表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/137

1年の終わり

3月下旬

春休みである

桜の舞う道路を1台の車が走る

運転は夏妃が

助手席には俺である


「初心者と思えないほどスムーズに運転するな」

「多分バトルウォーカーのおかげじゃない?」


そこでなぜゲームが出てくるのか


「10月のアプデでジープとかバイクとかも追加されてたからね。街のレンタルジープで練習したら普通に運転できるようになってたわ」


それそんな使い方するもんじゃねぇんだけどな


「それより左見て。あそこが私たちが通う大学よ」


桜並木が途切れると同時に左に大きな建物が見える

大学と言うだけあり敷地が非常に大きいのだが


「学院がもっと大きいせいで大学が小さく見えるんですがね」

「学院の卒業生はみんなそう言うっておじい様が言ってたわぁ」


夏妃は4月から大学生になる

だが寮は出て行かない

車の免許を取った理由は寮から大学まで通うためなのだ(俺は先日知った)

徒歩では2・3時間かかる道でも車なら15分程度で到着するのだ

それなら使用人の運転で通えばいいじゃん?って思うが


「プライベートで洋子と悠君と一緒に出掛けたいときもあるかもしれない!」


と言う理由もあったりする


「まぁそんなわけで大学を通りすぎま~す」

「あ、寄って行かないのね」


どこに行くのかは教えてもらっていない

そしてそこからさらに2時間ほど進む

そこは山の中の急なカーブだった

カーブの先には海が見える


「ここに来たかったの」


そう言う夏妃の声は少し震えていた

その様子を見て察した


「・・・ここでね、お母さんが死んだの・・・・・」


なんとなく予感はしていたので特に驚きはなかった


「別にここにお母さんが居る。とか、お母さんに悠君を見せたかった。とかじゃないの」


震えた声で

でもその視線はしっかりと俺を見ていた


「ちゃんと自分の過去を見て。受け入れて。前に進みたいなって」

「良い事だと思う。でも急ぎすぎちゃいけないとも思うよ」


ある日突然家族が居なくなったら

そんな事めったに起こることじゃない

でも絶対に起きないわけじゃない


「わかってる。走ったりしない。歩いて進む」

「じゃあ俺は一緒に歩くよ」


夏妃の傍に居てあげよう

と言うよりも俺が一緒に居たい


「あ、でも洋子も仲間に入れてあげないとイジけちゃうね」


そう言って夏妃は笑いだす


「悠君・・・・大好き」


そう言ってキスをされた

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