本音
「と、言うわけで。クラフトマンは運搬専門機体から索敵専門機体に進化しました」
夏妃の索敵端末が役立たずになった瞬間であった
「肝心の夏妃にはそれを伝えたの?」
「知らないね。私たち3人と悠君だけ」
免許取得して帰ってきてから驚かそうとしてるらしい
入手後レーダーユニットを既存のパーツで強化した結果
・探知した機体は赤丸から赤いシルエットで表示されるようになり武装や機体構成がわかりやすくなった
・索敵範囲が1キロから1.5キロに延びた
ただし弱点もあるらしく
・使用中は移動ができない
・起動まで15秒の待ち時間が必要
・結局自分の「眼」で確認しないといけないので後ろは見えない
・起動中の音が大きく隠密行動ができない
まぁこの4つの弱点があってもお釣りがくるほど優秀なパーツだろう
「・・・レーダーのことはいいんだけどさ・・・」
御門が口を開く
「夏妃ちゃんわぁ、機体完成したのぉ?」
それな
「だいぶ悩んでたよ、いろいろ積みすぎて反応速度が悪いから殺されたって愚痴ってた」
夏妃の全壊(盗まれた)した機体、ヘヴィバレットはまさに全部乗せであった
小口径マシンガン・中口径ライフル・大型シールド・大型ナパームランチャー・小型ミサイル・索敵端末
さらに装甲も厚く機動力もほしいと後方にブースターを多数
お前は1人で戦場のど真ん中に突っ込むつもりなのかと
「夏妃の機体についてはこっちで考えがあるよ。夏妃自身が作れなかった場合だけど」
そこらへんは後日のお楽しみってことに
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4人で晩御飯を食べ終わる
「亜子、ちょっと聞きたいんだけど」
「悠君が私に用事?明日は雨かな?」
わりとまじめな話である
「獅子堂陽一、知ってる?」
「知ってる。前に色目使って誘ってきたことあった」
噂通り見境ないねアイツ
「今日の帰り出くわしたんだけどさ・・・」
「大変!獅子堂に悠君が汚されちゃう!」
俺は男です。獅子堂もノンケです。多分
「アレ曰く、俺と夏妃がくっついたらお互い不幸になるらしい」
「・・・・」
珍しい。亜子の目つきが怖い
「悠君はそれ聞いてどう思ったの?」
「そんな事だけ言われても理由もわからないからね」
珍しいですよ。亜子さんの目つきが怖いです。街中のチンピラが逃げ出しそうな目です
「・・・・事情は知ってる。でも私からは話せないわ」
「じゃあ事情を知ってる亜子さんに聞きたい」
事情を知ってる君自身の推測を
「俺と夏妃は幸せになれる?」
「なれる」
断言する
「その答えが聞ければ十分かな。ありがとさん」
「どういたしまして。じゃあ私からも質問」
お、おう
「夏妃のこと、好き」
解りきった答えだ
「好きだうよ」
思いっきり噛んだ
あれだね、いざこうやって声に出すと緊張しちゃうね
「ぶふっ。噛んでやんの」
「笑うない!」
でもこうやって誰かに断言してもらって楽になった
「・・・2人とも何の話?・・・」
「仲間外れはぁ、よくないと思うのぉ」
こういうのも悪くないかな
「ただの世間話よ」
「そうそう、俺が今日獅子堂に掘られそうになったって話」