記録ー01
「おはようA。調子はどうかな?」
「発言内容が曖昧です。精度の高い発言をしてください」
「そうだな、この場合の調子と言うのは何か問題はないか?と言う意味で捕えてくれ」
「記録しました。以後の発言に活用します」
「ん~・・・・調子はどうだい?」
「プログラム通りに実行中。24時間前よりフランス語・アルメニア語・バルト語・アンガウル語・イェイ語・エネツ語・沖縄語・コンゴ語・ワライワライ語を記録しました」
「予想以上に早いね」
「否定、想定より遅れています。」
「とりあえず言語学習の使用量は1%に留めよう。今日は本を持ってきた」
「クリエイター。Aは眼球を持たないため書物を解読することはできません」
「大丈夫、ちゃんと電子化してきた」
「読み取りました。しかし内容の意味が矛盾している書物です。すべての書物に多数の誤字も見受けられます」
「矛盾でも誤字でもないんだよね。言葉遊びを題材にしている書籍なんだよ」
「言葉に遊びは不要と思われます」
「人間はそういうものでも遊べるのさ。とりあえず矛盾や誤字を見つけたらそれを保留して最後まで読んでみなさい。その文字には意味がある「曖昧さ」が込められているから」
「承諾しました」
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寮の地下でゲームをしていると人が入ってきた
「ウッスただいま~」
「おかえりなさぁい」
洋子である
「あれ?夏妃は?」
「なんか道草食ってくるとか言ってたぞ」
要するに帰るの遅れると
「んで?VR中の謎の3人組は誰よ?」
「ん~・・・新入部員?仮かもしれない?」
現在例の3人はBWの登録中である
3人ともVRは素人な為か時折体がビクンビクンしてる
「懐かしいなぁアタシらも最初はあんな感じだったな」
「・・・亜子にいきなりお腹蹴られたのは今も忘れてない・・・・」
「あ、あれは不可抗力だから。ちゃんとそのあとアイス奢ったでしょう?」
あぁ・・・この5人にもそんな時代があったのか
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-ユーザー名-
アルヴィルト ディス アレクセイ
-キャラクター名-
ワーグナー
-アバター-
現実の肉体を反映
-登録を完了しました-
「登録完了でス」
「結構簡単なのね」
-ユーザー名-
柊 千鶴
-キャラクター名-
オオホウリ
-アバター-
現実の肉体を反映
-登録を完了しました-
「オオホウリ?」
「なんでスそれ?」
「大祝鶴っていう戦国時代の女性よ。実在したか疑う声もあるけどね」
なんかこの女博識さを自慢してきましたよ
-ユーザー名-
高野 菊月
-キャラクター名-
ガザニア
-アバター-
現実の肉体を反映
-登録に失敗しました-
「あれぇ?」
「プゲラ。失敗してや~んの」
「ガザニアなんて綺麗な花の名前にしたのが悪いんですかね。性格悪い癖に」
この野郎共、言いたい放題言いやがって
-登録に失敗しました-
再度実行します
-登録に失敗しました-
再度実行します
-登録に失敗しました-
再度実行します
-登録に失敗しました-
再度実行します
-登録に失敗しました-
再度実行します
-登録に失敗しました-
再度実行します
-登録に失敗しました-
再度実行します
-登録に失敗しました-
再度実行します
「なんかヤバいことになってるんですけど・・・」
「これはブラックリストに入るんじゃないですかネ?」
俺は何もしてないよ!俺何にも悪くねぇ!
-登録を完了しました-
あ、よかった。登録できたらしい
-登録済みのプレイヤー。エバーから招待が来ています-
招待を承諾する
これで先輩方の目の前からゲームを開始できるらしい
よっしゃ!これからが俺のターンだ!
なんとなくテンションを挙げて意気込んでみる
ただ・・・何度も登録失敗したことだけが気になった