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新たなる力(クソダサい)

「高野君!お昼ご飯できたよ!」

「は?お前の手作りとか産業廃棄物とか何かじゃねぇの?」


沖縄から帰ってきてもまだ夏休みは続く

毎日のように外出していたのでたまには寮で一日ゆっくりしようと思っていたのである

その結果がこの女の手料理である


「問題ナッシング!ちゃんとレシピ道理に寸分違わず作ったから食べ物ではあるよ」


そして実際こいつの料理は上手かった

亜子先輩、奈々子先輩、御門も絶句するほど美味しかったらしい


「う~ん・・・私はアイアスちゃんの濃い味付けのほうが好みだなぁ~」

「そう?悠君のほうが薄味で健康にはよさそうだけど?」

「・・・どっちも美味しいからいいんじゃない?」


正直なことを言うと悠先輩の弁当は味が薄い

いやコンビニ弁当やジャンクフードに毒されてる自分が悪いんだろうけどもさ


「そのとうり!ちょっと濃い味付けをすることで高野君のお嫁さんになった時にお母さんに「なんだいこの濃い味付けは!アタシを高血圧で殺す気かい!」とか言われて影で泣き崩れている私を高野君が抱きしめてくれてそのままラブラブでR-18なことになって幸せな家族計画になる計算でして」

「よしわかったお前は二度と料理するな」

「あぁんヒドゥイ!」


残念ながらうちの母親は鉄の胃袋持ちなのでその程度関係なく食ってしまうのである


「なるほど!そんな強気な姿勢でお母様はお父様を食ってしまって既成事実を・・・・」

「お前はもう二度と喋るな、あと心読むな」


そんな疲れる会話をしていると


「うぉい!今寮にいるのこのメンツだけか!」

「あれ?洋子部屋にいたの?」

「全然気づかなかったわぁ~」


興奮した様子で洋子さんがダイニングに駆け込んできた

言葉使いは少々ガサツだが基本きっちりと身だしなみを整えているのが洋子さんの特徴である

だが今回は珍しいことに

髪はボサボサで寝癖が付いている

衣服はシワシワではだけている


「これさ・・・学校のファン達が見たらどういう反応するのかな?」

「多分興奮するんじゃない?」

「アタシのことは良いからこれ見ろ!」


そう言ってタブレットの画面を見せる

画面に映っていたのは世界的な短文投稿サイト{クイッター}の文章であった


文鎮丸

「実のところを言いますと

 私の最終作品って南大陸から

 北のE5-4528,S17-0445の海底に沈んでるんですよね」


「誰これ?有名人?」

「う~ん・・・有名人・・・でいいのかな?」

「・・・一応・・・は有名なバトルウォーカーの武器制作者だった人・・・かな?」


タブレットを見てる間に洋子さんは大急ぎで顔を洗い歯磨きを済ませてきたらしい

この人こういうところキッチリしてるな

人気の秘訣はこういうところから来るんだろうか?


「見たな?よし!じゃあすぐログインするぞ!」

「え?4人でですか?」

「仕方ないだろ!悠は夏妃とデートに行ってるんだから!畜生もっと早く知ることができれば引き止めれたのに」















-----------












と!

