?」
「マジで?え?マジで?」
「こっちまだ水上探索中なんですが・・・」
「あ、こちらガザニアっす。海底にトンネル見つけたんで探索しますね」
ざまぁみやがれ
とは言うものの
「エバーさんどんな大陸ですか?」
「・・・何もない」
「何も?」
「そう、何もない」
見渡す限り荒野である
あと南大陸や西大陸と比べるとかなり狭い
「これじゃ大陸っつーよりも島だなぁ」
とりあえず歩き回って散策していると縦穴を発見した
その穴からはガザニアとネクスターが頭を出していた
「おっし!こちらガザニア。海底トンネルは地上に繋がっていた」
まぁ見ればわかるよ。目の前だし
「ゲンドゥル了解。じゃあそのトンネルをポイントゼロに設定。そこから資材搬入してエレベーターかクレーンでも作りましょう」
「あ・・・・?こちらエバー・・・・遠くに何か建造物?が見える。ちょっと見てくる」
「建造物?リスポーン地点かしら?」
「こちらゲンドゥル。資材搬入は私たちでやっておくから3人で見てきて」
「「「了解」」」
何ひとつ起伏のない荒野に謎の突起が遠くに見える
近づくとそれがなんなのか判明した
「テント?」
「・・・テントだね・・・」
直後にカメラに何かが飛んできて当たった
「うわ!なんだこれ?石?」
「木の棒とかも交じってるけど・・・槍?」
テントからわずかに離れた場所には半裸の集団がこちらに向かって色々なものを投げつけていた
「あ~・・・未踏査区域だもんな・・・原住民だなここいつら」
「撃っちゃいます?」
「NPCとはいえそれは人道的にダメだろ」
「・・・じゃあどうするの?・・・」
どうするのって、無視するしかないよな
とりあえず洞窟に戻ってみんなで考えるしかあるまい
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「原住民ねぇ・・・」
簡易的ではあるが崖の一か所にクレーンとリフトを設置した
本格的に丈夫なのはもう少し後になってからだ
なので今は全員でNPCをどうするかという話になってる
「蹂躙」
却下
「支配」
却下
「鏖」
却・・・・何て読むんだよそれ?
「対話」
っという事でとりあえず対話を試みてみることにした
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NPCは原始的な武器しか持ってなかったので
「何で俺1人だけなんだよ」
くじでガザニアが行くことになりました
「よし!対話は全部ガザニアに任せよう」
「我々はここにリスポーン地点を制作する」
このリスポーン地点の制作が最も時間のかかる施設である
まぁ簡単に作れたら敵地のど真ん中に作って永続的に侵攻みたいなバランスぶっ壊れ戦略が出来てしまうからね
あとプレイヤーが作った施設は攻撃で破壊が可能である
つまりこのリスポーン地点を守る施設も作らなければならないのである
自動砲台・トラップ・レーダー・外壁・整備施設etc.etc.
完璧を目指すと延々に終わらない
「なかなか楽しいことになってまいりました」
「これ本格的にナンバーズの資源ぶっこまないと完成しないわね」
ゲンドゥルとセイレーンはウキウキしている
強くてニューゲームみたいなもんだからね
もしくは新雪を足で踏み固めるが如し?
楽しいという気持ちは理解できた
「ゲンドゥルさんや」
「ホイホイ何かねセイレーンちゃん」
この2人なんだかんだですっかり仲良くなってるなぁ
サイドが最近置いてけぼりだ
「いやいや、アタシとしては親離れする子どもを見守るが如しって感じだぜ?」
「本音は?」
「なんか浮気されてる気分?」
軽く嫉妬しているようだ
「結局新部隊は名前変わらないの?」
「う~ん、決めかねてるのよねぇ・・・」
テキパキと指示を出しながら二人で新制ナンバーズの名前を考えているようである
「エバー、質問がある」
「なんだよ?」
サイドがその様子を見ながら聞いてくる
「ゲンドゥルってネーミングセンス大丈夫か?」
「大丈夫・・・・・だと思いたい」