男の娘
午後17時
アデューと一緒に風呂に浸かってる時にそれは起きた
ガラリと入り口が開き
「うおぉ!」
「ぎゃオ!」
突然に男湯に美少女が入ってきた
「なんだよ?叫んで・・・」
なんだタダの悠先輩か
「いや一瞬女の子が入ってきたと思いまして」
「そういえば風呂で会うのは初めてだったっけ?」
「ですネ・・・・・それにしてモ・・・・」
アデューが思ってることはわかる
「先輩って胸と息子隠したら女に見えますよね」
「フハハ!羨ましかろう!苦労も多いが利点も多いぞ」
別にコンプレックスとかあるわけでもなさそうだ
「苦労ですカ?」
「ん~・・・野郎に性的な視線向けられることが多いかな?」
「あ、それはキツいわ・・・」
では利点は?
「そりゃもちろん可愛く振る舞ってりゃみんな優しくしてくれるところ?」
この人の可愛い素振りとか想像できねぇ
「明日から学校始まって少しすれば学院祭だ。その時に見せるよ」
何をだ
「話は変わりますガ、悠さン」
「なんだ?」
アデューは少し迷って質問を口にする
「息子周りがツルツルなのは剃ってるんでス?」
「剃ってない。俺体毛生えない体質らしい」
「え?先輩って17でしょ?生えてないんすか?」
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「それは普通に驚いたわ・・・・」
「そうか、悠生えてないのか」
アデューには不思議だったそうで風呂上りにその話題を悠先輩と話していた
案の定女子たちに聞かれることになった
もうちょっとアデューは空気読むべきである
「いやあんまり話題にするべき内容じゃ・・・・」
「いや別に問題ないけど?」
そしてこの鋼の精神
普通だったら恥ずかしくて嫌だろ・・・・
「大丈夫よ。洋子も生えてないし」
「おまっ!何言ってんだ馬鹿!」
そして巻き添えで洋子さんの秘密が暴露される
「恥じることは無いわ。昔の人も言ってたでしょ?競うな!持ち味をイカせッッ!って」
「何をイカせっつ~んだよ・・・」
「例えばミケランジェロのダビデ像」
そこでなぜダビデ?
「あの彫像だって生えてないじゃない?」
「いや生えてるぞアレ?」
「え?」
「え?」
そして速攻で先輩に論破される夏妃さん
とりあえずネットで画像を確認する
「ゴホンッとにかく生えてないことを恥じる必要はないのよ。マイノリティな魅力ある特徴の一つよ」
「そ、そんなもんか?」
そんな話をしていると玄関のほうから蔑むような冷めた視線がすることに気が付いた
「なんで帰ってきたら速攻でそんな話してんのよ」
亜子先輩であった
「だたいま~どしたの?」
ついでにアイアス
「いや~つい盛り上がっちゃって」
「食前にする話じゃないでしょ。部屋でやってよ」
「うん、そうするか。夏妃、寝るとき悠の部屋に来いよ。ゆっっっっっくりお話ししようぜ・・・・」
「やだ・・・なんか洋子の目が怖い」
「そしてなぜ巻き込まれる俺」
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「前方、増援確認。数は12」
前方からメリアリスが侵攻してくる
俺達はもはやただの鉄砲玉である
バレットナンバーズと呼ばれた栄光は失われた
傭兵としての報酬は無い
提供したドラグーンの量産が始まった時点で用済みとなった
「なんでこんなことに・・・」
「文句言うな・・・付いてきた俺たちが悪い」
6番の甘言に釣られた
当の6番は俺たちを捨てて今やリグレットの幹部である
「畜生、もう逃げてぇよ」
「残弾ももうないですよ。補給は無いんですか?」
残念ながら
「補給なんて上等なものは無い。」
後方にはリグレットの部隊が控えている
戦うためではない
我々が逃亡したら狙撃するためだ
メリアリスと死ぬまで戦うか
リグレットに後ろから撃たれるか
あぁ畜生
「増援12機視認。あ、あれは・・・」
「メリアリス製のドラグーンか・・・」
完全に勝ち目がない
「ツァーン、ベルグドル。ブースターのエネルギーは残ってるか?」
「ツァーン、残り2割です」
「ベルグドル、残り半分」
引き際だな
「チームを解散する、全員別方向に逃げて一機でも多く生き残る」
「了解。リスポン地点はエグリーブですね?」
「こんな時のためにエグリーブに登録してたんだな。ゲンドゥルさんパネェな」
そんなゲンドゥルを裏切っておいてこんな結果になってしまったんだから自業自得というか
ともあれ1機でも生き残りエグリーブにたどり着けばその機体で2人を乗せて海洋に逃げられるだろう
逃げた後にどうするかは考えてないがそれは後から考える
「じゃあそういう事でな・・・散開!」
一斉に逃げ出す
そしてそれに気づいたリグレットはこちらに攻撃をしてくる
そんな暇あったらドラグーン狙えよ
二人もなんとか逃げ切れそうだ
幸いなことにドラグーン部隊は我々ではなくリグレット側に攻撃していた
その結果こちらへの攻撃が和らいだのだ
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戦闘地域から十分に離れ高台で戦場に振り向く
その戦況に驚いた
30機近くいたリグレットはほとんどが撃破されていた
メリアリスのドラグーンは殆ど無傷であった
しかしそれはドラグーンの性能が良いからではない
遥か遠方
視界に入らない程の距離から榴弾が降っていた
その一発一発が正確無比な直撃弾である
「なんだこれ・・・」
恐ろしいほど正確な榴弾に寒気が走った