小型工房船ヘッケラー
俺たち3人が乗ってきた船
ラシャプとゲンドゥルが乗ってきた小型の船を改修したものである
「え?この船で武器作れるの?」
「ええ、もともとこの船は各地を転々としながら機体強化をするための物なのよ。さすがに機体を作ることはできないけど武器制作・武器改造はできるわ」
「でも各地に点在するフリーの工房を利用すればいいんじゃないですか?」
アイアスは疑問を投げかける
「いままさに必要な状況でしょ?近くに工房が無い所で制作、試射、制作失敗時に再度パーツ集め」
あぁ、試射も考えてか
ゲンドゥルにドロップしたパーツを渡す
すぐさまゲンドゥルは制作に取り掛かった
「それで、どんな武器を作るんだ?」
「まず無改造状態の武器を作るわ。大型散弾銃を撃てるハンドガンよ」
「ショットガンみたいなものですか?」
制作モーションを行いながらゲンドゥルは否定する
「似て非なるものよ。ショットガンのような衝撃力は期待できないわ。それにショットガンよりも反動が大きい。代わりに軽量で取り回しが速いしリロードやマガジン火力もこちらが優れてる」
「あ、つまり俺が瞬間的なパンチ力を持てる武器ってこと?」
「正解よ」
「おお~ガザニアさんも陽動だけでなくトドメ役もできるようになるわけですか。・・・ところで結構つくるのに時間かかります?」
「ん~・・・5分くらいかかるわね」
そんなにはかからないのか
しかしこの船便利だな
「この船は武器制作だけ?機体の修理とかはできないのか?」
「応急処置くらいならなんとかできるわね。あと弾薬補給も。ナンバーズで作ってた大型船ならもっといろいろできるんだけど」
「ナンバーズ何でもできるんですねぇ。その大型船何ができるんです?」
「武器の制作、改造、修理。機体制作、改造、修理。弾薬、資源の貯蓄。武器やパーツの保管。艦隊船とかかな?」
何でもできるのかよ
「え、え。何人くらい乗れるんです?」
「生身なら50人まで乗れるわね。BWは20機まで乗せれたわ」
おお、桁が違いすぎる
「制作者はジュ〇トリスって言う名前にしたかったそうだけどなぜか警告が入ってしまうそうで悔しがっていたわ」
某宇宙戦争なアニメからか
「よっし完成、甲板に持ち上げるか機体に乗って装備しなさい」
「オッケー」
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さっそく名も無い島のモブ相手に試射である
「まず距離200で撃ってみなさい」
「あいよ~」
格闘兵装のみの孤立した敵をロック
ロックマーカーの下に表示された距離を200にあわせて
「200、発射します」
撃つ
かなり大きな反動と共に散弾は発射される
「あ、当たらねぇ」
「それが基本性能よ、次は自由に距離を詰めてあなたの判断で撃破しなさい。使うのはその武器だけよ」
即座に距離を詰めて150で発射
ほんのちょっとだけ命中
カス当たりである
「反動が大きくて一々照準合わせ直さなきゃいけないのが・・・」
結局撃破するまで20発近く撃つことになってしまった
マガジンの弾数は5発なのでリロードは4回という事になる
「さて、不満点を聞きましょうか?」
「まず拡散しすぎるのは困ったな、距離話すと全然ダメージ稼げない」
「ふむ」
「弾数5発も少なすぎると感じた、もっと一度に撃ちたい。あと反動だな」
改善点を上げていく
「じゃあそれを踏まえたうえで私の提案ね」
ゲンドゥルの強化プランは以下の通り
1・収束率の上昇
バレルの延長を行い散弾の適正距離を上昇させる、カス当たりによる削りを捨てて一撃の威力を上げる。ただし命中させる技術力が必要になる
2・弾数の増加
マガジンを大型化。初期状態はボックスマガジン(実際のハンドガンのアレ)、それをバナナマガジン、ロングマガジン、ドラムマガジンに変更する。当然重くなる
3・反動の低下
2の重くなるという欠点を逆に利用する、グリップの下に大型マガジンを取り付け重心を下げることで取り回しの良さもそのままにできる。側面かバレルの下にサブグリップを付ければさらに安定する
「こんな感じでどうかしら?」
「エクセレント!」
「これってハンドガンですか?」
さっそくゲンドゥルに制作をお願いする
もともと機体の積載量には余裕があったので特に問題なく積み終える
そして試射
「てきはばらばらになった!」
「ミンチよりひでぇや」
「うん、いい感じじゃないかしら」
良い武器だ
「じゃあ後3丁作るわよ」
「は?」
「あなたにもう一丁、私に2丁用意するにきまってるじゃない。ここまで作ってあげたんだから当然手伝うわよね?」
そしてモブ狩りは深夜まで及ぶ苦行と化した