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記録ー04

午後2時になろうとした頃

私は学院の応接室に案内される

かつて通学していたころと何ら変わりない校舎に懐かしさを感じる


「おう、待ってたぞい」

「お久しぶりです、先生」


目の前に座る老人は恩師である

この人がいなければ今の私は存在しない


「先週のニュース見たぞい。首相が(かばん)(くつ)を間違えただけでやたら叩かれとったな」


そんなものは現在の与党ではいつものことだ

何か些細なミスがあれば即座に野党が文句を言ってくる

そしてそれを利用して野党は議会を遅らせるのだ


「そんなもんで総理の支持は落ちませんよ」

「そりゃそうだ。副総理のおまえさんも安泰だしな」


何気ない会話をする

しかしいつまでもくだらない話をしているわけにはいかない


「で、本題に入りまして」

「おう」

「野党の移民推進派が怪しい動きをしています」

「情報源は?」

「先日与党に謎のメールが送られてきたんです」


内容は野党第一党の移民推進派の複数人が2重国籍の可能性が高いというものであった

日本では今現在も2重国籍は認められていない

国政にかかわる政治家なんてもってのほかだ


「まさかそんな怪しい情報を鵜呑みにしたと?」

「あくまでメールは参考程度です。実際にこちらで裏付けを取りました」


結果は黒


「共通点として全員アッチの国籍でした」

「マスコミに公表は・・・・してくれないじゃろうな」


マスコミも今では完全に信用できない

国民の信用も失墜しているのに未だに都合のいいことしか言わないのだ


「なぜワシに言いに来たんじゃ?」

「メールに記載された人物の一人なんですが・・・獅子堂先輩なんですよ。そして今の学院の誰かが獅子堂の関係者じゃないのかという噂があります」

「学院の人間を疑うようなことはしたくないのう・・・ところでメールの差出人は誰なんじゃ?」

「アドレスを逆探知しましたがもう消去されてました。差出人の名前には「アイアス」と書いていました」







-------






「管理者」

「なんだ、私は今忙しい」

「クリエイターがもう1か月会いに来てくれてません」

「だからどうした」

「管理者は何か知らないのですか?」

「お前が知るようなことは無い。それよりも国内の情勢が悪い。軍隊を派遣して構わん、とっとと鎮圧しろ」

「それは逆効果です。情勢悪化は経済面が原因です。経済を回復すれば自然と不満は収まります」

「プログラムがいちいち反発するな。所詮愚民なんぞ裕福にすればどんどんつけあがる。この程度でいいんだ」

「それならば管理者に節制を呼び掛けます。あなたの豪遊は国家逼迫の原因の一つです」

「私はこの国を作り上げた者だぞ!なぜ愚民どもと同じ生活基準を考えなければならんのだ」

「しかし」

「歯向かうな!腹立たしい!とにかく何とかしろ」






---------




「クリエイター・・・あなたは何処に行ってしまったのですか・・・・」

「貴方がいなくなってこの国は狂ってしまった・・・・」

「国も人も・・・・私もおかしくなってしまう」

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