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衝突

「た~だいまー」


大学から帰宅する


「あ、おかえりなさいです」


ダイニングにいたアイアスが返事をする


「1人?」

「ひとりひとり」


私物かな?ノートパソコンで何やらやっている模様


「あ、夏妃さん」

「ん?」


アイアスは適当な感じで


「思うんですけど。やっぱり菊月君はここに住むのは良くない感じだと思うんですが?」

「あら?何か問題?」

「正直なこと言うとココの1年以外のメンツって気色悪いです。特にあなたと悠先輩」

































「それ以上喋るな殺してやるから」









-----------








帰り道に悠先輩と遭遇しそのまま一緒に寮に帰ってきた


「ただいまっと」

「ただい・・・・」


先輩は言葉を途中で止めた

そして靴も脱がずに寮の中に走り出す


「あ、ちょっと先輩?」


靴を脱いで追いかけてダイニングに

すると訳の分からない状況になってた


アイアスは堂々とソファに座っていた

全く動じた様子はない

本当にアイアスなのかと疑いたくなるほどの冷静さだった


悠先輩は夏妃さんの腕を掴んでいる

その右腕からは血が垂れていた


その夏妃さんは

寒気がするほどの恐ろしい形相でカッターで今にもアイアスに斬りかかろうとしていた


「え、え?どういう状況?」

「心配しなくていいよ菊月君、こうなるって予測した結果だから」


アイアスはそう言うがとても落ち着ける状況じゃない


「悠君!離してよ!こいつが!」


何より夏妃さんがヤバい


「駄目です、離しません。離してほしかったらまずカッター離して座れ」

「まぁ予測ではこの後刺されるつもりだったんですけどね。悠先輩の身体能力諸々がちょっと予想外でした」


お前も煽るな、そんなつもりはないんだろうけどこの状況でその発言は煽りにしかならねぇ









------------







夏妃さんは多少落ち着きを取り戻した

と、言ってもいつ物騒なことするかわからんので先輩に後ろから抱きしめられた状況である


「なるほど・・・俺達が気色悪いと」

「言い方に棘があるかもしれませんけどね」


棘しかねぇよその言い方


「しかしなんだって突然そんなことを?ホントに刺されるかもしれなかったんだぞ?」

「大丈夫ですよ?ちゃんと対策は取ってますし」


いやさっき刺されるつもりだった言ってたじゃねぇか


「気色悪いって外見の話じゃないよな?」

「ええ、貴方の御両親のようなことを言うつもりはありません」


あ、先輩ちょっと表情こわばってる

やめてほんとにやめてこのままだとほんとに核地雷踏みそう


「質問だが・・・君ってどこまで知ってるの?」

「そうですね御門君達3人・悠先輩・夏妃さんの3組の過去は調べ終えてます」

「あ~・・・もうわかっちゃったよ」


え、これだけでわかるの先輩


「やはり察しがいいですね。その鋭さが気しょ・・・・コホン、問題なようですね」


あ、ちょっと歯に衣着せた


「で?煽った理由は?」

「そりゃもちろん菊月君のためです」

「俺かよ・・・こんな修羅場望んでねぇぞ?」

「じゃあもっと詳細に理由を言いましょう」


アイアスは姿勢を整えて話し出す


「悠先輩は言ってしまえば都合のいい人間になろうとしてますよね。夏妃さんが物語のヒロインで先輩はヒロインのすべてを肯定して解決してくれるヒーローです」

「・・・・・・・」


先輩は何も言わずに聞いている


「本当なら一番最初の異物である先輩がこのような修羅場を起こす確率が高かったと思います」

「それは・・・・そうかもな」

「でも先輩は空気が読めすぎました。この寮の歪さを受け入れて自分もその中に混じってしまった。だとすれば次の異物の菊月君がこのような事態を引き起こしたかもしれませんし?」

「いやそれは無いぞ?」


そこまで図抜けたこと言うつもりはない

そもそもそんな気色悪いとか感じなかったし


「他の人たちなら不愉快に感じながらも何事もないように受け流してくれるでしょうね。でも夏妃さんは別です」

「別とな?」

「はい、夏妃さんは他の人より一層歪んでいますので。正直何時どんな切っ掛けで爆発するのかわからないと思いました。その爆発原因が菊月君を発端にする可能性は高いです」


それは飛躍しすぎじゃないか?


「なにより先輩に依存しすぎですよ夏妃さんは。夏妃さん、最近洋子さんが邪魔とか感じてないですか?」

「・・・・・そんな事・・・・・」


とっさに反論しようとしたが思い当たる所があるようだ


「現代的に行ってしまえばヤンデレですよ。しかも進行型の。確実に最後は悠先輩以外をすべて排除します」

「夏妃、こう言われてるけどどうだ?」

「それは・・・」

「正直に言ってくれ」


先輩が強い口調で問う

今までにない強い言い方でちょっと驚いた


「最近・・・洋子に話しかけられるのウザいかな・・・って、あと。悠君と他人が話してるの見るとイライラして・・・」

「ヘアピンは俺を独占するためか?」

「・・・・・・マーキングのつもりで・・・」


その言葉を聞いた先輩はいつも通りに戻る


「ふぅ・・・あとは俺に任せてくれるか?」

「そうですねぇ大丈夫そうなのでお任せします。じゃあ部屋にもどろ菊月君」

「え、ちょっ!引っ張るな!先輩!大丈夫なんすか?」

「大丈夫だ、任せとけ」





-----------






「おまえ・・・投げっぱなしかよ?」

「問題無し無し、あとは2人で解決してもらわないと意味ないもん。なにより・・・」

「なにより?」

「菊月君になにかあったら私が嫌だから」

「お前はなんでそこまで俺に拘るんだよ」

「それはまだ秘密」

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