ピロートーク
朝の4時に枕元に置いていた電話が鳴り響く
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電話に届いたメールにはこの一行だけが表示されていた
自室のHMDを装着し数字を入力する
画面にはいつもと同じ空間が表示される
「こんな時間なのにずいぶん早くINしたな。日本ではまだ太陽も出ていないだろうに」
Gと表示された球体が話しかけてくる
その声はボイスチェンジャー越しで性別・年齢は判断できないようになっている
「正直まだ眠たいですけどね。もう少し都合を考えてほしいものです」
私、Hも同様にボイスチェンジャーを使用している
自身の体は表示されず。球体にHと表示されている
「ごきげんよう、諸君」
また一人
「食事中に呼ばれるとは不愉快極まりないな」
どんどんアルファベットが描かれた球体がログインしてくる
「さて・・・本日は誰が招集したのかな」
周囲が静まり返る
誰も心当たりが無いようである
「私が招集をかけた」
少し遅れて返事が来る
Aと表示された球体だ
「ボスが召集を?」
「そうだ、いろいろ確認しておきたいことがあってな」
Aはこの集団の長である
この組織を作り上げた
しかし
性別・年齢・人種・国籍
全てが不明である
解っているのはあらゆる国とパイプを持っており
人間とは思えないほど
というよりもはや未来予知と言っていいほどの洞察力を持つ
「確認するのは依頼番号の37と62と96だ」
「DとHとRの担当か」
「そうだ、D」
「はい」
「依頼番号37を削除する。依頼主に偽りがあった」
突然すぎたのかDは少し驚く
しかしこの突然さもいつもの事なのである
なのでDも文句も言わずに従う
「了解しました。依頼主には何と説明を?」
「しなくていい」
「どういうことですかな?」
「H、R」
「「はい」」
「62と96は依頼主の利害が一致している。この後互いの依頼内容と情報を共有しておくように」
「「了解」」
「依頼番号37の依頼主はこの二つと敵対している」
「了解しました。このまま依頼遂行を装いHとRに情報を提供します」
「それでいい、私も独自に動く」
「ボス自らですか?」
「そうだ、お前たちは気にせず動け」
「「「了解」」」
これで緊急の呼び出しは終わりだった
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「なぁ、悠」
「なんだよ?ずいぶん真剣な顔して」
3限目の授業が終わり5分の休憩時間中にゴウダが話しかけてきた
「お前ってさ・・・彼女とキスってしたことある?」
「・・・・・・・あるよ?」
「なんだその間は?」
う~ん・・・キスって何回したっけ?
去年に半ば無理やり夏妃にしたのが初キスだったっけなぁ・・・
「じゃあさじゃあさ」
「なんだその希望に満ちた目は?」
「ディープキスってしたことあるか?」
こんな時間から何の話がしたいんだね君は
「実は昨日ミカガ・・・コホン・・・ミカちゃんとキスしたんだけどさ」
ただの惚気だよ
「ミカちゃんに舌入れられたんだよね~」
「そうですかそれはよかったですね」
周囲を見回す
とりあえず他の男連中には聴かれていないようだ
もし聴かれたら確実にボコられるだろこいつ
「何が言いたいんださっきから」
「いや、悠はしたことあるのかなって?」
「ねぇよ」
そこまでやったことねえわ
「夏妃先輩なら喜んでしてくれるだろ?いいぞ~アレは」
「具体的には?」
まぁ興味が無いわけではないんだけどね?
「まず相手の舌のヌルっとした感覚が癖になるんだよ」
生々しいないきなり
「んで、あぁ・・・俺今エロいことしてるんだなぁ・・・って気分になる」
「まて、お前沖縄でもっとエロいことしてただろ」
大人の階段のぼる的な事を
「ん、あれもあれで素晴らしいんだけどね。なんかそっちとは違う感動があるわけよ」
否定しないのか
先生と生徒のいけない関係とか大丈夫なの?
「あれ?何言おうとしたんだっけ?・・・まぁいいや、一足先に大人になったゴウダお兄さんからのお言葉だ。気持ちいいからしないと損だぞ」
「おまえ本当最低なのね・・・」
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「っと言う会話をしたと聞いたのだけれど?」
「まて!どこで聞いた!」
寮に戻って夏妃が問うてくる
「鈴木さんよ?あの人すごい耳いいから」
鈴木さんお願いだからそういうことは黙っておいてください
「で、どうする?」
「な、なにがさ?」
とりあえずとぼける
「直接言わないとダメかしら?私と、舌、絡めたくない?」
体を摺り寄せながら耳元で囁いてくる
「私はねぇ・・・とっても悠君と絡まりたいよ?」
あぁ・・・卑怯だ・・・こんなの卑怯すぎる
「し・・・」
「し?」
「した・・・い・・・デス、はい・・・」
「よくできました」
そう言って夏妃にソファに押し倒される
倒れた俺に夏妃が覆いかぶさりそのままキスをする
そして口の中に舌が!
理解した!理解したよゴウダ!これは癖になるわ
もうなんかよくわかんないけど口の中が気持ちいいもん
頭が真っ白になった状態でとにかく快楽を貪りたくなる
お互いの舌を絡めて酩酊状態になりながら目を開くと
「あの・・・・ダイニングでこういうことはしないでもらえます?」
アイアス他3名の1年生が冷えた目で睨んでいた
「「・・・・ごめんなさい」」