いうことで速攻ログインしたわけですが


「周辺に船舶反応無し・・・と言ってる間に結構遠くに小型艇の反応」

「くっそうこんな時間にログインするとか暇人かよ!」


それは俺達も人のこと言えないんだよなぁ

夏休みの真っただ中に昼間からオンゲか~なんか引きこもりにでもなった気分だ


「仕方ねぇ・・・アタシとアイアスが船上で待機。ガザニアとA子でサルベージ。ネクスターはアリゲーター。急げ!」

「じゃあガザニア君はサルベージ船用のBWに乗り込んで。私は護衛用のBWに乗るから」

「ウス!」


今回は自分の愛機はお休みのようだ

言われたとおりにサルベージ用のBWに乗り込む

完全に水中用のBWのようで耐圧用の重装甲に多数のスクリューが装備されている

積載量の確保のため武装も無いようである


「戦闘になったら私が何とかするから、ガザニア君は目標の入手と船に無事に戻ることを最優先させてね」

「了解」











---------








3人が海中に潜って5分ほどが経過した


「発砲光!回避」

「ひぃぃぃ!」


アイアスに命じて即座に船を動かす

数秒遅れてさっき船のあった場所に弾丸が着水する


「あの距離から直撃狙えるのかよ・・・厄介なのが来たなぁ」

「ど、どちら様ですか?」

「知らん奴だよ。腕はいいみたいだがな」


敵側も回避したこちらを見て警戒を強めたようである


「良い操船だな」

「そりゃどうも、いきなり攻撃してきた理由は?」

「当然文鎮丸さ」


だと思ったよ


「て、敵3機もいますよ?勝ち目ないじゃないですか・・・」


三機しかいないと安堵するべきだろう

多分他にもサルベージ用の人員がいるはずだ

それらも戦闘行動に移られたらこっちが負ける


「弾薬の無駄遣いはしたくないんだが・・・引く気は無いかな?」

「ないね・・・そっちが引けよ。こっちが先客だぞ」

「それは無理だ」

「こっちだって無理だ」


できれば会話を長引かせたい

先に来たこちらが有利なのだ

時間が稼げればそれだけ・・・


「一斉射撃、撃沈しろ」


無理だった

掛け声と同時に3機が一斉に撃ってくる


「ぎゃーーー!ぎゃーーー!」


汚い悲鳴を上げながらアイアスは逃げ回る

って、あれ?

情けない声出してるけどその操船は的確で確実に回避をしている


「・・・よっし!アイアスそのまま周囲を逃げ回れ」

「むりぃぃぃぃ!」


っと言いながらも出来てるじゃないか

結構侮れないなこいつ


「はっはぁ!高速船に3機積むために無理したのが祟ったな!火力が低すぎるぜぇ!」


アタシの機体にあの3機の攻撃はほとんど効かない

シールドですべて弾けてしまう


「あ、やべっ」

「まず一機!」


破壊する必要はない

足をへし折って海上に吹っ飛ばしてやればいい


「クソが!舐めるなよ!」


舐めてるのはそっちなんだよなぁ

海上に落ちた敵機は即座にブースターでホバリング

そのまま船に戻り戦闘を再開しようとする

さてみなさんここで問題

ネクスターは何処に行ったでしょう?


「は?機体が、沈む?」


答えは水面付近で待機していた。でした

ネクスターが今回乗っている機体名はアリゲーター

その特徴はアンカークローを装備した水中用機体

そのクローで海上戦闘用の機体を海中に引きずり込み

抵抗できない機体をバラバラにするまさに鰐みたいな機体である


「そんじゃサイナラー」


そしてそろそろアイアスがヤケクソになる頃合いである


「うっお―――っ!! くっあ―――っ!! こいつの使い道はまだあるぜ――っ!!」


ほら来た

そして炸裂するのは堅牢にカスタマイズされた我らが中型船のラムアタックである

いやほんとに侮れんねこの子


「うっぉぉ・・・無茶苦茶しやがる」

「別にそうでもないよ」


怯んでいるうちに一機に接近そのままコックピットを叩き潰す

残る一機とサルベージの為に待機していた1機はそのまま海中に投げ出されてネクスターの餌食である









------------









「えぇぇぇ・・・・何この惨劇・・・」

「お!お帰り~」


無事に中身不明のコンテナを回収して戻ってきたら周囲には残骸が漂っていた


「で、どうよ収穫は?」

「まだ未開封よ」

「これから開けるとこっす」


そして船上でコンテナを


「御開帳!」


打撃武器

ぶんちんくん-逆手型二十三式改四


名前だっせぇ


「うぉっしゃあ!今まで見たことないタイプだ!やったぜ!ヒャッホ~ゥ!」


サイドさん大喜びの舞

なお、名前こそだっせぇがその性能はぶっ飛んでいた

外見は書道とかに使う細長い銀色のアレである。まさに文鎮

それをトンファーのように持ち殴る模様

さらにギミックとして

打撃部を前後させることができるらしい

これによりパイルバンカーの真似事もできるようだ


で、今回の被害者って敵三機だと思うじゃん?

違うのよ

本当の被害者は悠先輩であった

帰ってくるなり部屋に引きずり込まれて上機嫌な洋子さんに(ついでに夏妃さんも参加して)セクハラされまくったらしい


「もうお婿に行けない・・・・」


それがその日最後の言葉だった

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