西大陸に行こう
理事長が帰って1時間ほどで食事の時間になった
その後、夏妃が全員でバトルウォーカーをしようと言い出す
「夕方に南大陸の全部隊に依頼が送られてきたわ」
「へぇ?誰からだよ?」
洋子が真っ先に聞き返す
「依頼主は南大陸商業組合。依頼内容は西大陸への護衛よ」
南大陸商業組合
南大陸で最大規模の商業専門の部隊である
2月にリグレット同盟の侵攻から、何度か西側からの攻勢があったらしい
しかしその全てが特に苦も無く海上で撃退できる程度でもあった
リグレット同盟が資源不足でメリアリス革命を排除できてないと知った商業組合は、奪おうとするなら逆に高値で売ってしまえ!と考えたそうだ
そのために今回超大型タンカー3隻に資源を限界まで積み込み西大陸に向かうらしい
西大陸の南東部に巨大な港町がありそこでは戦闘が禁止されているためそこまで護衛すれば報酬が支払われるとのこと
「一攫千金のチャンスですね!」
「前から欲しかったぁ特大口径レールガンが買えますねぇ」
「賛成・・・新型のステルスアーマーもほしい・・・」
亜子、奈々子、御門も賛成らしい
「じゃあ後は悠だな?参加するか?」
当然だ、俺も物資や予備装甲が少なくなってきた
「参加するよ」
「良かったわ。それではみんな地下に行きましょう」
以前、洋子と戦ったときはタイマンだったため2つのヘルメットを直接ケーブルで繋ぎ、簡易状態で戦闘した
しかし今回はネットワーク接続が必要なので大型のPCが必要なのだ
そのPCはこの寮の地下室にもあるとのこと
地下に行くと大きな部屋があったがその中は凄まじかった
どこぞの国家機関が使っているような超巨大なスパコン、そのスパコンから発生する膨大な熱を処理するための大規模な冷却装置、そこから少し離れて6人分用意された豪華なリクライニングチェア
近くには休憩用のベッドがあったりテレビも備え付けてあった
驚いていると洋子、亜子、奈々子、御門はさっさとリクライニングチェアに座りゲームを起動させる
夏妃は自分のリクライニングチェアを俺のリクライニングチェアにぴったりと横にくっつけていた
そして恥じらうそぶりを見せながら
「ねぇ・・・悠君。手、繋いでもいいかしら?」
お断りします
ほんとこの人積極的である。あと恥じらいはどう見ても演技ですね
「もぉ、恥ずかしがり屋なんだから・・・♪」
無視無視
とりあえずゲーム開始だ
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商業組合が巨大なタンカーを持っているのは以前から知っていたが
「でかすぎだろ・・・・なんだこりゃ?」
洋子が代弁してくれた
船は大きく3種類に分けられる。機動船、輸送船、甲版船である
機動船はそのままの意味で非常に速度が速い。その代わり装甲は低く積載量もバトルウォーカー8機ほどである
輸送船は速度は並で装甲も並。積載量が非常に多いが戦闘はできない。バトルウォーカーは20機ほど詰める
甲版船は速度は遅く装甲は堅牢。積載量も多く船体上部が平らなのでそこからバトルウォーカーを使って砲撃ができる。これも搭載機数は20機ほど
そんな中組合の船は甲版船を改造したものらしく通常の輸送船の3倍近く巨大であった。さらに甲版に増設がされており資源の積載量が増やされている
ちなみに夏妃の部隊は機動船の装甲をかなり強化したもので速さと堅さを両立していた
制作は奈々子らしい
そんな話をしていると続々と船が集まってきた
足の遅い甲版船は組合の大型3隻だけ、ほかの部隊は全部機動船である
9時になったころに全体に声がかけられる
「依頼を受けてくれた諸君。ありがとう。これより我々は西大陸南東、貿易都市エグリーブに向かう。報酬は完全後払い、しっかり守ってくれ。では、出航!」
かつてない規模の大船団が西大陸に進みだす